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2002.01.05
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カテゴリ: 江戸時代を知る


 江戸時代は暗黒の時代ではなかった。
 身分の格差はそれほどではなく、庶民はこんなに豊かだった。百姓はこんなに自分たちの権利を主張することができた。
 というのが根底にある。
 最近多い、江戸時代を見直し、評価し直そうとする立場から書かれた本である。
 引かれている例はいずれも説得力があり、「なんだ、そうだったのか」と思わせるのだが、そう思いながらも、ちょっと待てよ、という気になる。
 そんなにみんな豊かだったのなら、明治に入ってからや戦後の農地改革など必要なかったはずだが、なぜ行われたのだろう。
 そんなに身分の上下関係が緩やかだったのなら、なぜ今でも被差別部落が残っているのだろう。
 と、次々に疑問がわいてくる。
 今までの歴史論が、最初に結論を用意し、その結論に都合のいいところだけ取り上げたものだったものだったとは思う。しかし、だからといって、それらがすべて誤っていたということはないだろう。
 いい面も悪い面もあったはずなのだ。
 たとえば、p182に「一気は暴動ではなく合目的的な手段であった」という見出しがあり、一揆の実例が挙げられている。読めば、百姓側に理があることはわかる。しかし、その一揆では、訴状の作成者ということでとらえられた人物が斬罪となっている。
 自分たちの権利を主張した結果、要求は通ったとしても人一人の命を犠牲にしなくてはならなかったのだから、やはり、いい時代ではない。
 もちろん、著者は、江戸時代が理想社会だったなどとは言っていないし、今まで言われていたほどひどくはなかったと言っているだけではあるのだが。
 著者は主に佐渡島の例を挙げている。いずれも事実であり、この本に書いてあるとおりだったのだろう。
 しかし、だからといってそれを江戸時代全体、徳川幕府の権威が及んだ地域全体に当てはめるのは無理がある。
 もちろん、佐渡島の歴史、実態を調査し述べたものとしては優れている。





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Last updated  2005.04.01 21:03:25
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