♪ おもほえず平易な歌の多かりき名だたる歌人の詠みし種々(くさぐさ)
自選の歌を、小暮正次・齋藤史から永田紅まで140人の各30首、4,200首を収録した本「現代の歌人140」を図書館で借りて来た。
読んでみると矢張り同世代の歌人の歌が一番心に入って来る。価値観と生きて来た環境の諸々の共通性が、詠われる歌にも言葉にも顕れるのは当然かも知れない。それ以前の歌人の歌は読み応えがあり、重量というものが歌に染み入っている感じがする。
昭和30年以降の歌人の歌はとても知的で洗練されている。インテリの文学青年・少女が貪欲に吸収した栄養満点の歌のような気がする。重くも無くさりとて軽いだけでもなく、軽快に強かに詠みあげている。
勿論、素晴らしい歌ばかりだが自選の歌はおしなべて分かりやすい歌が多く、意外な感じを受けたのも確か。あまり多くの歌人の歌を読んだことがない私としては、目から鱗の剥がれ落ちる心持でつらつらと拾い読み。自分の歌もまんざらでもないんじゃないかと、少しだけ勇気を貰った気持ちでいる。
140人すべてに著者の短い観賞が書かれてをり、短歌年表も付いている。聞いた事もない歌人の名前も多数あり、知らない事の多さを痛感するばかり。もうすこしじっくり読みこんでから詳しく書いてみたい。
この本の執筆者・小高賢氏は今年の2月に亡くなったそうだ。昭和19年生まれの69歳という若さだった。慶大経済学部卒業後、講談社入社。編集者として出会った歌人の馬場あき子さんらと78年、歌誌「かりん」の創刊に参加。若山牧水賞を受けた歌集「本所両国」や「老いの歌―新しく生きる時間へ」など多数の著作がある。
本名鷲尾賢也で、「講談社現代新書」の編集長や、学芸局長、取締役を歴任。「選書メチエ」を創刊するなど、多くの企画を立ち上げた。退社後は評論活動を続け、朝日新聞の WEBRONZA の筆者を務めていた。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆ 短歌集 「ミソヒトモジ症候群」 円居短歌会第四歌集2012年12月発行
● 「手軽で簡単絞り染め」
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