出羽の国、エミシの国 ブログ

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2016年10月09日
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東での横浜夷人館焼打ち計画と隠密無礼打ち事件、西での京都挙兵の画策と寺田屋事件・・・挫折を繰り返しながらも東(江戸)へ戻ってくる。
イギリス艦隊と夷人館焼打ちの攘夷へ突き進む八郎だが、その中で生じたいくつかの誤算を見てみたい。

1. 虎尾の会、池田徳太郎の離脱
池田徳太郎 は、虎尾の会の発起人の1人。天保2(1830)年10月、安芸国豊田郡忠海町(現在の広島県竹原市)に医師の子として生まれた。15歳の時に九州に渡り著名な儒学者の広瀬淡窓の塾に入り刻苦精励した。さらに安政元(1854)年25歳の時に江戸に出て勉学して万延元年30歳の時麹町に塾を開いた。頭脳明晰、豪胆の士だったという。江戸で清河八郎と出会い、虎尾の会のメンバーとなった。

 「無礼打ち事件」の時に連座して幕府に捕えられ伝馬町の牢獄に入れられたが、自身で獄吏を懐柔したりして「 急務三策 」により大赦をかち取り出獄した。まさに九死に一生を得た。牢獄では、お蓮や熊三郎(弟)の面倒まで見ている。
 出獄後、関八州と甲州を遊説し浪士集めに奔走した。浪士組の結成における功績は多大だ。石坂とともに八郎を支え、浪士組結成の最大の功労者とも言える。

 新徳寺での演説の直後、その池田が一人 学習院(御所)へ提出する上書への署名を断り、浪士組から脱退する。"(八郎に)首筋が細くなったなあ・・・、と言って去っていった"(八郎グラフィティ)とも、浪士組結成当初から“広島へ帰る為の道中が一緒なので、ついて行くだけで、浪士組には加わらない”つもりでいたとも言われる。

 この浪士組脱退の理由を、柴田錬三郎は、「(池田は)今の今まで八郎がかような上書を草していようとは気づかなかったのである。なぜ、生死を共に誓った自分や石坂に打ち明けようとしなかったのか。その憤りがある。」と書き、徳田 武は、「かように重大な事(天皇の上書のこと)を今まで秘密にされてきた、という憤懣があったのかもしれない」としている。
 一方、大川周明は、「ただ池田徳太郎のみは病母の看病を名として連名を拒み、遂に脱退し去った」として、病母の看病を理由とした。

 残念ながら池田が抜けた本当の理由はわからない。
(もしかしたら、「維新志士池田徳太郎」という本があるのでそれには書いてあるかもしれない・・・)

 意外なようだが、池田と八郎とのつながりを現わすようなものを見つけた。

池田徳太郎の残したある歌の冒頭、 
「いとわしな 捨る命は  君が為め 世の為め 人の為め と思へば・・・」(山本呉服店のHP)
と、

「某人傑と問答始末」に出てくる、八郎が山岡に言った言葉、
 「吾人済世の要とは、 君の為め、国の為め、或いは人の為め に盡(つく)すことで、・・・」。
である。多くのエピソードの一部ではあるのだがこの二つが、とても似ているように思える。
 同時代の志士の共通の考えの1つだったのかもしれないが、八郎と、池田徳太郎の座右の銘が一致していることが偶然とは思えなかった。八郎と池田との気持ちは同志という意味では切れていなかったのではないか、そう思った。

(・・・と、同時にこのような幕末の志士の善意の気持ちが悪用され、後に多くの無駄な犠牲者を生んだ悲しい歴史も連想させられた。同じことを繰り返えさないように歴史に学ぶものは多い。)

 虎尾の会は、少数精鋭、時間をかけてお互いに心通うまで議論ができた。しかし、浪士組は200人を超え、目的や思想も違う人間が交じり、粗暴な連中も加わった。
そのような中で意思疎通を図るのは容易ではない。新徳寺の演説は、今までの八郎のやり方とは少し違ったのだろう。浪士組を結成し攘夷実行するための時間がない・・・抜け駆け的なやり方は、八郎の焦りも影響したのではないかと思えた。


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 ※"清川口戦争/戊辰戦争編"はこちらの本でまとめてご覧になれます。
👉 出羽庄内 幕末のジレンマ(2)(清川口戦争/戊辰戦争編) Kindle版





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最終更新日  2024年05月23日 22時27分00秒
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