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別ヴァージョンの人間史 by はやし浩司
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2005.05.31
●乱暴な子ども(1)
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カテゴリ未分類
【子育て相談より】
M県在住のKさん(母親)から、「うちの子(年長児)が、乱暴で困ります。いつも近所の子どもたちに、ケガをさせます。
ですからこのところ、ますます、ほかの子どもたちから相手にされず、親たちにも嫌われています。突発的に、キレて、相手に殴りかかっていきます。どうしたらよいでしょうか」という質問をもらいました。
今回は、それについて、考えてみます。
++++++++++++++++++++++++++はやし浩司
●子どもの社会適応性
「乱暴」が、ある一定のワクの中に収まっていればよし。しかしそのワクを超えて、社会的に、他者との共存に、弊害が出るようようであれば、「問題がある」とみる。
ふつう子どもの人格を評価するときは、
(1) 他者との共存性(円満な人間関係が築けるか)
(2) 常識的な価値基準(常識的な価値基準をもっているか)
(3) 平均性(平均的な行動、ものの考え方をしているか)
(4) 非異常性(異常な行動や、様子がみられないか)
の4つを見て判断する。
乱暴な子どもでも、そこに統一性や、行動の予測性が見られれば、問題はない。乱暴するにも、それなりの理由がある。相手に応じて、手加減する。乱暴したあと、その処理をうまくする、など。
この時期、乱暴を乱暴として理解できず、遊びの一つとして、する子どもも少なくない。たとえばある幼稚園では、ある時期、足蹴り(キック)が大流行したことがある。テレビのヒーローのマネから始まったものだが、こうした流行性の問題もある。
足蹴り(キック)をするから、乱暴な子というように、決めてかかることもできない。あくまでもその周囲の子どもとの人間関係をみて、判断する。
が、そのワクを超えて、良好な人間関係そのものを結べなくなるケースもある。乱暴な行為が日常化し、暴力によって、自己主張するなど。
ここで重要なことは、一つの目安としては、(1)乱暴をしても、抑えがきくか、どうか、ということ。
乱暴な行為をしても、それを注意したり、叱ったりすることで、抑えることができれば、問題はない。しかしかなりきつく叱っても、効果がその場だけしかないというのであれば、ADHD児など、脳の機能そのものの障害が疑われる。
抑えがきくばあいでも、程度の差の問題もある。やさしく「だめだよ」と言って、抑えれれるケースもあれば、そうでないケースもある。そこで今度は、免疫性の問題とからんでくる。
家庭で、親の乱暴なしつけが日常化していると、簡単には抑えられなくなる。(きつく叱る)→(ますます乱暴になる)の悪循環の中で、乱暴は、ますますはげしくなり、抑えがきかなくなる。
が、どうであるにせよ、ほかの子どもたちと、良好な人間関係が結べなくなるというのは、その子どもにとっても、悲劇的なことである。これもまた一つの目安になるが、こんなことも調べてみるとよい。
幼稚園児であれば、(1)どれくらい頻繁(ひんぱん)に、友だちの誕生会に誘われるか、ということ。
誕生会といっても、実際に、招待する子どもを決めるのは、親である。その親は、自分の子どもから日ごろの様子を聞いて、招待する子どもを選ぶ。こういうとき、乱暴な子どもは、まず、除外される。
「うちの子は、いつも、友だちの誕生会に誘われる」というのではあれば、問題はない。しかし「めったに誘われることはない」というようであれば、子どもの問題というよりは、子どもを包む家庭環境に問題がないかを疑ってみる。
意味もない乱暴を繰りかえす子どもは、子ども自身の心が、何らかの理由で、いつも緊張状態にあるとみる。家庭崩壊、親の冷淡、無視、育児拒否、虐待など。
「家庭(ホーム)の第一の目的は、子どもの心と体に、やすらぎを与えること」という視点にたちかえって、もう一度、家庭のあり方を、反省してみるとよい。
(はやし浩司 乱暴な子 乱暴な子ども 暴力 暴力を振るう子供 暴力的な子供 子ども)
++++++++++++++++++++++++++はやし浩司
以前、書いた原稿を添付します。
少し内容がそれるかもしれませんが、
参考になると思います。
かなる古い原稿なので、語句の使い方に
不適切な点があるかもしれません。
お許しください。
++++++++++++++++++++++++++はやし浩司
心を開かない子ども
●EAさんの相談から
うちの子(小二)は、ほとんどよその子と、遊びません。他人と関わるのが、苦手なようです。家の中では、ふつうだと思っていたのですが、このところ、ときどき荒れて、暴言を吐いたり、私に向かって、突発的に、暴力を振るったりするようになりました。どうしたらよいでしょうか? (佐賀県・EA、母親)
●子どもらしい、すなおさ
家族も含めて、他人との関わりがうまくできない子どもが、ふえています。要するに、心を開くことができないわけです。子どものばあい、心を開くことができるかどうかは、やさしくしてあげると、わかります。心を開くことができる子どもは、やさしくしてあげたり、親切にしてあげたり、ほめてあげたりすると、こちらの好意が、スーッと子どもの心の中に、しみこんでいくのがわかります。
先日も、一台の車が自転車に乗っている私の横を通り過ぎました。見ると、うしろの座席に、五歳くらいの男の子が乗っていました。そこで私が、少しおどけた顔をして見せると、その子どもは、ニンマリとうれしそうな顔をしました。他人に対して、心を開くことができる子どもは、そういう様子を、自然な形でしてみせます。「自然」というのは、「子どもらしい」という意味です。
が、心を開くことができない子どもは、その瞬間、いじけたり、つっぱったり、ひがんだり、ひねくれたりします。こちらの思いや、好意が、そのまま拒絶されてしまうわけです。さらにこの症状がひどくなると、そうした反応そのものまで、しなくなります。心の閉じた子どもと、みます。
●子どもの心は、抱いてみればわかる
ふつう子どもというのは、心が開いているか、あるいは開くことができるかは、抱いてみるとわかります。心を開いている子どもや、開くことができる子どもは、抱いてあげると、スーッとこちら側に、身を寄せてきます。そして力を抜いて、体を任せてきます。が、そうでない子どもは、体をこわばらせ、かたくします。無理に抱いたりすると、まるで、丸太を抱いているかのようなります。
この話を、ある懇談会ですると、一人の父親がこう言いました。「子どもも、女房も同じですな」と。
つまりたがいに心を開きあっているときは、女房も、抱き心地がよいが、そうでないときは、そうでない、と。不謹慎な話ですが、まちがってはいないようです。
が、問題は、ここで終わるわけではありません。心を開けない、あるいは開くことができない子どもは、それだけ孤立します。いつも追いつめられた孤独感を覚えるようになります。しかし、この孤独感は、それ自体が、苦痛をともなうもので、人は、そして子どもは、無意識のうちにも、それを避けようとします。
●自己防衛
ここでまず、二つのタイプに分かれます。孤独感を、攻撃的に処理しようとするプラス型。孤独感を受け入れてしまう、マイナス型です。これを心理学の世界では、防衛機制といいます。いわば心を守るための自己防衛機能のことです。
プラス型の子どもは、自分の周辺に、強引に「孤独でない環境」をつくろうとします。わがままを言ったり、ときには暴力的に、相手を屈服させたりするなど。極端な例としては、家庭内暴力があります。このタイプの子どもは、よく親に対して、「こんなオレにしたのは、お前だろうがア!」と叫びますが、それは、子どもの中で、子ども自身が、心を開くことができない自分と、はげしく葛藤(かっとう)するためと考えます。
マイナス型の子どもは、他人との関係が結べない分だけ、他人に対して恐怖感、不信感、拒絶感を覚えます。そこで他人に対して、依存性をもったり、服従的になったりします。少ないですが、相手に同情を求め、相手に「かわいそうな子ども」と思わせることで、自分にとっては、居心地のよい世界をつくろうとする子どももいます。さらに症状がひどくなると、他人との関わりそのものを回避するようになります。極端な例としては、引きこもりがあります。
●EAさんのお子さんは……
そこでまず、EAさんの子どものばあい、これらのどのタイプの子どもかを、判断しなければなりません。たとえば「心を開くことができない子ども」というとき、最初に思い浮かぶのが、自閉症児や、自閉傾向のある子ども、さらには、かん黙児などがいます。しかしこのタイプの子どもは、いわば症状として、様子がはっきりとわかる子どもをいいます。こうした症状が、その前の段階で、よくわからない子どもも、少なくありません。
私は「濃い」「薄い」という言葉を使います。同じ心の問題をかかえていても、その症状が、濃い子どももいれば、薄い子どももいるということです。先にあげた、家庭内暴力を繰りかえす子どもにしても、引きこもりを繰りかえす子どもにしても、「濃い」子どももいれば、そうでなく、症状が軽く、判断がしにくい「薄い」子どももいます。精神医学の世界では、「重い」とか、「軽い」とかいう言葉を使いますが、私は、これらの言葉が、好きではありません。好きではないというより、症状を適切に説明していません。それで「濃い」「薄い」という言葉を使っています。
で、その上で、EAさんのお子さを考えると、いわゆる「内弁慶、外幽霊」ということになります。一般的に、他人との関わりがうまくできない子どもは(おとなも)、他人と関わるだけで、精神的に疲れてしまいます。自分をつくったり、操作したりするようになるからです。
●自分をさらけ出すことができない
もっとわかりやすく言うと、自分をそのままストレートに出すことに、恐怖感を覚えるからです。もともと他人を信頼していませんから、他人も、自分の対してそういう目で見ていると考えてしまうわけです。「こんなことをすれば、他人に笑われる」「こんなことをすれば、他人から、へんな人間に思われる」と。他人とうまく関われない子どもと言うのは、つまりは他人に対して心を開けない子どもということになり、さらには、自分をさらけ出すことができない子どもということになります。
そこでこのタイプの子どもは、外の世界では、自分をつくります。よい子ぶったり、ときには優等生ぶったりします。いつも他人の目の中で、「自分がどう思われているか」「どう映っているか」を考えています。心がいつも緊張状態にあると考えてあげてください。その緊張感が、とれない。だから、疲れるわけです。
問題は、まだつづきます。
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Last updated 2005.05.31 13:52:39
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