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2003.11.07
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カテゴリ: その他の読書録




 「流人島にて」「異形の者」「海肌の匂い」「ひかりごけ」
 物語の展開で読ませる小説ではない。
 短期間の、凝縮された、濃厚な時間を描く小説集だ。
 特に「ひかりごけ」は、何があったのか最初にすべて語った上で、戯曲の形でそれを描いてみせる。「何が書いてあるか」ではなく「どのように書いてあるか」が重要だという見本だ。
 「流人島にて」は笹沢佐保の「木枯し紋次郎」シリーズの第1作「赦免花は散った」を思い起こさせるが、関連があるのかどうかはわからない。おそらくないのでは。
 四作に共通するのは、いずれも「閉ざされた空間」を舞台にしている、ということ。
 「流人島にて」は孤島、「異形の者」は、ある宗団の修行者集団、「海肌の匂い」は、地理的には他の村と隔絶しているわけではないが、「共産村」と呼ばれる独特の村、「ひかりごけ」は、遭難した船乗りたちがたどり着いた小屋。
 「ひかりごけ」の場合は、小屋が舞台といってもいいのだが、最初に「私」がひかりごけを見る洞窟の中ですべての物語が行われると考えてもいい。





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Last updated  2005.04.01 21:25:38
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