♪ 台風の際か けだるき五日かつ 生きるだけ若き農夫いた
回文は、言葉遊びとしては高度なものだが、やってみると結構面白いのだ。
回文のオーソリティーだったコピーライターの土屋耕一は、多くの回文を残している。
「奥に客 たむけよ煙たく焼き肉を」(オクニキャクタムケヨケムタクヤキニクオ)
「辣腕な田舎の家内 難は面」(ラツワンナイナカノカナイ ナンワツラ)
「結婚し新嫁宵に新香漬け」(ケッコンシニイヨメヨイニシンコツケ)
「お買い得安いと椅子屋くどい顔」(オカイドクヤスイトイスヤクドイカオ)
「品川にいま棲む住い庭がなし」(シナガワニイマスムスマイニワガナシ)
「ママが私にした我儘」(ママガワタシニシタワガママ)
「軽い機敏な仔猫何匹いるか」(カルイキビンナコネコナンビキイルカ)
「力士手で塩なめなおして出て仕切り」(リキシテデシオナメナオシテテデシキリ)
「木苺保護地域」(キイチゴホゴチイキ)
「読む声ひくく冷えこむ夜」(ヨムコエヒククヒエコムヨ)
「大家を自負し、富士を書いた」(タイカヲジフシフジヲカイタ)
「済んだら フラフラ フラダンス」(スンダラフラフラフラダンス)
「昼寝をし苦悩遠のく 詩を練る日」(ヒルネヲシクノオトオノク シヲネルヒ)
「女体醒めうるみて見る 梅咲いた夜に」(ニヨタイサメウルミテミル ウメサイタヨニ)
「二海里や 夜も灯るよ 槍イカに」(ニカイリヤヨルモトモルヨヤリイカニ)
「新活字 改正 成果 実感し」(シンカツジカイセイセイカジツカンシ)
「忙しい 大先生だ 医師が添い」(イソガシイダイセンセイダイシガソイ)
「暖冬も 春へ カエルは もう跳んだ」(ダントウモハルヘカエルハモウトンダ)
「快感泣く泣く 飽くなく何回か」(カイカンナクナク アクナクナンカイカ)
数千題も作っているそうなので、拾っていってもキリがない。
可笑しいのは、彼の戒名。「至光院耕董柚居士」で「シコウインコウトウコンイウコシ」。「大地を耕し、蓮の花や柚子の木を育み、努力してこられた、この上ない尊い光に包まれた人」という意味だそうだが、回文の達人に因んで住職が考えたものらしい。
『土屋耕一のことばの遊び場。』和田誠編『回文の愉しみ』と2冊で1セットになっている。まだ読んでないが、是非読んでみたい本だ。
和田誠/糸井重里編(東京糸井重里事務所)
回文和歌もある。最も有名なものがこちら。
「長き夜のとをのねぶりのみなめざめ 波乗り船の音のよきかな」
これに因んで、私も作ってみたのがトップに掲載した短歌。
「 たいふうのきわかけだるきいつかかついきるだけわかきのうふいた 」
川柳や俳句ではこんなのがある。
眺めしは 野菊の菊の 初めかな
草の名は 知らず珍し 花の咲く
田は月か 野辺は沢辺のかきつばた
村上春樹も結構好きらしく、こんな本を出しているんだね。
「マタタビ浴びたタマ」(初版2000年、文芸春秋)
44個の回文、それにまつわるショートショート。ひらがなの回文が右ページにあり、
その左ページにミミヨさんのイラスト。それをめくると、漢字の含まれた回文があり、左ページにショートショートと言う構成になっている。
こんな本もでているんだね。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆ 短歌集 「ミソヒトモジ症候群」 円居短歌会第四歌集2012年12月発行
● 「手軽で簡単絞り染め」
◆ 満10年となりました。 2016.05.07 コメント(2)
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