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2007.01.16
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 六十代半ばから、重いうつ病で苦しんだ経験談。
 第一章「悪夢の始まり」と第二章「暗黒の日々」は、うつに至る過程、症状が重いときの様子が書かれている。
 一般に、うつ病患者に対しての励ましはよくないそうだが、著者は、気にならなかったそうだ。個人差があるらしい。
 うつ病で参ってしまう前に、異様なハイテンションが続いたことが前兆としてあった。
 また、アルコール依存症でもあったようだ。
 これについてはよくはわからない。
 睡眠のために酒を飲むことが習慣になり、耐性がつき、深酒をするようになっただけかもしれない。意外なことに、外で陽気に騒いで飲むことはなく、もっぱら自宅で飲んでいる。
 第二章の終わりで、自分の半生を振り返るきっかけが描かれる。
 そこにこうある。
「高嶋忠夫」という実人生と、「高島忠夫」という仕事人生を、どちらもあわただしく、めまぐるしく送ってきた。

 私生活とタレント生活を区別しており、二重生活を送ってきたと考えているのである。
 第三章「かく生きてきた」は、自分の生い立ち。その中に、うつ病の種があったのではないかと振り返る。しかし、どうも、子供の頃からの経験が原因ではないようだ。
 若い頃のことは気楽に読める。
 赤線での初めての女性体験のことまで書いてある。
 こんなことを書いて、奥さんは気を悪くしないのだろうか。
 バンド活動に熱中し、母親に、「ギターなんか持たせたから、忠夫は不良になった」と嘆かれながら、政宏がエレキギターをやりたいと言い出すと、「エレキをやるやつは不良だ!」と一喝したという。
 芸能界でいろんなギタリストを見ているだろうに。いや、だからこそか。
 息子たちへの説教で、「芸が身をたすけるほどの不しあわせ」に自戒を込めて言ったという。
 はたから見ていると意外なのだが、俳優だけで通してこなかったことが、本人には残念であるらしい。司会でも何でもこなして順風なように見えていたのだが、割り切れない思いがあったらしい。
 著者の人生で、読むだけでもつらいのは、最初の息子の死である。
 わずか五ヶ月で命を奪われてしまう。
 こんな悲劇に見舞われながら、よく、後で生まれた二人の息子をおおらかな人間に育てたものだ。
 そのことが原因でうつ病になってもおかしくないのだが、著者は、そうではないと思っている。
 そう思いたいのだ。
 第四章「絶望から希望へ」では、回復への過程が描かれる。
 これを読むと、ある日、回復の時が訪れ、どんどんよくなっていったようだ。
 もちろん、完全に回復したわけではなく、自分はうつ病だということを自覚しながら生活を続けている。
 「すっかり治りました」というのではないとこが真実の重みである。

 書名の「復讐」は著者の明るいキャラクターに似つかわしくない。
 「うつのバカヤロー」ぐらいでよかったのではないだろうか。

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Last updated  2007.01.16 00:42:52
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