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2011/05/15
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カテゴリ: おでかけ
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国立科学博物館で、5月29日まで「宝石サンゴ展~深海からのおくりもの~」が開催されています。15日には、「宝石サンゴ非破壊分析ワークショップ」があり、展示品を分析するというとても興味深いイベントがありましたので参加しました。

プログラム

 1.「宝石サンゴを分析する意味と意義」                                                        

                立正大学教授 岩崎望 先生

サンゴ展ワークショップ

サンゴの種(宝石サンゴか造礁サンゴか)と産地を分析するというのが目的です。この日の分析では、地中海産と日本産の分析は残念ながらできないとのことでしたが、造礁サンゴを染色したものや、ガラスや樹脂に染色したものを宝石サンゴと区別することができます。

2.「微量成分を用いた宝石サンゴの真贋判定と産地同定」

                金沢大学教授 長谷川浩 先生

サンゴの種類と産地

宝石サンゴ(白サンゴ、桃色サンゴ、赤サンゴ)の石灰質は、カルサイトであり、造礁サンゴは、アラゴナイトです。どちらも炭酸カルシウムではありますが、造礁サンゴだと染色のための色素の成分、水銀Hgや亜鉛Znが検出されるようです。宝石サンゴの赤色は、カロチノイドのカンタキサンチンであることが発表されています。カロチノイドなので、植物性の色素です。サンゴはポリプ(イソギンチャクやくらげの仲間)なので生物なのですが、植物の色素で着色しているとは驚きでした。鯛も養殖すると赤くならず、植物性プランクトンを餌に与えると赤くなるというので同じですね。

Mg 含有量Ba 含有量と水深の関係

サンゴの成分を分析し、MgとBaに注目してみると、Mgの取り込みは海水の水温に影響を受けます。また、Baは、水深によってBa濃度が異なるため、Ba濃度によりサンゴの生育する水深を推定することができます。

Ba, Mg 含有量による産地同定

 生息海域別に宝石サンゴを比較してみると、MgとBa量に違いがあることがわかります。したがって、宝石サンゴのMg量とBa量から産地を推定することができます。今回の分析では、分析器がハンディタイプで簡易なのでここまで詳細なデータはでないのが残念でした。

 3.「蛍光X線分析装置について」 堀場製作所

サンゴの蛍光X線分析

 成分元素の%が30秒後に表示されます。

4. 分析とデータのまとめ

いよいよ、分析です。まずは、岩崎先生のコレクションから、宝石サンゴや染色造礁サンゴを分析。

1)バンブーコーラル(造礁サンゴ)のビーズは、Caが62%でZnが1000ppm検出されました。同じビーズの赤くない部分(割って中の白いところ)は、Znが400ppmまで減少しました。

2)姫路の骨董屋さんでサンゴと言われて購入した、赤いビーズの分析では、Siが34.5%Ca8%Znなどが検出されました。この結果から、これはガラスに色をつけたものであることが推定されました。

いろいろありましたが、ハワイで購入のゴールデンコーラル、Cl25%、Ca20%、ヨウ素が検出されました。ゴールデンコーラルとのことですが、ブラックコーラルを脱色したもののようです。ヨウ素はブラックコーラルの黒い色の成分です。

その他いろいろやってみました。チベットのサンゴと言われるビーズもガラスのようでした。また、かんざしで模造べっこうについているサンゴ玉は、Ca31%、Hg21%で染色されたもので宝石サンゴではなさそうでした。

いよいよ展示品です。ぶっつけ本番でなにがでるかわかりません。文化財でサンゴであると言われているものも分析するとかなり模造品であったり染色であったりするもののようです。

土佐山之内家の財宝より、白一黒一三ツ柏紋蒔絵陣笠と刀のしつらえ(鞘)の分析

サンゴ展展示品の分析
 鞘に細かいサンゴ砂をちらし、漆を塗って研ぎだしてあります。黒いところに桃色サンゴの美しい模様が浮き出しています。このサンゴの部分に分析器を近づけます。

Ca33.5%、Fe25%・・・分析するたびに数値が変わります。この分析器の分析範囲がΦ9mmなので小さいサンゴより大きいため、漆の部分も分析されてしまってうまく測定できませんでした。装飾につかったと思われるサンゴ砂も展示されていたので、それだけを測定すると、Ca69%,Sr500ppmで宝石サンゴを示す結果でした。

他に展示品から、サンゴの模造品といわれる明石玉、白鹿記念酒造博物館所蔵の江戸末期の硯箱、彩珠宝石研究所から模造品として展示されていたかんざしの赤い玉などを分析しました。

明石玉は、牛の骨を加工したものだという特許があると言われていますが、今回の分析ではPb33.6%、Hg20.6%、Zn16.14%、Ca3.5%・・・で予想された牛の骨ではなさそう・・・明石玉はサンゴの模造品だということは事実なのですが、明石玉の模造品というなんとも面白い結果となりました。硯箱のサンゴは宝石サンゴ、かんざしの赤い玉は、飯田先生の予想どおり動物の骨の可能性ありという結果でした。

わくわくするイベントでものすごく楽しい一日となりました。

また、私は山サンゴというのが宝石サンゴとは違うとは思っていましたが、山という名前がついているので海からとれたものだとは思っていませんでした。造礁サンゴを染色したもののようで山からとれた何かの化石などというのは違うということを知りました。

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Last updated  2011/05/19 09:18:05 PM
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