我王

オレンジ泪



僕よりずっと小さくて
大事で仕方なくて

食べられないまま
ポケットにしまいこんだ

でも
イチゴ色した飴がやってきた
僕はイチゴ色した飴を愛してしまった

僕より少し大人で
笑顔がかわいくて

でも食べないまま
レモンの飴とは違うポケットにしまった


レモンの飴は僕に恋してくれた
イチゴの飴は僕を愛してくれた



どちらも大切だった

でもどちらか選ばなきゃいけなかった

その時の僕はあまりにも弱かったから

支えてくれるものが必要だったから


そして僕はイチゴの飴を選んだ
理由は
ない

ただ近くにいたのがイチゴの飴だっただけだ

出口のない後悔を幾度かして
ふっきれかけた時

レモンの飴の色はかわった


僕はイチゴの飴を舐めながら
ポケットからレモンの飴を出すことをしなかった

できなかった

レモンの飴は僕から目を逸らさなかったから
例え僕が避けても
例え僕が走って避けても
レモンの飴は追ってきた

初めて本物の涙が出た



いつまで経っても
僕は涙を止める事ができなくて

イチゴの飴を本当に愛する事はもうできなくて
レモンの飴に応えることもできなくて

ただ僕はオレンジ色に光る
涙を
枯れることを知らない
オレンジ色の涙を
流し続けた



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