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2006.02.07
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カテゴリ: 江戸時代を知る
講談社現代新書。1980.8.20 第1刷

 『「八つぁん」と「熊さん」の一日』『生活のリズムと庶民の四季』『江戸っ子の遊び』『武士と町人・出稼人』『江戸の範囲と特色』『江戸っ子の特色』
 昨今の江戸ブームになるずっと前に書かれたもの。江戸とは何か、江戸っ子とは何かということを研究するということは珍しかったのではないかと思ったが、先行する研究が数多くあり、それを引用したりしている。
 大まかな江戸のイメージを提供して、その中で江戸を楽しむというものではなく、具体的な江戸の生活を描き出そうとしている。
 すでにほかの本で読んだことも多いはずなのだが、いつものことながら、忘れてしまっているので、何事も新鮮。
 京、大坂との比較で人情の違いを説明するところは目新しかった。
 「たんに町奉行といえば江戸の町奉行のことであって、当時は江戸町奉行とはいわなかったのである。」(p167)ということだ。
 その町奉行だが、大変な激務で、享保以降で、在職中の死亡率は21.5%で、「就任してから三年以内に八人、数年内に一〇人が死亡している」のだそうだ。(p170)
 さて、書名にある「江戸っ子」だが、単に江戸で生まれ育ったということではない。
 18世紀後半以降、大量に没落した市民たちのなかから「江戸っ子」意識が成立し、その江戸っ子意識も時代の推移にともなって、階層差による典型の相違があるという。(p218)
 単純に「これが江戸っ子だ」と言えるようなものはないらしい。
 「江戸の下層民が他国者にたいしやたらと江戸っ子であることを振りまわし強調するのは、すなわち劣等感の裏返しであろう。」(p219)とは手厳しい。
 もちろん、著者は江戸っ子が嫌いなわけではない。それだったらこういう本は書かない。ただ、その実像を明らかにしておきたい、ということなのだ。
 江戸っ子のよい面が消えつつあるために、江戸への郷愁がかき立てられるのだ、と考えている。
 著者自身が江戸っ子なら江戸自慢になってしまうところだが、大阪生まれ。

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Last updated  2006.02.07 09:34:04
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