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2006.01.20
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カテゴリ: 日常雑記


千本浜 2006年1月1日


父さんが最期に使っていたのは、茶色い革の鞄だった。
あれは精一杯の贅沢品だったのだろう。

現実に耐えられなくなると、父さんはその鞄を持っていなくなった。
山の中の温泉地や、大空襲のあった海軍工廠の町。
半世紀近く前に何かを見た場所に、父さんは現われた。

思い出と、壊れた夢と、幻と。
そんなものを拾っては、鞄に入るだけ詰め込んでいたのだ。
他の者にとってはがらくたでも、それを入れる鞄はとびきり上等なものでなければならなかったのだろう。

最期の父さんの茶色い鞄は、古い宝箱のような形をしていた。

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Last updated  2006.01.20 15:45:11
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Re:父の鞄 #2(01/20)  
夏見還  さん
こんばんは♪

一張羅の鞄ですね。
そうか、お父さんは鞄に、別の宝物を詰めていたんですね。

川上弘美の「センセイの鞄」を思い出しました。 (2006.01.21 00:01:42)

Re[1]:父の鞄 #2(01/20)  
夏見還さん、こんばんは♪

>一張羅の鞄ですね。

そうです、まさにそれ。
服も一張羅なんです。

>そうか、お父さんは鞄に、別の宝物を詰めていたんですね。

ええ、現実から遊離した宝です。

>川上弘美の「センセイの鞄」を思い出しました。

すっかり忘れてました。
いい話でしたね。

(2006.01.21 00:05:17)

Re:父の鞄 #2(01/20)  
chappi-chappi  さん
こんにち玉手箱~♪

幻泉館ご主人のお父さんは宝物を入れて持ち歩いていたのですね。
ひょっとしてその鞄の中には別の空間があったのかしら。行ってみたいような。

大阪のおとうさんの鞄の中には551の豚まんがはいっているみたいです。のぞくとにおうの。

(2006.01.21 16:25:08)

Re[1]:父の鞄 #2(01/20)  
chappi-chappiさん、こんばんはげおやじ~♪

親父様の鞄の中は、異空間だったようです。
他の人が入れない世界だったのでしょう。

>大阪のおとうさんの鞄の中には551の豚まんがはいっているみたいです。のぞくとにおうの。

おお!
いいよね、551の豚まん!

(2006.01.21 22:05:15)

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