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カテゴリ: 読書、本
 かなりおもしろい本を図書館で見つけた。11代将軍徳川家斉の時代、お庭番
(将軍直轄のスパイ組織。吉宗以降設置され、各藩の情報を集めたとされる)の
頂点に上り詰めた男、川村修富(ながとみ)の膨大な記録をひもといたもの
である。彼は、18歳から46年をかけ、出世街道を駆け上がり、家斉の正室
のご用人として抜擢される。正式には、御簾中様御用人、というのだが、
これは、「頂戴ものがめちゃくちゃ多い」役職である。

 正室をはじめ、お子様方の世話をする役目であるが、代理で寺社にお参り
したり、お祝い事(家斉は40人もの。側室を抱え、子供は65人というが、
これらは生き延びた子供たちというわけで、生まれたのはもっと多い)のたびに
お使いとして、方々へ出かけたが、そのたびに頂戴ものがある。現金だったり、
絹物だったり、食べ物だったり、色々。

 相前後して、広い屋敷を手に入れた修富はさらに50両の借金をして、これら
の頂戴ものを収めるべく「土蔵」を建てた、というのだから、そのすごさが
伺える。で、この筆者も語るのだが、優秀な官吏というものは、ものすごい
「記録魔」で、これらを日付とともにぜーんぶ書き残した。後の5代目が
これらの資料を生地である新潟県に寄贈されたことから、この本が書かれた
とか。

 いわゆる「お庭番」であるから、頂戴ものもいただくが、「花」であるとか
「蛍」といった四季折々のものをお子様方に献上したりする。そういった
やり取りの中で、正室は天皇家から嫁いでいるので、その周りの反徳川の
動きをいち早く察知する、というのが、一番の仕事だったらしい。

 まあ、それにしても、派手なこと、派手なこと。この家斉の贅沢三昧の
おかげで、徳川幕府は破綻への道をたどることになるのだが、それがよく
わかる。「お庭番」のほか「お鳥見」(将軍家の鷹と鷹場の管理を通して
各藩の反徳川の動きを調べる)といった仕事との関連もわかったりする。

 ちなみに、当時の1両とは8万円~10万円くらいの価値だったらしい。
そんなこともわかるので、歴史小説の好きな方は一度読んでみることを
オススメします。





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最終更新日  2006.02.11 11:36:49
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