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星見当番の三角テント
ドラゴンヘッドって何?
日記やフリーページで既に何度か登場している「ドラゴンヘッド」という名前。これについて説明いたしましょう。
「ドラゴンヘッド」と「ドラゴンテイル」これらは星ではなく、黄道上の点を示します。
西洋占星術では「ドラゴンヘッド」のある場所は幸運の星である木星と同じ作用を持ち、
「ドラゴンテイル」のある場所は制限を加える星である土星と同じ作用を持つと言われています。
また、その人が生まれた時のドラゴンテイルの位置は「その人が前世で積み上げてきたもの」を表し、
反対側のドラゴンヘッドの位置は「その人の今生での使命」をあらわすという説もあります。
この説について書かれた本が、ジャン・スピラーさんの『前世ソウルリーディング あなたの魂はどこから来たのか』です。
この本は、プロジェクトWのもととなった『魂の願い 新月のソウルメイキング』の前作にあたります。
自分のドラゴンヘッドがどこにあるのか、ドラゴンヘッドが示す使命とテイルが示す前世とは何か、
といったことについて詳しく知りたい方は本を参考にしてください。徳間書店から出ています。
☆ドラゴンは、日月を喰らう。
地球から見た太陽の通り道「黄道」と月の通り道「白道」。この2つは約5度ほどの傾きで交わっています。
紙の上にでも、ひとつ輪を描いて、それとちょっとずらすようにもうひとつ輪を描いてみてください。
2つの点で、輪がクロスする図ができますね。その部分に注目してください。
この2つの輪を、それぞれ太陽と月の軌道とします。ちなみに、地球から見た図ですので、真ん中に地球があると思ってください。
太陽と月は、同じ方向にぐるぐる回っています。輪の外に→を書き加えてください。これを動きの方向とします。
さて、交点です。この交点は必ず180度反対の位置に一つずつあります。この点を「ノード」と呼びます(結び目という意味です)。
この点に太陽と月が同時に到達すると「食」が起こります。もし、片方に太陽、もう片方に月ならば(つまり満月ならば)月食、
片方の点に太陽・月両方があれば(新月ならば)日食になります。ノード以外の場所で満月や新月が起こっても、
二つの軌道が南北にズレているので日食や月食にはなりません。
↑余談。日食・月食と言えば、昔理科の授業で習った時に不思議に思ってた方はいませんか?
「太陽と月と地球が一直線に並んで、もし太陽・地球・月の順番だったら(満月だったら)月食」
「地球・月・太陽の順で一直線に並んだら(つまり新月なら)日食」って星見当番は習いました。
そのとき「あれ、毎月一回ずつ満月や新月があるのに、どうして日食や月食は毎月は起こらないんだ?」って思いました。
それは、こういうわけだったんですねえ。つまり、ノードは「食が起こる場所」なわけです。
二つあるノードのうち、昇っていくところで交わるもの(昇交点)を「北のノード」、反対側(降交点)を「南のノード」と呼びます。
「昇る・降りる」はさっきの図で書き足した→の向きです。→に向かっていこうとしているのが「北」で、反対側が南です。
この「昇交点=北のノード」をドラゴンヘッド、そして「降交点=サウスノード」をドラゴンテイルと呼びます。
なぜ「結び目」という意味を持つノードに「ドラゴン」の名を冠して呼ぶか。先に、ノードでは食が起こると書きました。
昔の天文学者(占い師でもあった)は、このノードに竜がいて、太陽や月を喰らうと考えたのです。
漢語で「日蝕」「月蝕」という言葉にも、それが見てとれます。「蝕」は「むしばむ」ですね。「日食」とも書きます。
つまり「日や月が食べられる」。特に虫扁の「蝕」は文字通り、虫(竜も虫に分類されます)が食べるのです。
インド占星術でも、このノードには魔物がいて太陽や月を喰らうとします。「ラーフ」「ケートゥ」と呼ばれています。
ラーフは竜の上半身、ケートゥは下半身で、昔一匹だったものが刀でぶったぎられたんだそうです(笑)。
ラテン語ではドラゴンヘッドをCaputo Draconis(カプート・ドラコニス)、テイルをCauda Draconis(カウダ・ドラコニス)と呼びます。
やはりそれぞれ「竜の頭」「竜の尾」を表します。
☆ノードが示す前世と今生の使命
ノード(ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル)は、12サイン上を逆向きにゆっくりと移動しています。そのスピードは一周が約19年。
生まれた瞬間にドラゴンヘッド・テイルがあったサインが前世と今生の使命という一対の意味を司るといいます。
また、サインだけではなく「ドラゴンヘッド・テイルがあったハウス」も重視されます。
ドラゴンヘッド・テイルがあった「サイン」は使命及び前世の傾向そのものを示すのに対し、
「ハウス」はその傾向が発揮される生活上のステージを示します。
「ハウス」とは何かを説明しだすと長いのですが、これはその瞬間・その土地での地平線を基準にした空の区分けです。
(ちなみに「サイン」は黄道上の春分点を基準にした空の区分けです。本格的な占星術ではサインとハウス両方を見ます。)
ごくざっくりと説明すれば、ドラゴンヘッドが地平線の上にあったか下にあったか、東か西かで意味が違ってくると言うことです。
ちなみに、ジャン・スピラーさんの『前世ソウルリーディング』にも「ドラゴンヘッドのハウス」が出てきますが、
実はこれ、本当の「ハウス」ではありません。生まれた時に太陽があった位置、「太陽サイン」がなぜか「ハウス」と呼ばれています。
勿論、今生の使命を理解するのに「太陽サイン」は重要です。できれば「太陽のハウス」も重視したいところです。
2014年3月7日追記。
上記(取り消し線を引いた範囲)は2000年12月発行の初版第一刷『前世ソウルリーディング』についてのものです。
その後、少なくとも第七刷では「太陽のサインを『ドラゴンヘッドのハウス』と呼んでいる問題」は
解消されているそうです。テントをお読みの方で、新しい版の『前世ソウルリーディング』をお持ちの方に
教えていただきました。
太陽も、人生の目標や使命を表す星です。太陽とは「自ら輝くもの」の象徴。
他人の影響を受けて生きる(=月)ではなく、自らの力を(文字通り)「発揮」して燃焼して生きるとき、
初めて太陽サインが示すキャラクターが現れます。どちらかというと、無意識に生きてるときのキャラクターは月サインが表します。
自分の「生まれ星座」である太陽サインらしく生きるのって、実は結構大変な仕事なんです(^^;)。
生まれた時の正確なチャートが手に入れば、ドラゴンヘッド・太陽両方のサインとハウスを見て判断するのが最も適切です。
(出生時のチャート作成は、インターネットでも無料で計算して作図してくれるサイトが沢山ありますのでそちらを利用してください)
☆テイルを出でて、ヘッドに向かう ~その1~
ジャン・スピラーさんの説では、ドラゴンテイルはその人が何度もの過去の人生で蓄積してきた行動パターンを示すとされます。
過去に何度も経験してきたことであるので、今生でもついそれを繰り返しがちだし、本人は得意分野だと思っていることもあります。
ただ、今生での使命をあらわすのは、ドラゴンテイルではなくて、180度反対側のドラゴンヘッドです。
こちらはテイルと比べると「未知の分野」。しかし、その未知の分野に向かうことで成長と幸運がもたらされるのです。
そちらに向かっていくために、今生では「ドラゴンテイル」が示す過去のパターンにある種の「ロック」がかかっています。
つまり、過去に成功した同じ方法をとっても、今生ではそれが巧く働かず、失敗するというように。
つまり、過去の長所は今生の弱点として働くのです。その弱点を克服するためには、ヘッドが示す行動を身に付けることが求められます。
不思議なことに、未知の世界のように思えるにもかかわらず、ドラゴンヘッドのサインが示す行動を取りはじめると、
宇宙が味方しているかのような力づけやさまざまな助けがもたらされると言います。
☆テイルを出でて、ヘッドに向かう ~その2~
ここからは星見当番から見た、ドラゴンヘッド・テイルの意味の補足です。
以前、別の場所でジャン・スピラーさんとドラゴンヘッドの意味とについて説明していた時に、こんな質問が出ました。
「私のドラゴンヘッドが○○座、テイルが反対側の××座にあります。
でも、私にとっては身近で得意分野で、自然に思える行動パターンはテイルの××座の示す分野なんです。
ヘッドが示す分野を目指すといろいろなことがうまくいくと言われるけれど、 どうも苦手意識があってうまく行動できません。
テイルが示す分野は、たとえ自分が得意に思う分野でも諦めたほうがいいのでしょうか?」
実はこれ、私も同じです(笑)。私のドラゴンヘッドは太陽と同じ射手座にあり、テイルは反対側の双子座です。
ジャン・スピラーさんの本を読むと、私の普段の言動はみな、テイルの双子座の行動パターンなのです。
太陽と、他の3つの星が入っている上にドラゴンヘッドまで入っている射手座過剰の私ですが、
ジャン・スピラーさんが描写する、ドラゴンヘッド射手座の崇高な(笑…でも本当に凄く崇高に書かれているんですよ)境地には
とても到達できそうにないと感じてしまうんです。
私は上の質問に、こう答えました。「テイルを諦める必要はない。テイルを捨てることはそもそも無理だ」と。
ドラゴンテイルは、前世の蓄積を表します。今生ではロックがかかっているものの、その人の得意分野であることに変わりありません。
そして、ドラゴンヘッドのサインが示すとおりの人物にどれだけ近づいても、ドラゴンテイルが示すものがゼロになることもありません。
ドラゴンテイルは「悪いもの」ではないのです。それは「出発点」であり「元居た場所」なのです。
そして「ドラゴンへッド」は「目的地」です。人は皆、ドラゴンテイルを出発してドラゴンヘッドに向かいます。
新天地に向かうために背後で閉められた古巣のドアがドラゴンテイルです。戻ることは実はカンタンだし、いつでも戻れます。
「元居た場所」なので、そこでは何もかもが容易にできます。でも「もう充分居た場所」でもあるのです。
どんなに得意に思えても、もう充分にできるのでそれ以上伸ばさなくてもOKなのがテイルの示す素質です。
そして、新しい分野にチャレンジできるように、充分馴染んだドラゴンテイルの支配分野はロックされているわけです。
ある別の占星術家の説では、ドラゴンヘッドは「チャレンジすればしただけの幸運があるポイント」として、
ドラゴンテイルを「進歩はないが、そこにいれば無事な安心できる避難所」としています。
「それまで充分に経験した場所」だからこその「得意分野」なのです。そして「もう充分」だから、そこを出て行けるのです。
いつでも戻れるから、出て行ってみよう。新しいことをしてみよう。そう招くのがドラゴンヘッドのあらわす「使命」です。
「ドアから出たばっかり」の人もいれば「もうすぐ目的地かも」と言う人もいます。
当然、ヘッドとテイル、どちらが示すものにシンパシーを感じるかには個人差があります。
…とすると、私なんかはまだ「ドアから出たばっかり」で古巣に未練があるっぽいですね。
このページの前半に、ある占星術の説ではドラゴンテイルを土星の働きに、ドラゴンヘッドを木星の働きに近いものとすると書きました。
また、別の説では「前世・今生」ではなく、若い頃ほどテイルの影響が強く、長ずるにしたがってヘッドの示す傾向が現れるとも言います。
土星は、「制限を加える星」ざっくり言って「ダメ出しする星」です。つまり「閉じたドア」ですね。
木星は拡大・成長・発展などを司る星です。これに似ているとされるドラゴンヘッドは「招くドア」です。
また、若年期はテイルの影響が強いというのも、テイルが出発点を司るというのと重なります。
歳をとり、新しい経験を積んで行くほどに自由度が増し、ヘッドが示す新しい行動パターンを身に着けられるわけです。
…こんなわけで、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルって、結構重要だ、というお話です。
自分のドラゴンヘッドと同じサインで起こる新月は弱点克服と長所を伸ばす願いをかけるのに最適です。
自分のドラゴンヘッドを調べてみて、是非お願いリスト作りに役立ててください。
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