♪ 住人は何処へ行きぬ捨てられし家に鴉も寄りつかざりし
野良猫の棲みかになることはあって、生命の臭いというものが全くないその一帯は雑草さえも勢いがなく、倦怠に崩れた虚無の空気を漂わせている。
主に捨てられた家。遠藤周作の「沈黙」を読んでんでいたら、踏み絵によるキリシタン禁制の中へ身を投じていったポルトガルの司祭ロドリゴの心情が重なってきた。
先の宣教師たちが殺され、隠れキリシタンが間近で役人に殺されるのを見るにつけ、どんな時でも基督はなぜ何も言わず「沈黙しているだけ」なのかと問う。
信者たちがどんなに苦しもうと、死に目に会おうと何の手助けもしてくれない基督。キリシタン達が異教の国に築きあげた教会の数々。弾圧されて今は形だけになってしまったそれらの構造物。基督が救ってくれると信じていたのに、結果的には何もしてくれなかった。
そうして残されたモノたちの無念。ポルトガルから東の果てまで命をかけて死に物狂いでやって来た挙句に殺されていった宣教師たち。
♪ 天国(パライソ)を夢見て生きてなすがまま定めのうちに消えゆく吾ら
空家は、今日も何も語らずにただそこに在るだけだ。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆ 短歌集 「ミソヒトモジ症候群」 円居短歌会第四歌集2012年12月発行
● 「手軽で簡単絞り染め」
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