大事に 大事に 抱えて 逃げた
どきどきと脈打つ自分の中を
錆びついた味に干上がる喉を
止めどなく 流れていく
わたしを
必至に堪えながら 逃げていた
腕の中のモノは
次第に 重くなっていく 腕の感覚が 無くなって
痺れるような 焦れた気持ちで
赦して欲しいと 乞いながら それでも 逃げて
わたしを
目の前に 否 いつの間にか 四方に 聳え立つ 高い壁を どうして
どうしても 願わずにはいられない 自由を
助けてほしいと 祈りながら
わたしを
腕はもう無くて 喉も焼け焦げて 声も無い
宙に浮かんだ 瞳だけが流す
止めどなく 流していく
わたしを
どうか
誰か
殺して