お茶の歳時記

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Jan 5, 2006
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カテゴリ: 子育ての事
被害者の親と呼ばれないために加害者の親と呼ばせないために
被害者の親と呼ばれないために加害者の親と呼ばせないために


昨日書いた あなたの子どもを加害者にしないために が届く前に、こっちを本屋で見つけて衝動買い。
で、さっき全部読み終わったところです。

この著書は、 学びの間.com 編集長高篠栄子氏と、 日本危機管理学総研 の浅利眞氏による共著です。

基本的には学校及び通学路の危険からどう子どもを守ればよいか?という部分に特化しているため、大変読みやすくまとまりある内容となっています。
この本を執筆する際、「幼児期の誤飲事故とかお風呂場での危険とかも入れて欲しい」とか「学校と通学路の行き帰りだけで本になるの?」などの意見もあったようですが、逆に狭い範囲に特化した効果がきちんと出ています。
今までにないジャンルの「危険」なのですから、これで良かったんですよ。

特に「危機管理とは『判断』と『決断』です」と言い切っている部分がいいですね。
この文章がある第4章では「私たち(親)にできる最善の対策」として、どうすれば子どもの危機管理を高めることができるのか、それに対して親はどう動けばいいのか?といった事がまとめられているのですが、ここで 親が行動や結果を教えすぎてはならない と言及しています。
どんな行動が危険なのか、子どもに一方的に教えるのではなく、それを子どもたちに考えさせる作業を繰り返すことで、子どもは子どもなりの正解を導き出す事ができるわけです。

以前、とある掲示板に「雨の中、傘を忘れたらしき小学生の女の子に貸してあげると自分の傘を差し出したら断られた」と嘆く意見がでました。
この時のレスには「このご時勢ですから学校で知らない人にモノを貸してあげるといわれても断れと指導されているんです。子どもが可愛かったらもう親切であっても声をかけてはいけないですよ。」と諭す意見が多く出ました。
でも、私は「いくら小学生だからって、柔軟性が無い態度じゃないか?」と疑問に思いました。

それを裏付けるように、本書の中では「子どもに考えさせる作業を繰り返したら、状況次第で判断するように変化してきた」とあります。

過去の日記にも書きましたが、教えが過ぎると相手の考えを縛ってしまい、結果として判断力が低下する事があります。
危機管理に関しては、常に状況に合わせて判断する能力を育てるように導く努力が私たち親には必要なのでしょうね。

他にも「危険マップの作り方」や「学校との連携の仕方」、「教育委員会との連携の仕方」、「警察との連携の仕方」など等、具体的に語られている為、大変説得力を感じますし、参考になります。
巻末付録の「パトロールの実施例」や「不審者情報記録用紙」など、すぐに使えるテンプレートも魅力的です。

一つのテーマに特化すれば、これ一冊でかなり完成度の高い参考書が出来上がるわけです。

・・・とここまで持ち上げておいてちょっと不満も。
ええと、子どもを守る為のマニュアルとしてはとても使えます。
ただ、第5章でオマケとして書かれている「わが子を加害者にしないために」は全くのダメダメ。

オマケだから仕方が無いかと思いますが、この第5章とタイトルの「加害者の親と呼ばせないために」は取るべきでしたね。
最初の頃に出てくる「インターネットの普及やリセットすればやり直せるゲーム等に毒され、歯止めが利かなくなって云々」な記述もそうですが、こう、自分にとって理解の出来ないものがダメ的表記はいかがなものかと。

最初の頃に出てくる

「インターネットで幼児性愛モノを公開して、それを見た仲間が出来たおかげで、以前は理性で抑えられていたものが今は歯止めが利かなくなった」

的記述等、ちゃんちゃらおかしい。
このあたりと前後して

「こういうヘンな趣味のものは一般公開されたり情報交換されたりすることが無く、やっていても 一部の人たちのものだった

といった趣旨の文章があるのですが、この 一部の人たち って同人誌書いている人たちだと思うんですよ。
でも、それがネットに広がったから原因の一部になっているって言うのは、かなり短絡的じゃないかと。

だったらブログで毒舌と称して暴言吐く人もこの 歯止めが利かなくなる列に加えていいんじゃないの?
そういう人、いっぱいいるよ。子どもにも大人の女性にも男性にも。勿論子育てしている人の中にも。

大体、同人誌やネット上での情報交換って、 そこだけで済ませられるからこそ、逆に他(現実の幼児)に飛び火しないで済む という利点もちゃんとあります。
寧ろ創作だけで済ませている、ある意味「善意の人」をどうしてそう貶めるようなこと書くのか。
理由は多分だけど、そういう人たちの存在は知っていても、詳しくないからでしょう。あ、これはあくまで私の想像ですから。

同人誌即売会と呼ばれるものが、博士と犯罪者の紙一重にいる人たちを救っている側面がある、と言ったのは誰だったか忘れちゃったけど、人間の暗いリビドーの部分を全否定しかねない感覚って、子どもと関わる立場にある人としてはちょっと問題だと思う。
一方向からだけ物見ちゃいかんよ。
少なくとも、 この手の著書に書いて良いこととは思えません。

本当に良くないのはなんなのか、本質をよく見極めてからこの辺の事は書くべきだったんじゃないかと思います。
まぁ、冒頭で「あれはオマケ」的な発言があったから仕方ないかとは思うんですけどね。

ここで不満を覚えた人は、 あなたの子どもを加害者にしないために お母さんはしつけをしないで を読むといいのかも。


いろいろ文句も書いちゃったけど、 小学生のわが子を守る為の入門書としては十分及第点じゃないのでしょうか。
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Last updated  Jan 5, 2006 11:46:49 PM
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