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2007.01.27
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カテゴリ: その他の読書録
 三十三歳までの人生を自ら記したもの。
 最初に出版されたのは、1968年。
 「あとがき」によると、当時存命中の人も多かったので、個人が特定できないように手を加えているそうだ。
 最近は、オーラやら霊やらの方面で有名だが、もともとはシャンソン歌手。
 どこでどのように育ち、いかにしてシャンソン歌手・俳優となったか。どんな恋愛をしてきたかが語られている。
 時間軸で書かれてはいるが、詩であったり、回想であったり、記憶の中の一場面一場面を取り出して並べてみせるという手法をとっている。

 美貌と歌唱力は天性のもののようだ。(もちろん、成功は本人の努力の結果なのだが)
 長崎に住んでいて、被爆していたことを初めて知った。
 この、長崎で育った、ということが本人の資質や価値観に大きな影響を与えているらしい。
 例えば、同性愛者の集まる店で働いていたときに感じたことを、

故郷ではほほえみを持って見られていた愛が、場所が変わっただけで、こんなに迫害を受けねばならぬものなのだろか。(p158)

と書いている。
 大学中退の後、歌手として生活できるようになるまで、ほとんど浮浪者のような生活を経験する。
 かつての知人にやっかいになったり、わずかの期間働いたり。
 行く先々で相手に好きになられるのが不思議で、「どうしてこう同性愛者が次々にあらわれるのだろう」と思ったが、そういうわけではなかった。
 後に女性と結婚して、妻を連れて会いに来る人もいる。
 相手は同性愛者なのではなく、美輪明宏には、性別を超えて、相手に自分を好きにならせずにはおかない魔力のようなものがあるらしい。

 記憶力が優れているのか、あるいは想像で書いたのかわからないが、細部にリアリティがある。
 例えば、ある男と同棲していた頃に、
僕は前の乾物屋へ電話をかけに走った。(p274)

と書いている。まだ、個人の家庭には電話がなかった時代だからだ。
空の荷台のまま去ってゆくオート三輪を会場から見送りながら(p392)

 「トラック」ではない、「オート三輪」である。
 時代を感じさせる。
 オート三輪といってもどんなものかわからない人も多いだろう。
 「 ALWAYS 三丁目の夕日 」をごらんになった方は、少女を駅に迎えに来た車を思い出していただきたい。
 あれがオート三輪である。

 「木村長門守《ながとのかみ》と茶坊主の話」(P297)はなんだかわからない。

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Last updated  2007.01.27 10:00:23
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