Episode 4-2 『プリンセス登場(後編)』


 その日はサッカーの試合。朝、近所の小学校に集合して、親たちの車に分乗して現地へと向かった僕らは、王子の姉上(プリンセス)の車に乗ってしまった。そして、プリンセスが先行車を見失ってしまったとこに気づいた僕らは、助手席に座っているものの頼りなさを叱責しようとしたところ、そこには、あの、やんごとなきお方が座っておられたのでした…。

〔後編〕

「お、お、王子…。Σ(゜□゜;)!!」

失望、否、絶望という言葉の表すものを実感したのは、そのときが初めてだったかも知れません。勿論、僕だけでなく、後部座席の仲間たちも思いは僕と同じだったはず。あぁ、神様。これはあなたの思し召しなのでしょうか?僕達がこの試練に耐えることを、あなたはお望みなのでしょうか?

僕 :「あのー、道間違えてません、ひょっとして?」
王女:「うーん、なんかそうっぽい。」
僕 :「前の車はどうなったんすか?」
王女:「それが途中で見失ってん♪」
僕 :「でも池…。あ、もう、はい。分かりました。」
王女:「大丈夫、カーナビ付いてるから絶対着けるから♪」
僕 :「カ、カ、カーナビ?!Σ(゜□゜;) (。□。;) (;゜□゜)!!」
王子:「そうやでー、カーナビ付いてんねん!テレビも見れるねんでー!見る?」
僕 :「いや、いいです(それより僕らを目的地まで連れて行って下さい…)。」

それから数十分後、目的地に着いたとき、心配そうな親たちの顔が視界に飛び込んできました。

「た、助かったんだ…(T_T)」

そのときほど親の顔を見て安心したことはありません。

王女:「ほらー、ちゃんと着いたやろー?」
僕達:「あ、はい。ありがとーござい…(T┰T )!」

 度重なるコーナリングで、僕らの吐き気は最高潮に達していたのでした。それでも人様の車で吐いてはいけないという、強い道徳観念から、誰もが最後の最後まで耐え抜いたのでした。しかし、地上に降り立ち、親の顔を見て安心した瞬間、ぼくらは、それまでずっと胸につかえていた思いとともに、朝食べたパンと果物と、牛乳の咀嚼物を、大地に還しました。

 こうして、僕らのリーグ戦は始まりました。初戦は顔面蒼白の3人(プリンセスカー同乗者)が、意識を取り戻す前に終わってしまい、結果は惨敗でした。しかし2戦目以降は調子を取り戻していきましたが、3戦目に再び事件が起こります。それにつきましては、また次のエピソードに譲ります。そこで、

教訓!
「カーナビは、きちんと使い方を覚えましょう♪」


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