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Dec 7, 2004
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カテゴリ: カテゴリ未分類
――すべてのものは
虚無からうまれる。そして
――すべて ものはまた
虚無へかえる
(――悟り人のごとくはいえない
 今の今なれば)       みなわ ひとし
ちょっとさみしいの


駅前に、その喫茶店はあった。
外看板も傾きかけて、「2階へ」と書かれた紙が、
無造作にペタンと貼ってある。
上がってみると、たしかに灯りがついている。

ドアを開けると、ヒトの気配がない。
どうしよう。
ためらっていると、
ジャー、ザーと音がして、奥のドアが開いた。

「ウ、いらっしゃーい」
やせぎすのそのヒトは、
消え入るようにつぶやいた(ように聞こえた)。

「コーヒー、お願いします」
言いながら窓辺に坐る。
ジャズが静かにながれている。
見ると、素通しのガラス窓はうすぐもり
テーブルの片隅にもほこりが積もっている。
私はこういう喫茶店、落ち着けて好き。

やがて、コーヒーが運ばれてきた
「ウ、ごゆっくり」
静かにカップをおきながら
そのヒトは小さくうなずく。

ひと口、ふた口
コーヒーの苦味が口中に広がって
そのくせ、のど元をすぎると
さーっと消える、後味のよさ
美味しい!

「このコーヒー、美味しいです」
うれしくなって声をかける。
「ウ、イヤー」
またも、寡黙な返事。
細身に、洗いざらしの白いワイシャツと
ジーンズがよく似合っている。
下向き加減で、ちょっとニヒルで
喫茶店の雰囲気にぴったり合っている。

しばらくして、男たちが5、6人入ってきた。
ドヤドヤとカウンター席を陣取る。
「なー、新聞見たか」
「○×、辞めるんだぞ」
「わからん、わからん」
急に雰囲気が一変した。
野球の話でいっきに盛り上がっている。

「ウ、ヒヒ、ベンチが、ベンチがアホやからなー」
ひときわ甲高い声で叫んだのは、
ほかならぬ、ニヒリストであったはずの
そのヒトだった。

参りました!





















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最終更新日  Dec 19, 2004 11:34:07 PM
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