「きらりの旅日記」

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2022.09.12
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カテゴリ: 美術館・博物館
ラファエロ・サンティの代表作である『アテネの学堂』をもう一度ゆっくり鑑賞してみましょう手書きハート

ラファエロ・サンティ
​Raffaello Santi​

『アテネの学堂』 1509年〜1510年​

フレスコ 幅約770cm

(ローマ時代:連作大壁画)

ヴァティカン宮殿「著名の間」


​1509年の末ごろラファエロは、​

​「署名の間」​ のもう一つの壁面に取り組んだ。

​『聖体の論議』​ の向かい側にある、


真理の理性的探究を造形に表現した

​『アテネの学堂』​ である。


ラファエロはその図解を、

14世紀や15世紀に行なわれていたように

寓意的な人物に託すのではなく、


壮大な建物のなかに、

思想家や哲学者たちの厳粛な姿を

一堂に集めて描くことで実現した。


ラファエロ・サンティ
​Raffaello Santi​

(左=最晩年のキリスト風の自画像)



イタリアのウルビーノ公国に生まれる。

盛期ルネサンスを代表する画家・建築家。

レオナルド・ダ・ヴィンチと、

ミケランジェロとともに

盛期ルネサンス三大巨匠のひとり。

八頭身の長身でイケメン、

誰にも好かれた人柄で、

甘さと簡潔性に満ちていて

控えめで柔軟な面持ちの若い画家は、

多くの仕事と弟子に囲まれ、

重責に誇りと苦労を秘めた、

孤高の芸術家・監督者であった。

『アテネの学堂』


​格天上のある高い円屋根(クーポラ)と

角柱からなる巨大な空間は、

明らかに古代ローマ時代

末期の建築から着想したものである。


あるいはまた、

多くの研究が指摘するように、

ブラマンテによる、

サン・ピエトロ聖堂の設計に示唆を得たものである。

その聖堂は、

構造に古代建築が反映されているように、

古代思想とキリスト教思想の統合の実例であり、

カトリック世界の革新の中心であった。


構図の建築的な壮大さにもかかわらず、

人物群(構図の重要な要素)は、

けっしてその空間を埋め尽くしてはおらず、

息をつまらせることはない。


人物群は、

前景の人物たちも、

主役であるプラトンとアリストテレスの両側に群がる人物たちも、



どちらも構図の広がりと深さを強調している。


立派な白い髭をはやして描かれたプラトン

(この厳格な老人にレオナルドの肖像を見ようとする人がいる)と、

アリストテレスは、

ともに正確な身ぶりによって、

それぞれの性格が表されている。


「腕を水平にのばすアリストテレスは、

 その著『論理学』を介して

 世界の系統化と象徴しており、

 腕を上方に垂直にのばすプラトンは、

 感覚的世界から

 その理想的観念へと高まる

 宇宙的思考の運動を象徴している」

 (シャステル)。


この絵は、

古代思想の賞揚に加えて、

アポロンとミネルヴァの彫刻によって

象徴されている自由学芸の表現にも捧げられている。


すなわち、
「文法」「算術」「音楽」(前景左側のグループ)、


「幾何学」「天文学」(前景右側)、



そして、

「修辞学」「論理学(弁証法)」(上の立っている人物たちである。)


指摘されるように、

ここには古代の哲学者たちが描かれ、

ラファエロはその何人かを

彼の同時代の容貌で描いている。


ここで、
ブラマンテは、ユークリッドとして描かれている。

(右側で、コンパスをもって石板の上に屈んでいる人物)。


プラトンはおそらく指摘されてきたようにレオナルドであろう。



手前左側には、

白い服を着たフランチェスコ・マリア・デッラ・ロヴェーレがいる。


そして、最後に・・・

ミケランジェロは、ヘラクレイトスとして描かれている。

彼は階段の上に座り、

大理石の塊に肘をついて、

陰気に考え込んでいる。


このヘラクレイトスは、

漆喰の接合からわかるように、

最後にフレスコ画に描き加えられたものであり、


システィーナ礼拝堂の天井画を制作していた

ミケランジェロへの敬意の表現として、


すでに完成していた構図に

1511年に描き加えられたものである。


さらに、

自由学芸と同じ位置に描かれている

造形美術への称賛を表すように、



ラファエロ(右端の黒いベレーをかぶっている)と、

その右に友人のイル・ソドマも描かれている。



このフレスコ画は最大級の評価と反響を引き起こした。


完成されるや否や、

ローマじゅうを熱狂させ、

この作品を前にして、

あらゆる人が立ちつくし賛同した。


そして、

その作品の壮大さは、

システィーナ礼拝堂の同様に

壮大な天井画を目の当たりにした人々が

起こしたような拒否反応を引き起こすことはなかった。


(写真撮影:ほしのきらり)
(参考文献:東京書籍・RAFFAELOラファエロ/ブルーノ・サンティ著より)


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最終更新日  2022.09.12 00:10:10
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