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みなさんこんばんは。今年も大谷選手が大活躍でMVPを獲得しましたね。よしながふみさんの漫画大奥がNHKでドラマになりましたね。よしながふみ大奥【原作】よしながふみ「大奥」【脚本】森下佳子【制作統括】藤並英樹【プロデューサー】舩田遼介 松田恭典【演出】大原拓 田島彰洋 川野秀昭出演八代将軍吉宗・水野祐之進編 (1)中島裕翔 冨永愛 白石聖 三浦透子 MEGUMI 片桐はいり 岡本玲 當真あみ三代将軍家光・万里小路有功編 (2)斉藤由貴 福士蒼汰 堀田真由 眞島秀和 岡山 天音5代 徳川綱吉×右衛門佐 編徳重 聡 仲里依紗 山本耕史 竜雷太やはり出てきてますね尺が足りないという意見。それだけ原作には捨てられないエピソードがいっぱいあって捨てキャラが一人もいないのですよ。いつか本当に大河でコンプリート版をやって欲しい。八代将軍吉宗・水野祐之進編 (1)若い男にのみ感染し、致死率80%に及ぶ奇病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」が蔓延し、男の数が激減した江戸時代。男子の多くが、種馬としての人生を送っていた。一方、女は労働を担い、将軍職も女へと引き継がれていた。そんな中、貧乏な旗本の息子・水野祐之進は、幼馴染・信との結婚を諦めようと、大奥入りを決意。そこで、8代将軍・徳川吉宗から最初に声がかかるのだが。コンパクトにまとめましたね。次は没日録の存在を知り過去編へ。今回一方的なやられ役だった間部詮房が6代将軍家宣に対しては全然違っていた事や久通の吉宗を思う強さなど よしながふみ 漫画の持っている多面性がうまくドラマに生かされることを望みます。三代将軍家光・万里小路有功編 (2)謎の奇病「赤面疱瘡」が流行り始めた頃、3代将軍・徳川家光が死亡。家光の乳母である春日局は、将軍の死を隠そうと、実の息子である稲葉正勝にあることを告げる。その6年後、美しき僧・万里小路有功は、継目祝いで訪れた江戸城で、春日局から無理やり還俗を迫られ大奥入りをすることに。有功がそこで出会った将軍・家光は、なんと少女であった。原作を知る者はああ若紫!と思う。お万と言われてあくまで自分の名前に拘る有功に憤ったのは自身名前も家族も奪われただ借り腹のために閉じ込められているから。まだ有功には彼女の事情はわからない。実家にSOSの手紙を出しあっさりばれてるあたりこの件の有功はまだ世間を知らない。家光=上様が死んではならないのは「戦乱の世に逆戻りする」から。春日局の溺愛も勿論あるが父を戦で亡くした彼女の切実さが信念となって皆の不平不満をなぎ倒す。麻生祐未 版局も素晴らしかったが丁寧に頼んでいたかと思えば瞬時にして狂気に変わる 斎藤由貴 版局も目が離せない三代将軍家光・万里小路有功編 (3)有功は、家光から贈られた猫に『若紫』と名付ける。若紫の存在で家光と有功の距離は次第に縮まっていく。一方で、有功の部屋子・玉栄は有功のことを良く思わない者たちから嫌がらせを受け始める。有功もまた玉栄の変わった様子が気がかりになっていく。そんな中、有功と家光を繋ぐ若紫を巻き込んだある事件が起こってしまうのであった。村瀬自分で書きながら涙したりウフフしたりしてたが初めて吉宗という読者を得て嬉しそう。名と母=家族と女性という性を奪われてきた千恵が有功を得て全てを手に入れた矢先に。次回「お前が私を抱くのではない 私がお前を抱くのだ」上様のかっけー台詞が登場。原作の老年村瀬って黒目が多く淡々と日々の記録を命じられるまま綴ってきた感があるがドラマでは自分で恋愛小説を書きながら実は作品に夢中な作家の感すらある石橋蓮司さん演じる老年の村瀬。若き村瀬は見ざる聞かざる言わざるを通して大奥で生き残る!を実践していたのに何があった村瀬ドラマ版で演じていた 堺雅人 が「有功って一つ一つ分析すると全然いい奴じゃないのに総体で見るとなんかものすごいいい奴」と言っていたが次回が結構衝撃の行動に出るのでニュアンスがわかるかも。本当の有功の面白みはこれから。三代将軍家光・万里小路有功編 (4)思いを寄せ合い始めた有功と家光。しかし有功は春日局からとある宣告を受ける。そして春日局は新しい家光の相手候補・捨蔵を大奥に呼び寄せてしまった。一方、有功から報告を受けた家光は、激しく取り乱すも、しばらくして、家光は捨蔵との子・千代姫を出産。母となった家光は、ある決断を行うのであった。上様の母としての顔を見て衆生を救う世界にいたはずの有功に芽生える激しい嫉妬。堺雅人 版はそれでも微笑んでいたが本編はわりと一人の時には感情が出ていたな。有功と春日局の和解に尺が獲られたものの最後の上様の女性姿披露シーンは欠かせない!新型コロナ流行と赤面疱瘡がリンク。五代将軍徳川綱吉×右衛門佐 編(5)嫉妬に苦しむ有功は、家光にある訴えをする。有功の気持ちを知った家光は、有功にとある役目を授ける。そして、時は流れ―5代・徳川綱吉の時代。綱吉は奔放な将軍で、大奥だけに留まらず城の外でも男を漁るほど。そんな中でも綱吉との間に子を持てずにいた御台が大奥に呼び込んだのは、大奥中が噂をするほどの美青年・右衛門佐で。あらら読み飛ばされてしまった「左様せい様」松姫も育ち聡明で色狂い順風満帆だったはずの綱吉の運命がここから暗転。牧野の件は吉保が彼女を蹴落とすために仕組み綱吉はそれに乗った。刀傷が示すシスターフッド。桂昌院右衛門佐を見て「有功様の再来!」ってならなかったな。有功お褥すべりとお玉が上様のお相手になるのに殆どタイムラグなし。「心も体も自分だけのものにしたくなったから離れたい」と言われ自分がどれほど愛されているか知った千恵が本名を呼ばれて一人の女として亡くなってゆくラストシーンの美しさよ。迷わず後を追う稲葉正勝もまた哀し。五代将軍綱吉・右衛門佐編 (6)綱吉は桂昌院の反対を押し切り、右衛門佐を側室候補にしようとする。しかし、右衛門佐はとある理由から、綱吉への忠義を示すことのできる役目を懇願する。一方、側用人・柳沢吉保と桂昌院は、綱吉が気にかける右衛門佐をなんとか失脚させようと、あらゆる手を尽くし。そんな折、綱吉の一人娘・松姫に悲劇が襲い、綱吉の人生の歯車が狂い始めていく。聡明な綱吉が壊れてゆき溺愛する父が若紫の因果に怯えあの有名な悪法誕生。互いに絶望の中で出会う右衛門佐と綱吉。「どうしてこういう状況じゃないと恋愛ものが書けないのか」と よしながふみ さんが嘆いてたな。「わしは左様せい様とは違うぞ のう吉保」聡明さを謳われていたのに娘を亡くした途端その悲しみに浸る間もなく子作りを迫られる。徳川の世を繋ぐために単なる生産機械のように扱われる綱吉の姿は現代女性にこそ響く。そしてだからこそあの右衛門佐の名台詞が沁みるのだ。自分に大奥入りを頼んだ有功の無念の思い(襖切りつけ)と託された願いが記憶として残っている桂昌院は娘に無邪気に願いを語る。言い聞かせられたかもしれないが記憶を共有してない綱吉は娘を亡くしたばかりですぐに「子作りを」と言われこの表情。親故に叱ることも拒絶することもできない。周囲が思うほど色狂い一辺倒ではない綱吉の学問好きの一面。右衛門佐と共に学問好きであったが周囲が求めるのは別の能力。その気にさせる化粧や手管を毎夜違った男に見せつける綱吉の思いは置き去りにされ将軍としての務め=子作りが求められる。寸止めシーンで今回は幕。「将軍の何よりの務めは子を生むことや」これ将軍を女に入れ替えたらずっと少子化対策と称して女性が言われ続けていること。ちび吉宗登場。オノマチ吉保はワープ航法か?という感じで右衛門佐の前に現れたクールな印象で 倉科カナ 版吉保はわりとウェット。原作漫画でも衣は象徴。家光の場合は有功に女物の着物を着せられる=家光の本心を晒される&本来の女性に戻る。そして綱吉の脱ぎ捨てる衣は周囲の望むままに生きてきて抜け殻だった自分。振り捨ててゆくシーンはスローモーションなのか。五代将軍綱吉・右衛門佐編 (7)右衛門佐は、綱吉が松姫を失った悲しみを隠し、これまでにないほどの奔放なふるまいをしていたことを知る。それでもなお桂昌院から世継ぎを生むことを求められ、父の願いを懸命に応えようとする綱吉。江戸市中では赤穂事件や生類憐みの令も手伝って評判が下落し、善政をしけず世継ぎも作れない自分はなぜ生きているのかと慟哭する彼女を、大奥総取締・右衛門佐は優しく抱きしめる。「月のものなどとうに来ておらぬ」寺と大奥しか知らず相手の家光は若くして亡くなったため女性の生理について無知な玉栄はひたすらまぐわい子を生す事だけを愛する娘に望む。太陽にほえろ のゴリさん役だった 竜雷太 がこんな役を演じるとは長生きするものですね。一人だけ粗末な衣装で着飾らない信(後の吉宗)がもろシンデレラ。「美しい女に興味がない男もいる」と言われた後右衛門佐からの告白を受けやっと救われる綱吉。欲徳なしに綱吉を愛した吉保と右衛門佐。一人は愛故に彼女に生きよといい一人もまた愛故に彼女に引導を渡す。最愛の人を得て気持ちを確かめ合った翌日にその人を失う展開を よしながふみ さんは「とんでもない悲恋として描いたが映画では最後にいい愛に出会えてよかったというハピエンになっていた」と語った。死んでもなお綱吉の心に残る本ドラマでもハピエン寄りだったのでは。八代将軍吉宗・水野祐之進編 (8)時は、8代・徳川吉宗の時代へ。吉宗は久通から村瀬の死を知らされる。それと同時に、吉宗が読んでいた『没日録』の続きが紛失。吉宗は村瀬の死と『没日録』の紛失に何か関係があるかもしれないと怪しむ。その一方で、吉宗は苦しむ民の為に「上米の制」や「目安箱」など様々な政策を打ち出し、いよいよ『赤面疱瘡』の解決へ動き出していくのであった。原作で御用取次という新たな役目を設ける、それもお前がやるんだと吉宗に言われて「ほへ?」となっちゃう久通。しかしえてして天然ボケに見える人ほど裏では切れすぎるほど切れる。この辺りもドラマで描かれるのか。そして全てを知って引き受ける吉宗も主の器。徳川幕府中興の祖吉宗はこれまでぐずぐずと続けていたものをすぱっすぱっと理で切り捨てていく。しかし理だけでは世の中は成り立たないと退場の藤波様が情の大切さを説く。それにしても 片岡愛之助さん 所作が見事。加納久道現代で言う所のSNS拡散を江戸市中に仕込み小石川養生園に誘導。吉宗公杉下への迫り方にも無駄がない。相手の反応に構わず目的にまっしぐらなところが情緒がないと言われる所以か。子を生す事のできない有功の系譜を継ぐ杉下が吉宗の欠けたる所を満たしていく宣言をしてオトコマエでカッコいい。家重の悲劇は誰もが認める名君吉宗を母親に持ってしまったこと。時代を越えて名君と謳われる母親と比べられたら誰も叶わない。よしながふみ さんお気に入りキャラの登場が楽しみ。八代将軍吉宗・水野祐之進編 (9)吉宗は、江戸で発生した『赤面疱瘡』に効くかもしれないと、ある物を試してみるが、敗北に終わる。この一件に責任を感じた水野からの訴えで、吉宗は大きな決断を下すことに。それと同時に吉宗を悩ませるのが、長女の家重。家重は、体を思うように動かせない苛立ちから周囲を困らせることが多いのであった。そんな中、新たに家重の小姓となった龍は将棋であることに気づく。聡明である事は条件としては勿論望ましい。しかし自分のためではなく「誰かの役に立ちたい」と告げる家重を後継者に決める吉宗。漢詩を詠む場面は原作でも印象的だった。将軍になれなかった宗武の無念が子の松平定信に引き継がれてからの話はSeason2に。原作では水野はめ組のひとになるので再会はしないがドラマでは蘭学を学ぶため再び大奥へ。S1ラストはいろんな人との再会がありそう。男子が少ないのを知られないために蘭学を男性だけに学ばせたことがS2のあの人に繋がっていく。なぜ加納が長子相続に拘ったかは次回の縁側シーンにて。猿の肝を買いに行った時にちらっと話に出てきた「村人が赤面疱瘡にかからなかった原因」ああそこに気づいていれば!後を田沼意次に託し国民への愛に殉じ国を亡ぼすまいと抗った吉宗去る。次代のあの人この人へのバトンが渡されS2へ八代将軍吉宗・水野祐之進編 (10)吉宗は、大岡忠相からの手紙と、村瀬の死と同時に行方の分からなくなっていた没日録を受け取る。戻ってきた没日録を読んだ吉宗は、これまで隠されていた衝撃の事実を知ることに。その後、吉宗は将軍の座を家重に引き継ぎ、後世へと希望を託すのであった。いやいやいや謎の男という役名がなくてもすぐわかりましたよ長崎だしあの風体だし。平賀源内が 鈴木杏 さんなんですね。黒木が 玉置玲央 さん。楽しみ楽しみ。加納久通の最後の出仕日に満を持して部屋住みの身である自分が将軍になれた経緯と久通が「いつか公方になる」と語った日々を静かに語る吉宗。このヒグラシの泣き声も完璧に再現されていましたね。素晴らしい。いやーこの青沼も使命感に燃える素晴らしい人物なのです。原作未読の方は是非読んで欲しい。ある場面に至った時の彼の潔さ。黒木の慟哭が引き出されるわけです。片岡愛之助 が言うからこそ意味がある仁左衛門贔屓(松嶋屋!)。吉宗の願う通り国は滅びなかったが徳川家は自らの毒により滅びの道へ。そして血を繋ぐことに懸命になった春日局がつくった大奥最後の徳川家を守ったのは徳川とは血縁のない人達。未来は常に見通せない。Season2出演医療篇松下 奈緒 安達 祐実 村雨辰剛 玉置玲央 鈴木杏 相島 一之前田 公輝 佐津川愛美 佐藤江梨子 高田夏帆 趙珉和 蓮佛美沙子幕末編瀧内 公美 愛希れいか 古川雄大 岸井ゆきの 福士蒼汰髙嶋政伸 木村了 中川翼 味方良介 高木渉 津田健次郎 大東駿介 山村紅葉 中村アン 原田泰造 長野里美 宮野真守医療編 (11)8代・吉宗公の薨去よりおよそ20年の年月が流れ―平賀源内は、長崎・出島で蘭学の習得者探しに奔走していた。それは亡き吉宗公より「赤面疱瘡」の撲滅を託された田沼意次からの内命であった。源内はそこで蘭方医・吾作と出会い、赤面疱瘡の解明に挑むため大奥入りを誘う。大奥入りを果たした吾作は名を青沼と改め、黒木の補佐のもと蘭学の講義を始めていくが。時代が下って若くて聡明だった龍(実名龍助)が麗しく頼もしい主殿頭として戻ってきた。吉宗から託された赤面疱瘡撲滅に動き出し医療編開幕。吾作改め青沼が「ありがとうと言われるのが好き」という台詞は後の源内の「どんな言葉よりありがとうと言われるのが大好きさ!」に通じる。赤面疱瘡の種を早くも熊の遺体から見つける動く本草学者源内。御台との仲も良く父の聡明さも受け継いだ頼れる将軍家治。思えばこの頃が青沼への風当たりは強くても医療チームにとっては蜜月だった。伏兵はすぐそばに、わかりやすい方も、わかりにくい方も。「病を治すのは結局は人(基礎体力&免疫)」炭を薬として売りつけた父と同じ事を言っても青沼の言葉に心動かされた黒木。春画を持ってきちゃう伊兵衛。かみ合わない3人とお端下の僖助がこの先医療編を繋いでいく。新型コロナでも石鹸で手を洗うは基本! どんなに能力があっても日本では医者としてやっていけず望まれてきた大奥でも差別があることを捨てられたサボンで示す(原作にもあった)。虐げられ排除されても希望を捨てず常に前向きで決して人を責めない究極のいい人青沼の意思がこの先医療チームを引っ張っていく光に。ああこの三人をずっと見ていたい!でもこの舞台から最初に降りてしまうのが…。医療編 (12)青沼の蘭学講義は、伊兵衛や家治の御台・五十宮も加わり賑わいを見せる。ある日、意次が源内を連れ立って講義部屋を訪れ、その真の目的は「赤面疱瘡の解明」と伝えられる。蘭学の習得にいっそう励む講義部屋の男たちであったが、ある偶然からその糸口を発見することに。その裏で、一橋治済は田安定信に近づいていき。前回まで意次を全面的にサポートし今回も「意次が一人で決めれば」とさも彼女を推しているように見えながら意次が専横を極めるかのように見せる治斉。母からかけられた呪いで吉宗の世の再来を夢見て治斉に操られる定信。吉宗の後継者選びは孫の代に禍根を生む。ちなみに竹とんぼ源内考案説あり。田沼意次へのあけっぴろげな恋(のってくれる田沼様GJ)。応援してくれた弟の赤面疱瘡の死に誓った本草学者への志。沸き起こるアイデアと何でも喋り散らかすようにして大事な事は言うべき相手を選ぶ。今回平賀源内クローズアップ回。この後原作では源内が「死にたくないよう」ってまるで子供のように泣くんですよね。あの生命力に溢れた源内がってところがツボでした。「めちゃくちゃ人の役に立っちゃう」伊兵衛も黒木もこれから大切な人を失い人生が変わっていく。ここで接種受けてる少年は未来のあの子だな。ちゃっかり自分の子には受けさせるあの人。頼りの将軍を失い白髪が増える意次。茫然とする定信。笑っているうちはまだ怖さは半分治斉。予告を見てあ!あのシーンだ!とわかってる原作既読組。医療編 (13)源内は赤面疱瘡の治療法を「人痘接種」と名付け、青沼たちは大奥内で接種を望む者を募る。実績を増やし、徐々に大奥内での評判を広めようと試みるが、得体の知れない治療への理解は思うように得られず。青沼への反発も膨らむ一方であった。そして、意次も源内や青沼を引き入れた責任を擦り付けられ。懸命に歩んできた者たちを理不尽な暴力が襲う。アヴァンから辛い場面の連続。二度と会う事はないと知りながら病で痩せた体を押して動き続ける源内。生きる事=動き続けることだから。原作では息子意知を亡くし(「べらぼう 」で宮沢氷魚 演じる)更に絶望の淵に追いやられるが本編では終わるその時まで動き続ける意次。いくらでも凛々しい姿で登場できるのに終始茫洋とした表情をしているのには理由があって。しかし彼もこの後覚醒する。自分を殺そうとしている女性の息子だと知らず(知っても青沼は変わらないだろうが)人痘を施す青沼をうっすらと思い出す家斉。人呼んでオットセイ将軍。いやさすがにこの台詞を変えたら原作ファンあれっと思いますね。一言一句変えないでくれてありがとうございます。しかしここから始まる母と子の物語も凄まじい。この漫画が出た頃まだ毒親という言葉はなかったように思う。これも今ドラマ化されたからならでは。漫画版大奥で家治の紹介に「聡明で懐が深いが想定外の危機には弱い所も」ってあって自分が毒を盛られていたと知った場面はまさにその弱い場面が出た。例え部下が自分に知らせずにライバルを殺していても我が罪と飲み込み全てを引き受ける覚悟を持った名君吉宗様とは違ってしまった。前回の五十宮から始まり皆青沼に涙ながらに礼を言う。死の間際に彼が思い出すのは外国人との間の子ゆえに受けた辛い思いではなく赤面疱瘡をなくすために戦った仲間たちの思い出。こんなにきっぱりと思いきれる人がいるのか、と原作を読んだ当時思った。医療編 (14)3代・家光以来の男将軍として就任した家斉。しかし実権は母・治済に握られ、政治に口を出すことは許されなかった。が、秘密裏に赤面疱瘡の研究を再開させ、男子が活躍できる世を復活させようと考え始め、過去の人痘開発に尽力した者たちを探し始める。一方で、家斉の正室の御台は大奥でうまく渡り歩くが、子供たちの不審死が立て続くようになり、周囲に不信感を募らせていくのであった。青沼の一文字を取り息子に青史郎と名付け5年間赤面疱瘡が治った村を探し続ける黒木。留守を守る僖助。それぞれに息子を持ち赤面疱瘡は他人事ではなくなった二人の前に将軍が跪き人痘を乞う。回想としてまだ元気だった頃の源内が映り涙。 御台が鷹揚で優しいためあれだけ側室がいても和やかな大奥。退屈が大嫌いな治斉が御台とお志賀の方の間に不協和音を生み出し各々の名でカステラと粽を送り付ける。他人の苦しみを見て喜ぶ怪物が母と知った衝撃はすごかったろうにそれでも子を失う母=御台を見て逆らう決意をする家斉。大奥 は愛したくても愛せず愛されたくても愛されない、或いは思いが伝わらない親子のドラマである。綱吉と桂昌院、吉宗と家重、そして今回の治斉と家斉にこの後も続く。血縁=愛すべきにこだわらず愛せるものどうし家族になればいい、というのが よしながふみ 作品のテーマである。医療編 (15)黒木は、再び人痘の開発に尽力して欲しいと訪ねてきた家斉に納得がいかず、追い返してしまうも、伊兵衛や家族の説得により家斉と手を取り合う覚悟を持つ。不穏な動きを怪しむ治済の厳しい目を避けながら、家斉と黒木は翻訳局を新たに立ち上げる。再び青沼や源内、意次と夢見た「赤面疱瘡撲滅」に挑んでいくが、ついには治済の耳に入ってしまうのであった。我が子を殺された御台とお志賀が長きにわたって我が子将軍を手にかけようとする治斉をたばかり手にかける。恐ろしい母でも医師を呼んで欲しいと頼む優しい家斉がどうしてもできなかったことを女二人が成し遂げた。女を護れる男になりたい家斉だったが最後まで女に守られた。雷サービス&奮発しすぎな本編。所業の自覚はあるため毒殺を恐れ毒見役をつける。しかし復讐に燃える女達の方が一枚上手だった。御台茂姫を演じた 蓮佛美沙子 佐津川愛美仲間由紀恵 の三つ巴の女性たちのぶつかり合いがすごかった。「女達の首をはねてこい!」と威勢の良かった冒頭から息子や妻に諭されて丁寧な手紙をしたため青沼や源内の遺志を継ぐ黒木と僖助。大奥でドロドロが繰り広げられている中江戸で赤面疱瘡が流行したのを追い風についに熊痘を成功させ男女の役割が逆転し始める。宣言通り世を変えた家斉前作のぽわわんとした初登場から御台の死や母の所業を知るうちに決意を固め老中たちともわたりあう成長ぶりを見せる家斉を演じきった 中村蒼 さんお疲れ様。将軍としての権威というより優しさが先に立ったいい将軍だと思いますよ。大注目だった慶喜と西郷どんキャストが発表されました。西郷どんはいわば物語の最後を占める役割。漫画版西郷どんは太ってたけど原田さんはその細身であの台詞を言うのか…不遇の身に落とされ雌伏の時を過ごす慶喜が見たい。幕末編 (16)熊痘により赤面疱瘡が撲滅。男子による家督相続が広まった世へと様変わりを果たす。しかし12代将軍・家慶は娘の家定を寵愛し、次の将軍に指名する。老中となった阿部正弘は、事あるごとに家定に呼びつけられ、やがて彼女が置かれる境遇を知ることに。何か手立ては無いかと方々に救いを求めるうちに、芳町で出会った瀧山を大奥にあげることで家定を守る砦を作ろうと奔走する。スイーツバイキングに来たのかと思うほどこのドラマでは初めて幸せな食べ物が登場した回ではなかったか。これまで食べ物といえば毒や嫌がらせにしか使われていなかったが甘い者好き家定のおかげできんつばカステラとスイーツパラダイス。 ドラマでは絶対見られない愛しているのか憎んでいるのかわからない不幸な母息子のツーショット。阿部正弘にとって家定は理想の上司なんですよね。この二人の関係は原作でも大好きでした。何でも任せてくれる=翼をくれて責任は自分がとるという。まるでかつての吉宗公みたい。こんな名君の末裔が生まれたらきっと幕末の歴史が変わっていたのに。 名物遠山桜が「幕内にも無頼がいる」の証明に。誰も太刀打ちできない怪物を退治した光台院が再び孫を救う。やはりこの女性は強い。実力主義を取る阿部正弘によって勝海舟が浮上。いよいよ幕末がやってくる。そして次週はあの男も。幕末編 (17)家定の正室としてやってきた胤篤。薩摩が内部から幕政を操るために送り込んできた者として彼を警戒していた瀧山と家定だが、その美しい容姿に圧倒される。どこか掴めない胤篤に、油断はできないと心配する瀧山の一方で、家定は徐々に距離を縮めていくことに。家定の様子に安心した正弘は、意見がまとまらない井伊や堀田ら老中に挟まれながらも、家定から託された役目を果たそうと奔走する。そもそもの始まりから思えば瀧山が江戸の終わりにアレを選択するのもわかるんですよねぇ。寝屋で篭絡と言ってたものの郷中教育の説明からすっかり胤篤に取り込まれた家定。こりゃあかんわ、という表情の瀧山。お万の方の再来と皆は騒ぐが視聴者はお万の方の経緯を知っているので胤篤の一見裏表のなさとの差がよくわかる。やはり隠密を放っていた薩摩。ふてぶてしい慶喜。 漫画を試し読みするとわかるんですが胤篤のファーストショットは家来から隠れて地元の女性とのいちゃつき。僧侶だったお万の方とは正反対の登場でした。穏やかな顔だがやるときはやる阿部正弘。いやまさにこのシーンでございますよ。元気になって馬に乗り胤篤とも仲の良い家定を見て彼女の幸せを感じ、彼女の不幸はみんな自分が背負っていくと、瀧山の支えを振り払い家臣として最後の礼をする阿部正弘。家臣の鑑というかシスターフッドというか泣かずにはいられない。井伊直弼が名だたる家臣団の中でも別格の存在になってゆく過程をちょうど大河で見ているのは良い。この井伊が横紙破りで条約を結んでしまうんですよね。「女ごときが」という女性蔑視の権化のような井伊直弼でした。“メリケンとの条約をどうするか”同じ問を後継者候補に投げる家定。慶喜は「私などとてもとても」と謙虚さで用心深さを隠し福子は思ったことを正直に話す。いかがわしいケーキ様登場。幕府の取った策は最悪の先延ばし&朝廷取り込み。共寝してなくても仲の良い家定と胤篤よき。幕末編 (18)通商条約の調印を進めていた堀田の失態に加え、腹心の正弘の死が重なった家定の心痛は尽きない。ついには床に臥(ふ)せてしまったという知らせを聞き、家定を心配する胤篤のもとに瀧山から思いもよらぬ知らせが舞い込む。開国派と攘夷派の思惑がひしめきあう中、大老に就任した井伊は、反発を強める薩摩らを尻目に、徐々に立場を強めていく。条約の締結を推し進める井伊を懸念する瀧山と胤篤の気掛かりはやがて。大河ドラマ篤姫 でも実は仲良し説を取った家定&篤姫。今回も悪阻を気遣う仲良し夫妻。原作でも屈指の名場面家定胤篤二人きり。蛍が舞い飛ぶ中静かに語る夫妻。原作では「今この時がこの上もなく幸せだ」時計が時を刻むのではなくこの時を永遠としたかった。阿部正弘が願った家定の至福の瞬間がここにある。気合を入れて作った流水紋を取られそうでキョドる瀧山。そして見事に着こなしてしまう胤篤。似合いすぎてどぎまぎする乙女上様。篤姫 でも家定の死は長く伏せられていた。直弼「目の上のたんこぶでも主人は主人」どうする家康 を知る者にはよくわかる井伊家の不器用な忠義。大奥そもそもの始まりを彩った流水紋が流れ流れてその滅亡を見届ける時に再登場。胤篤とお揃いにはしたくない瀧山。家定の不在を隠密から知らされる胤篤は誰も彼をも疑う中故国の薩摩こそ怪しいと言われ迷路の中にいたが健気な家茂になくした父の役目を与えられ再び光の中へ幕末編 (19)家定亡き後、14代将軍となった家茂は、徳川に向けられた諸侯たちの反感を抑えるため、井伊が推し進めていた公武合体で和宮を迎え入れた。しかし、朝廷から降嫁してきた和宮は偽物で、しかも女性だったことが発覚。観行院や土御門から事情を聞き憤慨する瀧山だが、当の家茂は冷静に受け止め、思いも寄らぬ決断を下す。事情を知ってもなお、和宮にあたたかく接する家茂に、心配を募らせる天璋院と瀧山だが。お願いだからみんなカステラの呪いを忘れてあげて(涙)というわけで大奥第一部でとんでもない事になったお万の方がもらった猫若紫が同じ顔をした胤篤が和宮のために連れてきた金魚狙いの猫ちゃんに転生(嘘)。 大奥最盛期の綱吉や先代家定の頃と比べると随分簡素化された大奥。身代わりを名乗り出てもまだ自分を見てくれない実母に比べて自分を光と呼んでくれ「ただそこにいるだけで人を救う」と言ってくれた家茂のためにお鈴廊下を歩く決意をした和宮の姉宮。平清盛 の時も大量発生した麿ズ。今回は男装バリエーションつき。和宮替え玉説は 有吉佐和子の「和宮様御留」にも登場。大竹しのぶ 主演でドラマ化もされた。愛されなくても子供はどうしても親を愛そうとする。それでも望む愛は絶対に与えられなくて。よしながふみ作品に共通するテーマ「家族はなりたいものがなればいい」の最終CPなんですよね家茂と和宮は。母が言わない言葉を言ってくれた家茂に隠れひっそりと泣く和宮。 今回もいかがわしくいやらしいケーキ様をありがとう。私としては漫画原作で髭ぼうぼうだった頃のケーキ様をワンカットみたかったなぁ。幕末編 (20)弟の身代わりとして降嫁した成り行きを家茂に打ち明けた和宮。予想に反して好意的に受け止め感嘆する家茂に拍子抜けした和宮だったが、人の心に寄り添える家茂の思慮深さに触れ、次第に心が解きほぐれていく。慶喜から上洛を頼まれた家茂は、勝の助言を元に帝に直接、開国の意図を伝え説得しようと試みる。やがて和宮が総触れに現れるようになり、大奥内が落ち着きを取り戻してきた頃、京に残した息子を心配する観行院が取り乱し。死を知らされても泣きも怒りもしなかった和宮が家茂の本当の今わの際の様子を聞いた時に初めて涙を流す。お互いがお互いの側にずっといたかったがかなわなかった。「生きるとはただ別れるだけのことなのか?」いいえ生きる者は死ぬ者の願いを受け継ぐ。天璋院の問いに和宮が来週応える。31本中30本が虫歯ってそれは現代人感覚でも危ないです家茂様スイーツ男子は返上して宮様と一緒にいて欲しかった(あれ?史実と混在している)。勇ましく装い国と徳川を想っていても「死にたくない親子様に会いたい」と嘆く一人の女性だった家茂。目が全然笑っていないケーキ様が素晴らしくてしかたない大東駿介。ケーキ様に家茂の死を好機と言われ憤懣を抑えながら返事をする勝安房。彼の弟子坂本龍馬こそが幕府を倒す長州と薩摩を結ぶ。原作で出てくるか?男?女?と話題になったけど出てこなかったんですよね。幕末編 (21)国の行く末のため、自らの身も省みずに心血を注いだ家茂が志半ばで亡くなったという知らせが入る。己の信念で私利私欲に動く慶喜の振る舞いが新たな争いの火種を生んでしまう。家茂の身を案じ、あれこれ手を打って引き留めようとしていた和宮の願いは届かず、暗い空気が流れる一方で瀧山や天璋院は、時代の移り変わりとともにかつてないほどの変化を強いられる。代々受け継がれてきた大奥はやがて。原作でも胸熱シーンだったラストシーン胤篤Meets津田梅子。歴史改変が行われ女が政を行った事は伏せられている明治の御代、かつて女性達がなしてきたことを胤篤が語り津田梅子はやがて女性教育に邁進し誰かの妻になるだけではない人生を見出すに至る。瀧山の養子となる仲野の実家が実は黒木家で赤面疱瘡撲滅に邁進した黒木良順の末裔だったと明かされる。家定は病死であったと知らされ実家が妻を殺したと長年疑ってきた胤篤の呪縛が解かれる。しかし「思うように生きよ」と言われ財産散財しちゃうのか胤篤。勝てると思って戦に出てさっさと逃げ帰る最低オブ最低慶喜。後始末だけ押し付けられる勝安房。「女が政を取ったからこの国はこんなに遅れた」徳川絶対潰すマン西郷に錦の御旗から御宸筆活用を思いつき家茂の愛した江戸を守る和宮が挑む。「私はいつだって私」これが演技だったらすばらしすぎるさと姫。素敵大奥メンズが皆洋装であるのに対し留学生として洋行する女性達はまだ和装。このような所でも旧弊からなかなか抜けられない女性の立ち位置が垣間見える。やがて鹿鳴館というお仕着せ洋装時代が来るので瀧山達はきっと商売繁盛して豪商になるのでは?瀧山が大奥で死のうとして失敗するシーンは家光が亡くなった時殉死する稲葉正勝と対比を成す。大奥 DVD 全5枚NHKスクエア DVD・CD館
December 12, 2023
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みなさんこんばんは。アメリカの人気コメディードラマ「フレンズ」にチャンドラー役で出演した俳優のマシュー・ペリーさんが亡くなったと現地の複数のメディアが伝えました。54歳でした。今日はよしながふみさんの漫画を紹介します。環と周よしながふみ集英社マーガレットコミックス よしながさんは大奥もそうだが、長いスパンの物語が似合う。第一話とエピローグが現代編で同じ登場人物。それ以外は第二話明治時代、第三話1970年代、第四話戦後、最終話江戸時代と別々の時期に、別々の環と周が登場する。必ずしも男女どうしの組み合わせではないし、年の離れた男女の組み合わせもあり、両者間の感情は、必ずしも恋愛感情とは限らない。様々な“好き”が描かれる。彼らは出会い、出会った以上必ず別れがあるが、最も痛切なのは最終話の江戸時代における環と周の出会いと別れである。 環は周よりかなり年上だったが、周は初めから環を慕っていた。しかし出世を望んだ周の父親によって、別の男の元に嫁ぐが、夫は二人の仲に嫉妬して、ある日環に切りかかり、応戦した環は真相を言わずに逐電。仇を取るため追ってきた周の息子も病弱で病死し、二人が最後に残される。本当ならば幸せになれた相手が、運命のねじれでそうならなかった時、環は「何度でも生まれて来い どのような姿になっていても 俺が必ずそなたを見つけ出す」と息を引き取ろうとしている周に言い渡す。最終話まで来て、なぜいくつもの時代において環と周が出会い続けたかが、わかる仕組みになっている。そして第一話でなんとなく「僕はきっとこの腕の中にいる女性と死ぬまで一緒に生きていくんだ」と諦念ともつかぬ台詞をつぶやいた男と妻のなんでもない日常が、やっと出会い幸せになれた姿だと知るのだ。環も一まわりまわること、周もまわりめぐることを意味する文字である。集英社|SHUEISHA 環と周楽天ビック(ビックカメラ×楽天)
December 11, 2023
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みなさんこんばんは。自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、最大派閥の安倍派「清和政策研究会」の所属議員の中に、去年までの5年間でおよそ5000万円に上るキックバックを受けたとみられる議員がいることが関係者への取材で新たに分かりました。今日から4日間よしながふみさんの作品を紹介します。きのう何食べた?(22) (モーニング KC)よしながふみ講談社 2DK男2人暮らし 食費は月3万6000円也(昼食費別)。弁護士筧史朗=シロさんと美容師矢吹賢二=ケンジの「食生活」をめぐる物語が、2007円から始まり今年で十六年目。ドラマになり映画にもなった。 初登場時43歳だったシロさんもアラフィフになり、髪の薄さを気にしていたケンジはとうとう金髪に…と絵もそれなりに年を取った。 十六年も経てば人の気持ちも変わるもので、本編収録171話はターニングポイントになっている。当初は職場でも外でもカミングアウトは絶対嫌だと頑なだったシロさんが、友人夫婦の結婚式で「カップルとして招待されたのは人生で初めてでして知りませんでした こんなにうれしいものだとは思わなかった」と言い、無意識のうちに語った本心でケンジが号泣。そもそも友人夫婦航&大策も、一方が病気になった時に「いちいち関係を言いまわるのが面倒だから」と航が言い出したのがきっかけで結婚にこぎつけたが、もともと航は結婚には否定的だった。 同性同士の結婚なので、彼らも4巻25話に登場したカップルも養子縁組によって家族になる。現在その方法しか、家族とほぼ同等の権利が許されないからだ。コロナ禍のもとの病院の見舞いも、家族ならスルーだが、友人や職場の同僚はチェックが厳しい。18巻138話でシロさんも死後財産をケンジに残すために、一度は養子縁組の話を持ち出したが、ケンジはきっぱりと拒否。理由は一度でも養子縁組をした者は、その後解消しても絶対に結婚できないからだそうだ。彼らが健在なうちにケンジの望みが叶うといいのだが。きのう何食べた?(22) (モーニング KC) [ よしなが ふみ ]楽天ブックス
December 10, 2023
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みなさん、海面温度が上がって朝鮮半島が台風の通り道になってますね。よしながふみさんの漫画大奥をご存知ですか?映画にもドラマにもなりましたね。連載ではいよいよ最終回まであと2話になってしまいました。大奥よしながふみ白泉社 ある時、男性ばかりが感染する謎の奇病が流行したため、男性の人口が著しく減少。よって労働を女性が担うようになり、家督相続も女が行う。もちろん将軍も代々女性なので、大奥は当然男性ばかり。貧しい武士・水野は、自ら乞うて大奥への出仕を願い出るが…。 『パラレル大奥』の話になるらしいというのは、雑誌予告で前々から聞いており、最初から「男性と女性が逆転した世界」が、ただぽんと出てくるのかと思っていた。ところが第一話で、なぜパラレル=男女逆転状態になったかという理由をちゃんと説明している。折しも現実でも「性別」に「役割」を割り振るのではなく、必要に迫られて「役割」に「性別」を当てはめる事態が起こっている。はからずも非常に似た現実を横目で見ながら、仮想現実の世界を楽しむという事が可能になってしまった。 勿論別段のテーマを設けずとも、本作は漫画自体で十分楽しめる。第一部の主人公・水野は、どんな境遇にあっても、自分らしさを貫く潔いよしながキャラであり、吉宗も、クールで決断力のある第二の主役として魅力たっぷりだ。姓からの連想で、てっきりこの先も水野と吉宗の中が続くのかと思ったが、あっさりと新章では江戸時代初期の大奥が取り上げられている。史実を良く知る人は、今後そちらとの比較をしながら、一体どのように辻褄が合うのか、或は合わなくなってゆくのかを見てゆくのも面白い。 『愛すべき娘たち』でもそうだったが、よしなが作品は、その終わり方が、意外性に富む。ボーイズラブものだと、「誰と誰が恋に落ちて結ばれる」或は「別れる」いずれかの選択だろうと、漠然と予測がつく。だが『大奥』では、著者が一体読者をどこに連れて行こうとしているのか、全く予測がつかない。けれど、「分からないから読みたくない」のではなく、「分からないから読みたい」と思わせる力を、この作品は持っている。着地点が早く見たいような、壮大な大奥絵巻をずっと見ていたいような。こちらもまた、パラレルな心もちである。大奥(第1巻) (ジェッツコミックス) [ よしながふみ ]楽天ブックス
September 11, 2020
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みなさん、こんばんは。大騒ぎの都議選も終わって1週間ですね。女性達は皆誰かの娘である。母にはならない人もいるけれど。今日ご紹介するのは、そんな女性達の心のつぶやきをすくいとったような短編集です。よしながふみ愛すべき娘たち 「あの」よしながさんが『メロディ』にやって来る! この連載が始まった時、かなり衝撃を受けた。『西洋骨董…』でかなり一般に広まったとはいえ、彼女のボーイズラブ作品を知っていたので、「果たして読者は受け入れるのかな?」と思っていたが、内容はかなりソフトになっていたので、ほっと胸をなで下ろした。 自分より若い男と結婚する母、怒る娘とそれぞれのパートナーの物語が第一話に登場する。その後この家族が一旦脇役に退場し、慕う相手への一方的な行為のみで満足する女子大生、祖父の教えを守って見合いをする娘、高校生の時に将来の事をあれやこれやと話していた3人の娘達の逸話を経て、もう一度この母娘の物語に戻って来る。これは、彼女の『こどもの体温』と同じ構成である。 主人公達の無言のコマが多い事と、コマ自体にも白い部分が多い事から、よく彼女の作品は静かだと言われる。けれど作品中にはちゃんとヤマ場がある。『起』で始まったかすかな引っかかり、または違和感が、『承』で緩やかに広がってゆき、『転』で遂に爆発する。第一話はまさにこの通りの展開となり、『転』で母の結婚にあーだこーだと不平を述べていた娘が、遂に「一体どうしてこの結婚がいやなのか」をぶちまけてしまう。 第三話で、遂に自分が好意を抱ける相手に逢った彼女が、なぜ結婚に踏み切れないのか考える。そして遂にその原因を、彼女は友人に向かってつぶやく。 「恋をするって人を分け隔てるという事じゃない」 さあ、これで原因はわかった。これであとは、問題を解決するだけだ。良かったね。でも、自分でわかるために口にしているような彼女も、聞いている友人も、「ああ、こんな事だったんだ」と、ほっとした顔はしていない。逆に「原因が過去にあり、その傷ついた部分も、現在の自分を形づくってきた一部になっているからその原因をつぶしてしまうわけにはいかない」事に気づき、身動きならずの図に見える。これでは、原因解消という解決には向かわない。 ところが、この『転』から『結』に至るまでの展開が、彼女はうまい。一体これをどう収めるのかと思っていたが、『結』の部分で、ちゃんと彼女達がそろって笑っている場面につながっている。それも、「こんなのあり?」の変化球ではない。ちゃんと考えれば、読者側が読んで「ああそうか」と理解できる流れになっている。そして、娘達は笑う。笑うといっても、何もかもすっきりした時の大笑いではない。ちょっと下を向いて、控えめで、誰に見せるわけでもない、自分のための、笑み。そんな笑いだ。 絵空事でなく、本当に現実にありそうな笑みを浮かべて、一連の出来事にピリオドをつける娘達を見たら、もう愛さずにはいられない。【楽天ブックスならいつでも送料無料】愛すべき娘たち (ジェッツコミックス) [ よしながふみ ]楽天ブックス
July 9, 2017
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ちょっと時間が経ったのですが、私の大好きな漫画家よしながふみさんと糸井重里さんの対談がネット上にあったので紹介します。大奥も遂に最終回。そして映画公開まで一週間。うまく繋ぎましたね。家綱のエピソードは入るのかな?と思いましたが、入りませんでした。これを入れると有功&家光の物語ではなくなってしまうからでしょうか。『大奥~誕生』最終話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり有功が大奥総取締役になり、新生大奥が誕生して一年が過ぎた。家光は、玉栄ことお玉の子を出産した。残念ながら今回も姫君だったが、玉栄は姫君誕生を手放しで喜ぶ。娘の名は、徳子と名づけられた。数年が過ぎ、長女の千代姫と次女の長子姫、そして徳子姫と、それぞれ三人の姫君たちも無事成長していた。 そんなある日、家光が有功に、三人の姫の中で誰が一番、将軍の器だと思うか訪ねる。徳子姫の時に特に難産だった家光は、もう子は産めぬ体と自覚していたのだ。しかし有功は、大奥総取締という立場から返事を控えると、世継ぎの話はまだ先の話だと、家光も有功の立場を理解して収めた。一方の玉栄は、自分の娘・徳子姫に、いつか公方様になるのだと言い聞かせ、それは有功も望んでいることだと信じていた。そんな時、家光の体調に異変が…。家光の容態は? 世継ぎ問題は? そして、有功はどうするのか!?上様然とした家光が倒れ、いずれも幼い娘しかいないという状況で後継者争いが勃発しそうになる。しかし有功が極めて理性的な決定を下す。ここは映画版と対比できるところですね。綱吉もまさに後継者問題で苦しみます。桂昌院は、因縁のあるお夏の家系にだけは将軍職を譲りたくないと熱心に綱吉に説く。しかしそのことが娘を余計に苦しめていくという悪循環を生む。もし、この時有功がいれば、もっと早く家宣に将軍職を譲るよう図っていたのではないか。そうすれば、綱吉も重圧から解放されたものを。この二人以外のドラマが余計だなと感じました。知恵伊豆こと松平信綱が殉死しないことを娘に咎められるエピソード、稲葉家の妻のエピソード。妻があの稲葉正勝の妻にしてはあまりにもモノ分かりが悪いように感じました。他方、稲葉正勝はいいキャラクターです。結局大奥を出なかった。その理由がまさかそんな事だったとは。映画版の柳沢吉保に通じるけれど、あらゆる欲から解き放たれていてアクがない。他人から観れば犠牲になったと思うかも知れないけれど、彼からすれば、幸せな人生だったかもしれません。有功が家綱をぎゅっと抱きしめるシーンは、有功の気持ちが分かると切ない。しかしこの行為が後に家綱のある告白に繋がってゆくんだろうな、と漫画版原作を見ていると何とも皮肉な結末に寂しさを感じます。報われない家綱にも。幼い頃からこんなカッコイイ男性がいれば、他に見向きもしませんよね。さて、今度は映画版だ!
December 15, 2012
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今日の地震にはびっくりしましたね。皆さんの所は大丈夫でしたか?ともあれ電車が動いて良かった。『大奥~誕生』第九話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり女将軍が誕生し、家光の生活は激変した。影の存在でなくなった家光は、連日のように「表」での御政務をこなさなければならなかった。それは、10年の長きにわたって頭巾を被り、稲葉正勝がこなしてきたことだった。女公方様の誕生で、役目が終わった正勝は、伝右衛門と久しぶりに盃を交わしながら、今までの思い出話に浸った。 正月を迎えると、江戸城では上様への元旦の挨拶に訪れる大名たちの相手に忙しい家光の姿があった。また、女将軍誕生と共に誕生した女大名たちが一同に会し、女大名の打ちかけの色で一挙に華やかになっていた。 政に精を出す家光が、幕府の財源を心配し大胆にも着手したことは、大奥の人員整理だった。百名の者に暇を出し、それに伴い相場より安値で健康な男の体を提供できる吉原を作り上げた。それは、以前城下を視察した時から考え出したことだった。女たちが子どもを産むことも出来なければ、やがて国が衰退し滅びると案じていたのだ。さらに、これから先、女将軍が立つことがあれば、女将軍と契る最初の男は、大奥の中から選ぶこと、そしてその男は必ず内々に死罪とすることを言い伝えた。有功は、少し驚きつつも家光の仰せの通りにし、その者を「御内証の方」と呼ぶことを決める。 六人衆はもとより有功さえも、政に向かう家光の言葉に対して二つ返事で従ったが、そんな状況を家光は寂しく感じ、「かけがいのないものを失ってしまった…」と、有功にこぼした。 そして季節が変わったある日のこと、家光から有功に夜伽をとの知らせが入る。ほどなく、白装束に着替え身を整える有功。しかし、「上様の体調がすぐれない」と正勝から連絡が入る。家光の体調はいかに…!?有功がお褥滑りを願い出るシーンが今回のクライマックス。あれほど待ち望んだ二人の逢瀬。もういつ会おうと誰も咎める人はいない。この日のために、辛いことを山ほど我慢してきた二人だったのに、やっと迎えたその日が、二人の肉体的な別れの日になろうとは、何と言う皮肉だろう。「わたしも男や 男なら心だけでなく肉体もわたしのものにしたいと願ってしまう この業から解き放ってほしい」と有功が願い出る。ここで急に京ことばにもどることから、これが有功の本音なのだ、と見ている者にも伝わる。それにあの必死の形相。今まで、何を言われても何があっても表情を隠し続けていた有功だからこそ、今、この時の有功がどれほど必死なのかが伝わろうというものです。その直前に「今度こそ上様との間にお子を」というお玉の顔をじっと見つめていました。自分が望んだことなのに、割り切れないでいる、そんな自分の本当の気持ちに気付いたのでしょう。有功は本当に不器用な人ですね。割り切ればいいのに、それが出来ない。純粋すぎるんですね。子を成すことができない男女が心を通わせ合うことはない、という呪いがここで生まれてしまう。なるほど、この呪いを綱吉と右衛門佐が解くんですね。それにしても家光はずいぶんと度量の大きな女性になりました。それを若い多部さんが演じているのが素晴らしい。身分の上では上位にあるのだからいくらでも自分が命じることができるのに、それをしない。有功をとても大事に思っているが故でしょう。それが果てしない孤独と向き合うことになろうと、受け止める。稲葉正勝は結局妻や娘に名乗りをしないまま終わるのでしょうか。それとも僧侶になって妻と再会?雑炊ランキング1位【送料無料】レビュー★4.2★発芽米を使ったローカロ生活の雑炊☆ローカロ生...価格:5,800円(税込、送料込)
December 8, 2012
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職場の飲み会だったのですが、このドラマが見たかったために一次会だけで帰ってきました。土日も仕事だったせいもあるのですが。『大奥~誕生』第八話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり 窪田正孝 ある日、大奥内で赤面疱瘡が発病し、お楽の方も病にかかってしまう。有功は春日局を看病しながら、その次の間にお楽の方たちを集め自身が看病すると宣言。春日局は、自分に献身的に看病してくれる有功の姿に打たれ、自分の部屋の次の間を使うことを快諾する。有功の看病も空しく、お楽の方は息を引き取った。最後まで、娘・千代姫のことを思っていたと家光に告げる有功。その言葉を聞いて、手厚く葬ってやるよう指示する家光だが、病に倒れた春日局の容態が心配でならなかった。そんな家光の心配をよそに、病状が進んでもなお、春日は薬断ちを止めていなかった。そのことを有功に気付かれたと知った春日局は、初めて心を許し、自分の生い立ちを有功に語り始める。有功と春日局の和解、春日局から有功への遺言、そして遂に女将軍誕生と立て続けにドラマティックな出来事が登場する回でした。漫画でも同じだったのですが、お楽の死についての冷めた反応に対して、憎んでいたはずの春日局をとても心配する家光が、どう受け取られるのかな?と思っていました。お楽って結構可哀想なキャラですね。有功の後釜として登場したものの、半分自己責任みたいな感じで怪我をし、その上不治の病にかかってしまう。彼にとっては町で女たちをひっかけていた方が気楽だったのではないでしょうか。家光とは単純に体だけの関係だったようですし。春日局が有功に手をついたのって、挨拶を済ませて帰ろうという有功を引きとめようとする第一回だけだったように思います。それ以後はずっと上から目線の命令口調。その春日局が病をおして彼の前に深々と手をつくシーンは、第一回とは全然意味合いが違う。第一回はただの儀礼的なもの。しかし今回は有功の人柄に触れ、「この人なら自分の死後を託せる」と感じたが故の心からの礼でした。その感情の変化を感じさせる麻生さん、さすがです。稲葉正勝の面影の中にある春日局は、有功に対して酷い仕打ちをする前の、優しさを持ち合わせた姿でした。今までずっと非情な春日局を見せてきて、やっと人間春日局を見せることが出来た回です。家族を捨て、情を捨て、自分の全てを徳川家存続に賭けてきた彼女の理由が明かされることで、ようやくただ単にイジワルな人ではなくなったのです。さて、映画でも見せ場だった女将軍初登場シーン。声を張ったり、大変だったろうなぁ、多部さん。来週は女将軍としてもっと見せ場がある一方で、有功との悲しい別れがあるようです。この二人は辛い恋愛を経て大人になりましたね。村瀬が書くことになる【没日録】は、八代将軍となった吉宗が、何でこのような女将軍になったのかを知るために読む書物で、漫画の過去【三代~七代】と現在【吉宗の治世】を繋ぐキーアイテムです。雑炊ランキング1位【送料無料】レビュー★4.2★発芽米を使ったローカロ生活の雑炊☆ローカロ生...価格:5,800円(税込、送料込)
December 1, 2012
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いよいよ映画公開まであと一カ月ですか。『大奥~誕生』第七話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり 窪田正孝 家光は伝右衛門と城下へ行き、そこで農民の悲惨な現状を目の当たりにする。城に戻った家光は六人衆を集め、農民の負担が軽くなるような対策を練る。一方、有功に頼まれ、家光の側室となった玉栄は家光と一夜を共にするが、有功のことを思い複雑な感情を抱く。玉栄と家光が一夜を過ごすまでがアヴァンタイトルで随分長かったです。最初はなぜ自分の部屋子である玉栄を推薦したのか明かされていませんが、その後有功自身が語る不思議な体験によって、その理由が分かります。まだお稚児時代だった玉栄を見た僧・隆光が、彼を見て「天下人の父となる運命」と予言したのですね。これは本物の桂昌院についての言い伝えでもあります。但し、本当に予言したのは別の僧で、その僧が死亡していたので、弟子であった隆光を召しだしたというのが言い伝えです。このドラマでは同一人物にしているんですね。そしてこの隆光の勧めにより、後の五代将軍・綱吉の時代に生類憐みの令が発布されてしまうのです。桂昌院が隆光に従ったのは、幼い頃のこの予言が本当になったからなのです。家光が有功に対して玉栄との一夜のことを「面白かった」と言うんですね。最初のお楽の時には、別の男と床を共にすることをあれほど嫌がっていた家光が、今では自分の務めとして受け入れている。お楽、お夏と来て慣れていったこともあるのでしょうね。確かに、家光は強くなりました。さて、とうとう春日局が病に倒れてしまいます。将軍がいないなか、実質的な幕閣の束ねとして意気盛んだった頃から、老いてかつての部下達に言い負かされてしまう情けない姿まで、大河ドラマほどの長いスパンではないですが、体の動きや声に至るまで、年齢に沿った演じ分けがきちんとなされています。有功も、春日局に対してただ従うのではなく筋道の通った反論が出来るようになっていて、彼の大奥で過ごした年月が窺えます。院主、それからこの後有功が就く大奥総取締も多くの者を統率する点では同じですが、優れた心映えの者は、どこに行っても人を集めるということなのでしょう。堺さんの言葉によらない演技がうまいですね。家光に声をかけようとして、子供をあやしているのを見てすかさず控えるシーン、春日局を心配する家光を見てふっと微笑むシーン。もともとよしながふみさんの原作には沈黙のコマが多いのですが、それを映像でそのままやってしまうと間が持たず退屈になる。だから、わかるかわからないくらいのちょっとした変化をつけて、登場人物の感情を読ませてしまう。次はいよいよ女将軍誕生、多部未華子さんの見せ場ですね。雑炊ランキング1位【送料無料】レビュー★4.2★発芽米を使ったローカロ生活の雑炊☆ローカロ生...価格:5,800円(税込、送料込)
November 24, 2012
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『大奥~誕生』第六話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり 窪田正孝 寛永19年夏、家光に姫君が生まれた。生まれたのが男子のお世継ぎでなかったため、お七夜の祝いも重臣のみで行われた。母となった家光は、政に関ししっかりとした意見を下すなど、器の大きい底知れぬ存在感を周囲に感じさせ、重臣たちも、「上様」と呼ぶ違和感がなくなっており、男でないことが惜しいなどと口々に語られるようになっていた。しかし、いまだ赤面疱瘡で息子を亡くす重臣も多く、そんな話を聞いていた松平信綱には、実は人には言えない秘密があった。姫君の父親となった捨蔵は、家光より『お楽』という名に改名せよと言われ感無量、上機嫌になっていた。だが、そのお楽が浮かれた拍子に転び庭石に頭を打ちつけてしまい、悔やんでも悔やみきれない怪我をしてしまう。次の側室をあてがう春日局の命を聞いていた有功は、玉栄にある願い事をするが…。 窪田正孝くんはこれで退場でしょうか。第四話でも捨蔵が、ひょいとジャンプして果物を取るシーンが挿入されていましたが、これは伏線でしたね。調子に乗る所はあるものの、基本的には善人だった捨蔵改めお楽と違い、今度の側室お夏は武家出身で、有功への風当たりも強そうです。先に来ていたとはいえ役目を果たせなかった有功に対して偉そうな態度を取ることもあるでしょう。そこが後の五代将軍綱吉のもめにもめた後継者争いにも絡んでくるのですね。有功と家光の指を絡めるシーンが何度も登場しましたが韓国ドラマ『赤と黒』のエレベーターの指キスシーンを思い出しました。時代劇なので、あまりセクシーさを出しても似あわないのですが、こちらは二人の強い結びつきを表したかったようです。サイドストーリーとしてずっと登場してきた稲葉家の正勝が実子を前にして思いがけない態度を取ります。妻は息子から話を聞いて何か勘づいたようです。原作にはないこのエピソード、どういうオチをつけるのでしょうか。多部さんの家光というのはイメージがわかなかったのですが、どんどん彼女がぴったりに思えてきました。化ける女優さんなんですね。さて、とうとう次回は戦国を知る最後の女傑、春日局が倒れる?
November 17, 2012
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『大奥~誕生』第五話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり 窪田正孝 春日局は、有功に代わる家光の側室として、江戸市中から町人の捨蔵という美形の男を連れて来た。ほどなく、有功はじめ大奥の御中臈たちと面会した捨蔵は、悪気無はないものの「(有功に)子種が無いから、代わりに上様のお床のお相手をするため来た」と言う。顔だけは美しい捨蔵だが、仕草・立ち振る舞いのどこをとっても有功とは比べものにならず、春日局は苛立ちを隠せなかった。そこで、有功の気持ちなど無視するかのように、なんと捨蔵の後見をするよう有功に命ずる。「こんな仕打ちはない。春日局には血が通っていないのだ」と腹を立てる玉栄に、有功は自分に言い聞かせるように「上様の心が揺らぐはすがない」と言う。そして捨蔵が上様の寝所へ上がる日がきた。その時、有功は…。このシリーズもちょうど半分。原作でもカッコイイ決め台詞として評判だった家光の「お前がわしを抱くのではない わしがお前を抱くのだ」が遂に登場。やっぱり映像になってもカッコイイですね、このシーン。見た目は捨蔵が言うように「美しいお姫さま」だが、ちゃらんぽらんに生きてきた捨蔵とは踏んできた場数が違う。何の説明もなくこのシーンが出てきたら、ただのタカビ―なお姫さまですが、ここで、観客に明かされてきた家光の過去が生きるんですね。「頭が高い!」と言い放ち、捨蔵を豪快に蹴って、服を脱ぎながらくるりと振り向く。侵すべからざる威厳が漂っている多部未華子さん、さすが。自分の代わりに愛する女性を抱く男性を教育せよという人を人と思わぬ命令にも穏やかに従う有功。しかし彼の胸のうちは、二人が床を共にした翌日の部屋の様子で明かされる。実際にぶった切る映像がなく、めちゃめちゃに壊された部屋の様子が映されることで、かえって観客は有功の変貌ぶりに想像力をたくましくするという寸法。TVドラマでは影武者を務める稲葉正勝のサイドストーリーが登場。彼もまた母である春日局の犠牲となり、これまでの人生とこれからの人生を捨てさせられている、有功と同じような存在。権力者の息子であるのに、いえ、息子であるが故に一切の係累とも関わりを絶たされている彼もまた、有功のように感情をあらわにしないキャラクターとしてずっと登場していたが、今回有功の心情を「平静ではいられないだろう」と察することで、彼自身の感情もまた揺れ始める。一言も台詞がないけれど、すぐ傍にいるのに声をかけることも対面もかなわない家族への想いが表現できていた。若紫の死の真相はここで明かされるが、決して有功は玉栄を叱らない。有功と玉栄のラストシーンは原作にも登場。確か生類憐みの令を出した後だったと思うのですが、この場面でも玉栄は「どうして私を叱ってくれないのか?」と言っていたような気がします。窪田さん演じる捨蔵は、口が軽くて言っていいことと悪いことの区別もつかなくて、でも悪い子じゃない憎めないキャラ。大奥では言いたい事を言わずに耐えるキャラが多いから、逆に新鮮でいい。現在『平清盛』で「忠ならんとすれば孝ならず 孝ならんとすれば忠ならず」と格調高い台詞を口にしていた人と同一人物とは思えません。まだ女性相続が認められていないので、引き続き春日局は男児出産を願っている。男子出産まで引き続き辛い関係は続いていくわけだが、ここに玉栄が絡んできてまたもやドロドロの人間関係になりそう。
November 9, 2012
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昨日は『大奥~誕生』第四話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり 窪田正孝 有功と家光が結ばれて一年。文武両道に優れ大奥の人々からも尊敬されていた有功と、政の才能を見せる家光。仲睦まじい二人を誰もが微笑ましく眺めていたが、ただ一人春日局は、一年経っても子供が生まれないことに焦っていた。そして町人の捨蔵を見染めた春日局は…。有功への愛情を隠さない家光と、男らしく彼女を支える有功。二人が一年前とは異なり感情を露わにしているのに対して、春日局だけが感情を悉く殺している。自分の息子を身代りにしていることについても一切の苦しみ悲しみを口にせず、裏で策謀を巡らしながら、しらっと「春日はいつも上さまの味方です」と笑顔で答える。彼女の頭にあるのは、仮の世から一刻も早くあるべき世に戻すこと。彼女にとっては、家光や有功の感情も、大奥の人たちが彼等にどう感化されているかも、どうでもいいこと。麻生裕未さんがめちゃくちゃ冷酷に演じている春日局なのだけれど、今日本が陥っている危機的状況を、彼女も必至で支えている。もしこの事が全国の大名にばれたら、そして海外にばれたら…。だからお褥すべりを強要された有功が「自分や家光はまるで道具だ。自分達の感情はどうなるんだ」と抗議した時の彼女の台詞「戦のない世を作るために徳川家の血を絶やさぬことが大事である」という言葉に重みがある。個人の幸せも、そもそもこの国がなくては成り立たない。有功の「殺して下さい」という台詞はずるいなぁ。あれを言われたらもう家光は何も言えない。譬え「いつも傷つけられ汚されるのが自分」であっても、彼も同じように傷つき苦しんでいるのがわかるから。でも二人の愛は苦難が大きければ大きいほど強くなるんでしょうね。政治家の片鱗を見せた家光が、春日局の裏切りを知ってどう変わってゆくのかみものです。大河ドラマ『平清盛』で、苦悩する姿ばかり見せている重盛を演じている窪田正孝くんが、チャラい商家の4男坊として登場。いやぁ、重盛とは真逆の女ったらし。ストレス発散で良かったんじゃないでしょうか。
November 3, 2012
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昨日は『大奥~誕生』第三話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり 有功の部屋に訪ねてきた家光は、沢村伝右衛門が有功の素振り1000回の話をしていった事、を話す。情けない、と有功を嘲りながらも、伝右衛門は褒めているようだったと話す家光は、自分がやった子猫を見て、自分の亡くした娘のことを話す。「我が子を亡くした悲しみに、よう、耐えてこられました」と告げた有功を見つめる家光。それ以後家光が足しげく有功を訪ねるのをお中廊たちは良く思っていなかった。そんな様子を見ていた玉栄は…。原作でも最も感動的なシーンと残酷なシーンが登場。前者は玉栄が有功を守るために、そしてちょっぴり自分の復讐も兼ねて、いたいけな子猫の命を奪うシーン。原作でも玉栄は躊躇いは見せますが、邪魔者を一人排除出来た喜びが先に立ち、子猫を殺してしまった後悔は一切見せない。ドラマでもそういう表情で捉えられていました。まだ若いからなのか、それとも、これが彼の本性であったのか、ただ、この出来事が綱吉時代のある命令の伏線となっているのがミソ。虚構とはいえ、よく考えられています。後者は、漫画ではBGMもなかったのでもっと静かでしたが、有功の優しさが家光の頑なさを溶かすシーン。有功が稲葉正勝から聞いている、という設定で、身代わりとして育てられた家光の娘・千恵(現在上様、と呼ばれている少女)の不幸な過去がフラッシュバックで紹介。これは今さら誰かのナレーションを被せる必要もなく、この演出で良かったと思います。その代わり、ラストは将軍としての鎧を被っていた千恵に女性の装をさせる有功に、彼の内面心理をボイスお―バ―で被せています。最初は、かつて男性に襲われた記憶がよみがえったのか、怯えるようだった千恵の表情が、本来の女性の姿に戻ってゆくうちに、か弱き女性の表情に変わってゆくんですね。着物を“着せ”られているのだけれど、心の鎧は”外され“てるんです。そして最後にわぁっと有功の胸に飛び込んでしまう。この二人の恋愛が一番切ないだけに、このシーンは美しく、心に残ります。原作では有功は最初女装していたのですが、ドラマでは省かれています。期待していた人が多かったらしく、ツイッターは一時そのことで騒然となりました。このラストシーンは確かに良かったのですが、「二人に幸せになってほしい」という感想を見ると、この後の展開を漫画で知っているだけに複雑ですね。【有功・家光篇】【右衛門佐・綱吉篇】とも、純愛がみのるのはほんの一瞬ですから。大奥にいる人は皆理不尽を強いられている。家光を名乗らされている千恵も、家族を殺され、自分ではない者のふりをさせられ、自分の行く末も決められない。有功もまた、院主としての将来を絶たれ、種馬としての役割しか見出されない。春日局も溺愛していた家光の幻を娘に見るが、決して満たされない。彼女の息子、稲葉正勝も妻にも息子にも会えない。その理不尽さを他者に理不尽さをぶつけることで晴らしている、歪んだ世界なのですが、ただ一人有功だけがそれをしない。だからこそ彼の美しさが際立つんですね。来週は家光の種馬―捨蔵役として、今大河ドラマ『平清盛』で、清盛の息子・重盛を演じている窪田正孝くんが登場するようです。またまた楽しみ。
October 27, 2012
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みなさんこんばんは。昨日は『大奥~誕生』第二話を見ました。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 尾美としのり 表向きは男色家の家光付きの小姓と蔑まれ、限られた男たち(御中廊)の中でもやはり公家出身の美しさだけが取り柄の何もできない男よと蔑まれる有功。一方、春日局は家光が有功に興味を持ったと知り喜ぶが…。麻生裕未さんの全く声のトーンが変わらない春日局、見事です。大きな秘密を抱え、事実上幕府を動かす存在として貫録も十分、何事にも動じない大物ぶりを見せています。そして有功を自分が見染めたものの、結局は自分の権力に屈するしかないだろう、言う事を聞くしかないだろう、と下に見ているんですね。世話役としてつけた村瀬(第一巻で吉宗に記録の存在を教える人ですね)から「有功が即座に江戸ことばに直した」と聞いても、ふん、てなもので流してますが、実は有功がどんどん自分の中の男の部分、猛々しい部分を出していってるんですね。ある意味、俗世を離れていれば、正論だけ言ってれば良かったわけです。でも、やはり俗世に戻れば、いろんな人がいる。正論そのままに生きている人なんかいないから優等生タイプの有功は格好の餌食です。閉じた世界のいじめは女の特権かと思いましたが、いやいや、男性もなかなか陰湿ですな。というより、閉じられた空間がそうさせるんでしょうか。大奥の有功いじめが描かれます。それでもめげない有功がいいんです。MISIAのテーマ曲は、毎回有功が困難にぶち当たった時に、壁を自分の力で乗り越えていくシーンで使われます。前回は玉栄を救うために女犯をおかす時。そして今回は、素振り1000回をやり抜く時。猫を家光が放るシーンは一瞬でしたね。これはやっぱり漫画で見た方が良かったな。漫画だとやはり沈黙のコマがあるので、そのコマで読者が一度立ち止まれるんですよ。でもドラマはそうではない。ずっと流れていきますからね。お椀の中に鼠が入っているシーンもやはり漫画で印象的でした。今までよしながふみ作品には必ずといっていいほど食事シーンが登場したのに、この大奥だけはずーっと出てこなかった。やっと出てきたと思ったら、こんなシーンだった、というので、三浦しをんさんと萩尾望都さんが対談で話してました。若い玉栄が御中廊達からいじめを受けていますが、その仕返しは漫画でも描かれていました。ただ素直なだけの小坊主だった玉栄が、後の桂昌院となるのですから、もって生まれた運の強さ以外にしたたかさも必要だったでしょう。彼の策略家としての一面が表れる次回も楽しみです。
October 20, 2012
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知り合いがエキストラで出るというので、土曜ドラマ『悪夢ちゃん』を見ました。これ、恩田陸さんの『夢違』【1000円以上送料無料】夢違/恩田陸【100円クーポン配布中!】オンライン書店booxが原案なんですね。脚本は大森寿美男さん。出演 北川景子 GACKT 小日向文世 優香 阿南健治 キムラ緑子二面性のある女性教師・彩未のクラスに、予知夢が見える生徒・古藤結衣子が転校してきたことから始まる様々な騒動を一話完結方式で描いています。古藤結衣子の祖父・万之介が研究者で、彼に師事している若者・志岐が、実は彩未が毎夜夢に見る王子様(GACKT)にソックリ!恋の予感にときめく彩未だが、志岐には別の目的がありそうで…。恩田さんの書籍私はまだ未読なのですが、このドラマの視聴者って大人なんでしょうか。もし子供だとしたら、あくまで夢なのですが、彩未が生徒を切れたガラスで刺す場面や、彩未がワニ二に頭をちぎられる場面など、結構残酷な場面を見せているのでいいのだろうか?と思いました。後は彩未の言葉づかいの悪さがどうにも気になりました。土曜日ですし、これくらいの破天荒さがあってもいいとは思うのですが、なにぶん時間帯も9時ですし、こちらもまた学齢の児童が視聴するのはまずいのではないかと思いました。昨日は『大奥~誕生』を見ました。漫画では第二巻にあたる部分ですね。【送料無料】大奥~誕生[有功・家光篇] DVD-BOX楽天ブックス出演 堺雅人 段田安則 麻生裕未 多部未華子 内藤剛志 小日向文世 駿河太郎 尾美としのり 男に興味がなかった家光を心配して、慶光院を見染めた春日局が無理やり還俗させて側室とした、という故事を、逆転大奥にうまく取り込んでいます。策略によってめあわされたにも関わらず純愛が生まれ、それでも徳川の血を守るためにその愛すら犠牲にしなくてはならなくなってしまう、原作漫画でも最も悲劇的なカップル家光と有功篇。よしながさんは、映画版の『永遠』のカップルでもそうですが、史実では対立していたキャラクターに実は本当の愛情が通っていたのだ、という設定を良く使ってきます。でも、それが少しも無理がなく読めてしまう。ストーリーテリングの上手さ故でしょう。この物語の主人公、有功は、周りに動かされずに自分がこうあるべきという生き方を貫こうとします。それはとても正しいし美しい。でも、この作品は美しく正しいことが勝つとは限らない。むしろ、美しく弱いものは、権謀術策に長けた強き者に常に虐げられる。その中でも美しくあろうとする有功の姿に、原作ではどうにも引きつけられたものでした。やはり主人公がぶれないと安心できます。慈愛深く、でも自分の信念は曲げない芯が強い有功という原作の有功そのままだったと思います。春日局が段々本性を表していく様子は、台詞回しの強弱で出されていました。多部さんの家光は本当にまだ少年というイメージで、これから明らかになる辛い過去の影はみじんも見せません。次回は漫画でも評判だった、“家光が有功に子猫をぽんと放る場面”が登場するので楽しみです。
October 14, 2012
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よしながふみさんの漫画“大奥”テレビドラマ版がいよいよ今週金曜日から始まりますね。映画版の予告も、先ごろ放送された大奥第一弾の映画がテレビで放送された時にやってました。期待大です。こちらもよしながふみさんの漫画です。【送料無料】彼は花園で夢を見る [ よしながふみ ]楽天ブックス『彼は花園で夢を見る』 よしなが ふみ / 新書館両親を西の国との戦争で無くした東の国の少年ファルハットは、旅の音楽師サウドに拾われる。やがて戦争が終わり、西の国にやってきたファルハットとサウドは、花園のある美しい屋敷に住むヴィクトール=ベアーニ男爵に気に入られ、逗留を許される。中世の架空の国が舞台。殆どのレビューで強調されるのが、『ボーイズラブではありません!』『ノーマルな話です!』(笑)やはり、よしなが作品という事で、圧倒的に想起されるのが、ボーイズラブなのだ。「別れぬかもしれぬと思うと 愛する事自体が恐ろしくなってしまう時は無いか?」と問うヴィクトールに、辛い別れを何度も経て来たファルハットは、微笑んで答える。「俺はもう慣れました」「ファルハット お前のようになりたかった」自信に溢れ、領民からも慕われるヴィクトールが、寄る辺なき少年ファルハットの前で涙を流す。確かに二人はお互いに好意を抱いている。心の奥底で深く繋がっているのは、交わされる視線や会話からも見て取れる。だが、ファルハットがただ一度、らしき事を一度口にした時、男爵は「なーにをたわけているのだ お前は!」と三枚目顔で一蹴(笑)。これなのだ、これ。シリアスの中に挿入される笑いの絶妙さが、たまらない。表題作他、『男爵令嬢』『そんなあなたが』『夢を見たあと』が収録された連作短編集。男爵の哀しい過去を描いた表題作が、時系列上最も古い。共に愛する人を亡くしたファルハットとヴィクトールの哀しみが、時と共にゆっくりと癒されてゆく様子が描かれる。クライマックスでは台詞が消され、まるで映画のように衝撃的瞬間が目の前を通り過ぎてゆく。山有り谷有りの人生を乗り越えてきた主人公達の、余韻を残したエンディングもいい。『ジェラールとジャック』の主人公達の名前といい、本作の「イザベル」「ダニエル=オートゥイユ」というキャラの命名といい、よしながさんはフランス映画ファン?
October 10, 2012
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いや~今日の日本サッカ―は盛り上がりましたよね。一挙に6点とは凄い。さいたまスタジアムも盛り上がったことでしょう。さて、久々によしながふみさんの漫画を紹介します。白泉社文庫 よ-4-7こどもの体温/彼は花園で夢を見る/よしながふみ【RCPsuper1206】オンライン書店boox『こどもの体温』 よしなが ふみ / 新書館「中々うまく育った」息子・紘一と二人暮らしの作家・酒井高紀親子を狂言回しに、或は主役として登場させた短編集である。その中の一篇『僕の見た風景』 の前半ラストのコマにこそ、よしながさんらしさが表れている。高紀の高校時代の後輩3人が登山から戻る途中で事故にあい、1人が事故で亡くなった。事故は相手の過失によるものだが、運転していた綾小路は責任を感じて、同乗し下半身不随となった黒田の面倒を見る。仕事を辞め、離婚し、家を改造して黒田と同居する綾小路と、宣言した通りに、綾小路を文字通りの「奴隷」として遇する黒田。二人を訪問した高紀は、綾小路の底抜けのお人好しと、黒田の度を過ぎた傲慢ぶりに、空いた口がふさがらず、不快になる。前情報が何ひとつない読者も、やはり高紀の観点に同調して、こう思う。黒田の失ったものに対する怨みも執着もわかるが、そこまでしなくてもいいんじゃないか。大体、綾小路がその怨みを受けるべき理由はない。そして、綾小路の善意によってのみ成り立っているこの関係が、随分と危ういものに見えてくる。そしてある夜、失禁した黒田のオムツを変えていた綾小路は、こう言う。「人格を奪われているのは僕じゃなくて君のほうだ。(略)君は僕に復讐されるために僕に世話される事を我慢してるじゃないか。」ここで顔を覆ってしまった綾小路は、「さよなら」と言って家を出ていく。さあ、ここだ。尽くしてきた男が出ていってしまう。散々奴隷扱いしてきた男を、一言も責めずに。フツーなら、出て行かれた男はここではっとして、「言い過ぎた」或は「やり過ぎた」と激しく自分の行動を後悔する。そして出ていった男は、涙をこらえながら走っている。例えば、こんな場面で終わったら、大概の読者は「うわー、次はどうなるんだろう?いく所まできちゃったよ。」と、不安を抱えながら次の回を待つ。ところが本作は、最後の2コマで、随分と崩した黒田を書く。そして、ぼそりと間の抜けた彼に言わせている。「…て 今独りにされたら 俺は死ぬぞ おい」黒田が言ってる事は事実だ。でも、この場面に、この顔で、言うか、フツー!?言いませんよ。おかげで、さっきまでの不安が、どこかに行ってしまったよ。おまけに、シリアス気分まで。シリアスにするべき所で、スカッと一発コミカルを放ち、期待を心地よく裏切ってくれるワザの使い道を、よしながさんは実によく、知っている。皆様も、この『ハッ!としてスカッ!』ポイントにご注意ください。ああ、そうそう、気づかずにコケてしまっても、着地点は充分やわらかいので、心配はないですよ、念のため。
June 9, 2012
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白泉社のホームページを見てびっくりしました。何と大奥がテレビドラマと映画第二弾になって再登場し、それぞれに堺雅人さんが主演するというのです。テレビドラマでは家光編で有功(お万の方)役、映画では右衛門佐役。こちらにも映画のHPが出来ています。有功は非の打ちどころのない温厚な人物。右衛門佐はある野望を持って京からやってきた人物。真逆の人物を同一俳優が演じ分けるわけですね。私としては、右衛門佐の名台詞「…生きるという事は 女と男という事は!ただ女の腹に種を付け 子孫を残し家の血を繋いでいく事ではありますまい!」を聞きたいなぁ【送料無料】大奥(第3巻)楽天ブックスちなみに家光は多部未華子さん、綱吉は菅野美穂さんです。【送料無料】大奥(第5巻)楽天ブックス菅野さんの綱吉というのはぴったりという気がします。綱吉って妖艶な魅力を持ちながら傲慢で、それでいて哀しさも持ち合わせた複雑な役なので。とっても楽しみです。
February 16, 2012
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隔月発行になっている白泉社の雑誌です。よしながふみさんのコミックスは全部持っているのですが、唯一持っていないのが大奥で、これが現在連載中だからなんです。連載が載っている号だけ買っています。こう書いてしまうと他の漫画家さんに失礼かもしれませんが、最近、ずっと活躍している漫画家さんが以前の作品の続編を出していたりするのに比べると、常に何か新しいものを発表しているよしながさんは勢いがあるなぁと思ってずっと読んでいます。以前の連載の続編ということは、新しい読者を獲得したいという思いと、以前の読者の掘り起こしをしたいという二つの目的があるわけですよね。でも、前提条件がある分、続編ものにはある程度しばりがかかると思います。この人はこういう事はしないだろう。この話はこういう風に流れるだろう、とか。ある種の安心感の中でやっている感じがあって、その分大きくはみ出せない、予定調和的なところがあるんだろうな、と。いろいろな読み方をする人がいるので、それが好きな人もいていいとは思うのですが。で、今回の大奥ですがNHKドラマでも取り上げられた吉宗の息子家重と吉宗の話になっています。ドラマでは中村梅雀さんが絶妙の演技を披露していた家重ですが、こちらの家重も負けてはいません。彼女には障害があるため、思うように言葉が出てこないんですね。だから彼女の内面は全然出てこない。寡黙なヒロインが多い中で、四代将軍に次ぐくらいの静かさですね。周りの者があれこれ言っている。でも最後の最後で彼女が本心を言った時に吉宗が受け止める。家重の時代はもうこれで終わって田沼意次の時代に移るんでしょうけれど、どんな主人公にも主張がある、というところをちゃんと抑えた、つまりキャラが立った漫画なので、読んだ後から次が楽しみになってしまいます。【送料無料】Melody (メロディ) 2011年 08月号 [雑誌]楽天ブックス
July 3, 2011
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白泉社メロディで連載されているよしながふみさんの大奥も、いよいよ吉宗から次世代へ。ホームページで掲載されていたのですが、吉宗の故郷であるJR和歌山駅に、巨大ポスターとなって吉宗が登場するほかこれまで作中に登場した将軍のうち、三代将軍家光、五代将軍綱吉、八代将軍吉宗の三人が、巨大ポスターとなって東京メトロ新宿駅・地下通路に登場するそうです。掲載期間は6月27日(月)~7月3日(日)とのこと。限定的ですが、反響によっては継続もあるのでしょうか?メロディは明日発売です。【即日配送】[新品]ポイント5倍♪5,000円以上で送料無料!!【全巻】大奥<1-7巻 最新刊>よしながふみ【ポイント倍付0530-31】百夢 楽天市場店【19周年記念17%OFF】宇治抹茶チーズケーキ ゆめみどりすてぃっく 5個§ 箱入り 個包装 抹茶タルト 抹茶チーズタルト スティックケーキ チーズケーキ楽天で購入
June 27, 2011
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