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2008.01.07
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 「産経新聞」の「【土・日曜日に書く】」というコラムに、大阪校閲部長という肩書きの人が、「 本当はすごい「塩」の意味 」という文章を書いている。
 「塩」という漢字の意味について述べるのかと思ったらそうではない。
 不思議なことが書いてある。
「塩」は「潮」と同源の語で、その「潮」はまた「海」ともつながる。

というのである。
 「塩」と「潮」が同源とはどういうことか。
 違う漢字である以上、同源のはずはなかろう
 「塩」は調味料にもつかわれる化学物質であり、「潮」は海の満ち引きのことである。
 「潮」が海の満ち引きである以上、海に関する字に決まっているのに、ことさら「海」ともつながると述べるのも妙なものだ。
 これにつづけて、
「うしお」は「海潮」の意(字訓)だ。

と書いてあったので、やっと何が言いたいかわかった。
 筆者は、「しお」(歴史的仮名遣いでは「しほ」)と表記される日本語が、「塩」と「潮」の両方を含むものであるとは思っていないらしい。
 海水から「塩」を取っていたため、海水も塩も「しお」なのであり、本来は海水を指すだったと考えるのが自然だ。
 漢字が入ってきてから「塩」と「潮」に合わせて「しお」という語ができたとでも思っているのだろうか。

 「うしお」が「海塩」の字訓だというのも奇妙だ。
 「字訓」とは「山」を「やま」と読み、「川」を「かわ」と読むように、漢字一字に日本語一語をあてた読みだ。
 「海塩」を「うしお」と読むのでは「字訓」ではなく「熟字訓」だ。
 しかし、そもそも、「うしお」を「海塩」と表記することがあるのだろうか。わたしは目にしたことがない。インターネットで検索してみたが、見あたらない。
 おそらく、「うしお」という語は「うみしお(海塩)」の転訛したものだと言いたいのだろう。
 そうだとしても、やはり疑問は残る。
 「うなばら(海原)」という語があるように、「う」が「うみ」を意味しているの可能性がある。そうだとすれば、「うしお」が古い形であって、「うみしお」から「うしお」が生まれたわけではないことになる。

 結局のところ、文章全体としては、「塩」の意味などどうでもいいことらしく、例によって産経新聞独特の牽強付会ぶりで、結局は政治的な発言をするために漢字を利用しているだけなのだった。

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Last updated  2008.01.07 09:17:41
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