時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

PR

Profile

風竜胆

風竜胆

Favorite Blog

自由に捕らわれる。 … New! じらーるぺるごーさん

ステルス出社 ブラジョンさん

定期検診(19年目) As Oneさん

気まぐれんな旅行屋… 富士家のぱこさん
マークス・ストーリー マークス5406さん

Calendar

Keyword Search

▼キーワード検索

September 28, 2010
XML
カテゴリ: 映画(日本映画)

「ゴジラ」 。1954年に公開された東宝映画である。白黒映画というのも時代を感じさせる。



 ゴジラは、海底洞窟に潜んでいた恐竜の一種が、水爆実験により住処を追われて暴れだしたという設定だ。この映画のには、アメリカがビキニ環礁で何度も行っていた水爆実験とそれによるマグロ漁船・第五福竜丸の被爆事件に対する批判が込められていたというのは有名な話だが、この作品に描かれているゴジラは、まさに破壊神、戦争の権化といっても過言ではない。ゴジラによって破壊しつくされた街と多くの被災者たち。母親が死んで幼い少女が遺される。まさに画面に表れているのは戦争の風景なのだ。

 水爆の爆発にも耐え抜いたゴジラ。動物学者の山根恭平博士は、そんなゴジラを倒す手段などないと言う。だが、山根博士の娘・恵美子だけは、芹沢博士が研究・開発していた「オキシジェン・デストロイヤー」を使えば、ゴジラを倒せるかもしれないということを知っていた。山根博士の養子となるはずだったが、戦争で片目を失ったため、恵美子との婚約を解消していたのである。

 芹沢博士は、彼の研究が悪用されることを恐れて、秘密裏に研究を進めていた。ゴジラにより日本が蹂躙されていく中、遂に芹沢博士は、ついに「オキシジェン・デストロイヤー」を使う決心をするが、その代償は大きいものだった。一度でもこれを使えば、世界中が兵器としての悪用を考えるようになる。芹沢博士は、全ての書類を燃やすと共に、自らの命を絶つことにより、「オキシジェン・デストロイヤー」を永久に封印したのだ。アメリカの原爆開発のためのプロジェクトは、マンハッタン計画としてよく知られている。そこには、多くの科学者が参加して、あの非道な破壊兵器の研究開発に従事した。芹沢博士の行動は、そんな科学者たちへの皮肉が込められているような気がしてならない。

 ゴジラマーチによって、いやがおうにも高まる緊迫感。人間たちの抵抗をものともせず、まさに無人の野を行くように、破壊の限りを尽くすゴジラ。その姿は、まさに怪獣の中の怪獣、キング・オブ・モンスターである。

 ところで、この映画は、50年代の日本社会の様子を窺うことができる。今のように、スマートでもなく、ものも溢れたりはしていないが、そろそろ戦争の傷跡も癒えかけて、今よりはずっと活気があるように見える社会。地方もまだまだ疲弊していない。そんな時代へのノスタルジアも感じさせてくれる映画だ。


(監督)
・本多猪四郎
・円谷英二(特撮]

(出演)
・宝田明(尾形秀人)
・河内桃子(山根恵美子)
・平田昭彦(芹沢大助)
・志村喬(山根恭平) ほか


○応援クリックお願いします。 人気ブログランキング にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

○姉妹ブログ
「文理両道」
「本の宇宙(そら)」

○関連ブログ記事
a Sunday painter
映像オタクの日記帳





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  October 4, 2010 09:15:38 PM
コメント(0) | コメントを書く
[映画(日本映画)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: