漂流録-ScrambleHalloween

漂流録-ScrambleHalloween

2020.01.23
XML
カテゴリ: 時事


森林を無断で伐採、バレたら「間違えました」 “盗伐”業者の汚い手口 - 記事詳細|Infoseekニュース
「山がなくなった……」千葉市に住む海老原裕美さん(62歳)が、80代の母親を連れて3年ぶりに宮崎市へ帰省したのは2016年夏のこと。墓参の帰りに所有している森林を見に行った時、母親がこう絶句したという。郊外の国道に面して森林が続く中、2人の目の前には、乱暴に伐採されたハゲ山が広がっていた。「私が生ま…



森林を無断で伐採、バレたら「間違えました」 “盗伐”業者の汚い手口
文春オンライン / 2020年1月23日 11時0分

写真
伐採業者が初めて逮捕された被害現場(筆者撮影)

「山がなくなった……」

 千葉市に住む海老原裕美さん(62歳)が、80代の母親を連れて3年ぶりに宮崎市へ帰省したのは2016年夏のこと。墓参の帰りに所有している森林を見に行った時、母親がこう絶句したという。

 郊外の国道に面して森林が続く中、2人の目の前には、乱暴に伐採されたハゲ山が広がっていた。

「私が生まれた祝いに父親が植えて、大きく育っていた200本の杉がすべて伐(き)られていました」(海老原さん)

 海老原さんが地元の友人に相談するなどして調べると、他に12家族が同様の被害に遭っていたことが分かった。しかも、警察署へ行っても被害届を受け取ってもらえず、泣き寝入りしていた家族ばかり。海老原さん自身も、当初は警察が被害届を受理してくれなかった。そこで被害者の会を設立し、闘いをはじめる。

情報公開で明らかになった汚い手口
 突破口を開いたのは情報公開だった。

 森林を伐採する際は、森林所有者の承諾を得て伐採業者が自治体に「伐採届」を出し、自治体は所有者に「伐採通知」を郵送する。海老原さんが宮崎市役所に請求して伐採届を入手すると、所有者の欄には、10年以上前に亡くなった父親の名前が記入されていた。伐採届が偽造されていたのだ。しかも、父親に伐採通知を郵送しても届くはずはなく、郵送と返送を3回繰り返した末に宮崎市役所が放置していたことも分かった。

 一方で、他の被害者が情報公開請求すると、伐採届が「不存在」という回答も多く返ってきた。

「所有者の承諾を得て伐採届を出した業者が、隣接する他の所有者達の森林を無断伐採していたことが分かりました。所有の境界は境界杭などで示され、プロの伐採業者が見誤るはずはありませんし、伐採届を出した面積の10倍も20倍もの森林を無断伐採している。それでも、無断伐採が見つかると、伐採業者は『境界を見誤ったための誤伐だった』と主張し、許されて来たのです」(海老原さん)

背景は木材価格の低迷か
 戦後、木材需要の伸長を背景として、政府は杉の植林を奨励し、全国で膨大な数が植えられた。現在、これらの杉は50年、60年を経過して大きく育ち、伐採期を迎えている。

「近年、外国産に押されて国産の木材価格が低迷し、杉1本が1万円程度。伐採業者が所有者に対価を払って伐採していては採算が取れなくなりました。そこで、高齢化した社会的弱者の森林や、相続した子供が県外在住で見に行けなくなった森林などを狙い撃ちして、無断伐採して木材市場で売る“盗伐”が横行しはじめたと見られます」(地元記者)

 被害者の会は情報公開を通じて被害を確定し、警察に何度も通って被害届を次々に出しはじめたが、中には信じがたい話が出てきた。

警察は知的障害のある息子を呼び出し……
 16年7月に被害に遭った80代の女性Aさんは、警察に被害届を出して受理されたが、昨年4月、宮崎地検は伐採業者など5名の被疑者を不起訴にした。

「地元の高岡警察の警部補らは、被害者であるAさんを呼ばず、60代の長男を呼び出して話を聞いていました。宮崎地検の副検事によれば、その調書には、長男が植林を希望し、示談を求めたかのように書かれていたため、不起訴になったようです。

 しかし長男は知的障害があり、重度心身障がい者医療費受給資格者証を持っています。知的能力は小学生程度で、植林という言葉を知らず、漢字も読めない。今、調書の閲覧を求めているところです」(海老原さん)

昨年7月、「盗伐」で初めて逮捕者が
 被害者の会の活動が実を結びはじめ、昨年7月、森林法違反(森林窃盗)で伐採業者が初めて逮捕された。この伐採業者は県のお墨付きを得た“優良事業者”で、補助金を得て高性能重機を購入していた。その重機で盗伐していたのだ。

 伐採業者は法廷で、過去20年間で10件程度の無断伐採があったことを認めたが、「誤伐だった」と主張した。昨年12月、検察は懲役1年6カ月を求刑し、現在判決待ちである。しかし起訴内容は、2カ所で杉20本(時価21万5000円)を盗んだ容疑でしかなく、有罪判決が下っても執行猶予が付くのは確実だ。

 当初12家族だった被害者の会は3年間で100家族まで増え、今も新たな被害が次々と判明している。被害は一家族あたり数百本、多い時には1000本を超え、被害者の会だけで約4万本が盗伐された。それでも氷山の一角という。

 宮崎県では、盗伐されて地盤が弱くなった森林が簡単に土砂崩れを起こし、森林の下に広がる田畑や溜め池、国道、そして周辺の民家へ土砂が流入する2次被害が多発している。

 あまり知られていないが、宮崎県は28年連続で杉丸太の生産量日本一を誇る。その“森林王国”で横行してきた盗伐は放置できる問題ではない。

(坂田 拓也)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020.01.23 16:42:21
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: