The Life Style in The New Millennium

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Master21

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2004.01.25
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「逮捕しちゃうぞ」
なんて、まだまだ可愛さの残る新米刑事の美和子が
初めて担当した事件だった。

「娘が家出したんです」
との110番で、駆けつけた美和子に
手渡された書き置きには、
・・・探さないで下さい・・・
と書いてあった。
家出をしたのは、小学校6年生の女の子で
父と二人暮らしだった。
父と言っても、女の子には実の両親は亡く、
母親の弟が5年前から戸籍上の父親になっていた。

父は康夫と言い、娘は久美と言った。
康夫は、建設会社の現場監督をしている。
なかなかの好男子で35歳になるが独身である。
近所の評判では、実の親子以上に仲の良い
親子だという。休みの日には、二人で
映画館に行ったり、食事に出かける二人だという。
美和子が康夫に
「何か心あたりは?」
と尋ねると
「いえ、それは私が教えて欲しいくらいですよ」
と康夫は悲しそうに答えた。
美和子は続けた
「失礼ですが、ご結婚は」
「いえ、久美のことを考えると結婚なんて・・・」
「でも、恋人くらいいらっしゃるでしょう?」
「はあ、一応は・・・」
「そのことは、久美さんは?」
「知らないと思いますが・・・」
「ほんとに?」
「隠してきたつもりです」
美和子は、自分の小学校6年生の頃を振り返った。
最近の女の子は、小学校6年にもなると、
クラスの半分は立派な女性である。
その気になれば、子供だって生める。
だから、身近な男性。たとえば、同じクラスの男の子にも
当然、視線を注ぐがハッキリ言って物足りない。
やはり年上の男性、たとえば先生だとか
先輩に注目する。その辺から考えれば、
たとえ、戸籍上は父だとしても
久美が康夫に興味を持ったとしても不思議はなかった。

久美は、3日後に発見された。
友達の家を転々としていたのだった。
久美は、やはり康夫に恋人がいるのを知っていた。
久美は尋問する美和子に、最初は憮然とした表情で
「私を子供扱いするからよ」
と吐き捨てるように言ったり
「お父さんを困らせてやりたかったの」
と美和子に噛みついた。
しかし、最後は
「私、寂しかったの・・・寂しかったの・・」
と久美は泣きながら机を何度も何度も叩いた。






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Last updated  2015.08.29 10:25:21
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