我王

月物語



欠けた君も少し隠れた君も

でも君は僕には遠く及ばない存在で

手を伸ばすことさえ

恥ずかしく思えて

うつむいて

偶然僕を照らし出してきた蛍光灯を

見つめるようになっていた

けど僕が君を忘れない日はなかった

そんな僕に気付いたか

蛍光灯は時折静かに涙を流した

それでも僕は君を想っていた

      *

ある日蛍光灯は

涙を流してこういった

     もう見ないで



僕は最後にまっすぐに

蛍光灯に頭を下げた

ありがとうとごめんなさいが

初めて心で共存した


     *

僕は走った

君の元へ

例え届かなくとも

足が燃え尽きようとも

走り続けた

もはや僕の脳内に

休むという文字などない


     *


走って

走って

走って

僕は君を抱きしめた 


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