回転禁止の青春さ♪


僕ら高校生がクラブから帰る時間というのは、夕食時なので、外で遊んでいる小学生はあまりいないのですが、その日はたまたま近所の公園に一人の小学生が、遊んでいました。普段この時間の公園には、犬の散歩中の人々か、ゲートボールの秘密練習をする老人しかいないので、見慣れない光景に、なんとなく目を奪われていました。
少年は、ひとしきり一人遊びをしていたらしく、次から次へと公園の遊具で遊んでいました。そして彼は、鎖で吊り下げられたタイヤをつかんで、今までしたことがないくらいグルグル回り、鎖をねじり始めました。

僕 :「そんなに回したら目ぇ回すでー」
少年:「いいねん!」

彼は、なにやら自暴自棄に陥っているようにも思える様子でした。僕の静止を振り切って、彼はグルグルに鎖をねじったタイヤに颯爽と乗り込み、回転し始めました!
1回、2回、3回…。タイヤは、容赦なく回転します。回転が止まった、と思うが早いか、今度は反対方向へ回転していきます。
お節介な僕は、
「大丈夫?」
と聞いてみますが、返事はありません。固唾を飲んで見守る僕をよそに、タイヤは回転します。
そして、回転が止まり、彼はタイヤを降りました…、というより、タイヤから落ちました。彼はおもむろに立ち上がると、フラフラと水呑場に向かって歩き始めました(((。o゜))))((((゜o。)))
その時です!

哀れ少年は、今日の給食を大地に還してしまいました…。
彼に何があったのか、何が彼をそこまで追い詰めたのか、いったい何に悩んでいるのか?そんなことを聞いてあげられるはずもなく、ただ僕にできるのは、彼の背中をさすってあげることだけ。あぁ、僕って、なんて無力な高校生…


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