The Life Style in The New Millennium

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Master21

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2005.01.03
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「今時、そんな約束守るわけないよ」
多くの友達が、そう言った。
大阪に住んでいる高校2年生の川村達也は
小学校6年生の時に京都に転校して行った
石田良子と5年後の1月3日、つまり今日
に再会の約束をしていた。
会う場所は、二人が通った小学校の校庭で
お昼の1時だった。
どうして、1月3日になのかというと
達也も良子も誕生日が1月3日だったからだ。
同じ町内に住んでいた達也と良子は
家が近かったので、幼稚園の頃から
毎年、いっしょに誕生パーティーを
開いていた。

転校した当初は、毎週のように手紙を
送っていた達也だが、いつの間にか
暑中見舞いと年賀状だけとなり、
今年はクラブの合宿で年末忙しかったことも
あって年賀状さえも出していない。
良子からも年賀状は来ていない。
「電話番号かメールアドレスでも
分かればなあ・・・そうか!」
閃いた達也はNTTの番号案内で調べてみた。
ところが、
「この住所地には、石田様という方は
おられません」
と言うオペレーターの返答だった。

「ああ・・・しまった。こんなことなら
一度くらい会いに行けばよかったなあ」
達也は後悔に苛まれた。
「ひょっとして・・・」
達也は石田良子の名前をYAHOOで検索してみた。
たくさん出てきたが、どれも達也の知っている
良子とは一致しない。
「まさか・・・」
とは思ったが、YAHOOのUSAで検索してみた、
「あれ・・・あるぞ・・・京都出身で・・・
でも、まさかなあ・・・」
そう思っていたところで、もう待ち合わせの
時間になってしまった。

達也は懐かしい小学校の校庭に立った。
ちょうど、約束の1時だった。
30分ほど待ったが、良子は現れない。
「ここで、ドッチボールしたり・・
鬼ごっこしたり・・・」
そう呟きながら、誰もいない校庭のど真ん中に
向かって達也は何歩か歩いた。
頭の上から冷たいものが降ってきた。
みぞれ雨だった。
「好きやったのになあ」
そう無念そうに言うと、達也はだんだん
激しくなってくるみぞれ雨を浴びながら、
空を見上げた。
会えへんかったら、大後悔や・・・
そう思い諦めて帰ろうとした達也の後ろに
ピンクの傘が見えた。
ハッとして振り返った達也の目の前には
アメリカ滞在中の父と一時帰国したばかりの
良子が立っていた。










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Last updated  2015.08.26 11:19:52
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