諸葛亮こと諸葛パパは仕事を抜け出し、司馬懿とお散歩することにしました。(ぉぃぉぃ

 司馬懿はとてとてと諸葛パパの前を歩き、諸葛パパは、その姿に微笑みを送っていました。

 やわらかい日差しの、うららかな春の午後。



 しばらく歩くと、司馬懿が諸葛パパの裾をくいくいと引っ張り、こちらを見上げ、前方を指差します。

 『パパ、あれはなに?ひらひらしてる!』

 『ああ…あれはですね、蝶といいます。綺麗でしょう?』

 『うん、綺麗!月英ママみたい!もっと近くで見たい!』

 極上の笑顔できゃいきゃいととはしゃぎ、さらにくいくいと裾を引っ張る司馬懿に、諸葛パパは『いいですよ…気をつけていきなさい』と言うしか出来なかった。

 それを聞くなり司馬懿は『わぁ~ぃvvv』と喜びながらぱたぱたと走っていった。

 『やれやれ…仕方ないですね…あぁ、あんなにはしゃいで…子供は無邪気ですねぇ…v』

 鼻血を出しながら言うと妙な怪しさが出てしまいます。諸葛パパ。

 はしゃぐ司馬懿の姿が草むらに隠れ、見えなくなったかと思うと、同時に声が聞こえなくなった。

 『司馬懿…?』



 返事はない。



 『司馬懿、どこです!?』



 やはり返事は無い。


 諸葛パパの顔は一気に真っ青になった。

『司馬懿!!!返事をするのです!!!』

 あわてて司馬懿が隠れたポイントへと走る。

 司馬懿は、消えていた。

 そこにはしっかりと、司馬懿の小さな足跡があった。が。

 『なんです…?この奇妙な跡は…』

 樽が横になって転がったような、変な跡もあった。

 『司馬懿… まさか…』


 石か何かにつまづいて、転んだ…?

 では、彼は、我が子はどこに…!?

 必死になってあたりを探すが、まったく見つかる気配はなかった。




『司馬懿―――――――ッ!!!!!』

 彼の声は、虚しく辺りに響くのみだった。




 さて、司馬懿はと言うと…


 『ぅわあぁぁあぁぁぁあぁあああぁぁぁぁぁ』

 ごろごろごろと草の生い茂る坂を転がっていた。

 スカート(?)の裾を自分で踏んでしまい、バランスを崩したのだった。

 そして不運にもそこは坂。

 抵抗する術もなく、ただ転がるのみとなった。

 ところどころにすり傷が出来て痛い。

 (パパ…!!!助けて…!!!)

 息子の切実な想い。

 願い叶ってか、司馬懿の体はついに回転を終えた。

 その拍子に顔面をべしゃっとぶつける。

 『いたた… ふぇ…いたいよぅ…』

 ぐすんと鼻をすすると、急に辺りが暗くなった気がした。

 いや、実際には辺りが暗くなったのではなく、自分に人影がかかったので暗くなったように思えたのだ。

 『…お前、司馬懿、か…?』

 ふと見上げると、司馬懿の前にいたのは…

近所の強いぞガキ大将、呂布奉先! 16歳でもナイスダンディー夏候惇元譲!


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