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『嘲笑う闇夜』ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ著　感想メモ

(4)

テーマ：読書メモ(89)

カテゴリ：本

『嘲笑う闇夜』ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ著
―THE RUNNING OF BEASTS―
内田昌之＝訳　文春文庫　2002年5月10日

嘲笑う闇夜文藝春秋ビル・プロンジ-ニ / 文春文庫【中古】afb

■あらすじ
田舎町で凶行を重ねる”切り裂き魔”犯人には
犯行時の記憶がなく、
自分が殺人鬼だと自覚していないという。
恐怖に覆われた町で戦慄する男たちがいた――
切り裂き魔はおれではないのか？
疑心暗鬼と狂喜が爆走する中で展開される、
反則ぎりぎり、極限のフーダニット。
鬼才コンビの伝説的超絶パルプ・サスペンス、登場。
解説・折原一

■感想
これは1976年に発表された、
プロンジーニとマルツバーグの共著を、
26年後の2002年にようやく和訳出版された
サイコ・サスペンス。

2021年の今からみると45年前の作品だ。
45年前にこんな作品があったんだと驚いた。

私は大昔にプロンジーニの初期作品を読んだ気がする。
最近、過去の事すら消えてしまうので
『誘拐』『失踪』『殺意』と言った題名に
記憶がある程度なんだなぁ。
そして当時私は全く反応しなかったので、
以来プロンジーニはスルーしていたのだった。

図書館でたまたま見つけた表紙に興味を惹かれて
読んでみたら、
複数人の視点が次々に出てくる形で、
なかなか面白かった。

小さな田舎町で女性が次々と殺されて行く中で、
ニューヨークからやって来た精神科医が放った
「切り裂き魔は自分が犯人だと知らない」説は
住民に呪いのように浸み込んで、
不安と恐怖を倍増して行く。
その様子が、一人一人の視点に
じわじわと影響を及ぼしていくのが伝わる。

人間は初めて出会った情報が浸透してしまうそうで、
最近のコロナ騒動でも何が真実かに関わらず、
やたらとテレビで取り上げるものしか伝わっていない怖さを実感しているので
人間の危うさを改めて考えた。

45年も前に、情報・報道の危険性を認識していたなんてね。
（いや、私が長年うかつだっただけだけど）
ここに出てくる人たちは不安感に苛まれ
自分を信じられなくなって行く、
もしくは思い込む、
もしくは思い込もうとしている。

最後には畳みかけるような疾走感に煽られて、
何が起きているのかしっかり読み込みもせずに
走り抜けてしまった。

人間の不安定な面を強調してあるためか、
好きな登場人物はいなかったなぁ。
病んでる人ばっかりで、誰もかれもが怪しくて、
思い込みだけが書かれているのか
事実としての情報なのか分からないものだから、
途中からは誰の事も遠い視点で見るようになった。

退屈じゃなかったよ。
途中までは面白かったよ。
後半は不安感が乗り移って怖かったよ。
だから著者の勝ち！って感じですかね。
人間は弱くて脆いから危ないよって、
希望は感じられない読後感だった。
もうプロンジーニはいいかなぁ。

ほとんどの翻訳ミステリは訳者があとがきを書く。
これは作家の折原一氏が解説を書いていて、
編集者の意欲が感じられた。
（多分、折原一の作品は読んだことがない）
表紙も邦題も良かった。

―2021年9月18日読了―

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Last updated November 3, 2021 03:50:31 PM
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■コメント

Re:『嘲笑う闇夜』ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ著　感想メモ(11/03)

散歩中の雨雲さん

こんばんは。

久しぶりにインしました。

相変わらずみたいで良かったです。

また冬がきましたね。

今年の１回目の地震にはやられました。

２回目からは散らからなかったけれど、突っ張り棒とか対策しましたよ。 (November 8, 2021 03:45:18 AM)

返事を書く

散歩中の雨雲様～★

ふゆゆんさん

お久しぶりです散歩中の雨雲様。
大震災以来、ぐらっと来ると怯えるようになりました。
うちの黒猫ニャジ君と一緒に身構えます！

地震は地質や方向によっても揺れ幅が変わるので、
よく物が落ちる時は家具の位置を変えるのも手ですね。

健康レベルは年々下がっていますが、
読書が出来るようになったのはありがたいです(^o^)

散歩中の雨雲様の体調はいかがですか？
お子様はお元気ですか？
土地に慣れましたか？
寒さ対策頑張りましょうね。 (November 14, 2021 03:19:42 PM)

返事を書く

Re[2]:『嘲笑う闇夜』ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ著　感想メモ(11/03)

散歩中の雨雲さん

ふゆゆんさんへ
子供は東北大学で統合失調陰性の疑いと言われ、東北大学がそれが得意だったせいなんで、無駄に薬を飲まされ、違うと逆らうとテストをして貰ったら長い不登校による社交不安とでました。
そしたら急に医者が冷たくなって、苦労が絶えません。
私の主治医にアドバイスを貰いながらどうにか道を拓いてます。

こちらには慣れないです。
車が無いから不自由です。
(T-T) (November 21, 2021 04:19:36 PM)

返事を書く

散歩中の雨雲様～★

散歩中の雨雲様～★ さん

うっかりしておりました。
どうやら一般人には理解しがたい
医師達の都道府県ごとの派閥や権力争いがあるようですね。
大変でしたね。
息子さんはその後いかがですか？

私の伯母は長年の統合失調症なので症状だけはよく分かります。
独り言や同じ所をぐるぐる歩くなど、明らかな症状になりと思います。
薬の副作用で、繊細な手の動きは消えました。
最近は良い薬が出て来ているらしいので、医師は試したいんでしょうね。

私も体が痛くて精神科に行ったものの、薬の効果が感じられず
変えてもらった薬が強烈で、通院を止めました。
不安障害にはYoutubeで無料で聴ける音楽（人間の耳には聞こえない周波数に癒し効果があるもの、ドイツで開発された病状や身体の部位に対応するもの）はいかがでしょうか？
私は自分を責めすぎる時があり、自己肯定感や不安障害やうつなどのものをよく聴きます。
イヤホンや小さいスピーカーなどで聴くと効果的ですが、スマホでもOKなようです。
https://www.youtube.com/watch?v=oDgd4jCgUyA&t=7s
合うか合わないか試してみて下さい。

最近、脳の可塑性の本を読んでおり、痛みや学習障害や多発性硬化症や
様々な病気や症状の新しい治療法につて実際に経験した人や開発した人の話が書いてあります。
思いを繰り返す学習や、音や光や運動で脳の中を作り変える沢山のやり方があり、それが日本で広まるには相当の年数がかかりそうですが、
音の周波数でも可能と思われ、希望があります♪

田舎は車がないと大変ですよね。
うちも1台きりになったので、
使える時間や日時が限られていて不便さはよーく分かります。
特にうちはマニュアル車なので、
運転すると筋肉痛になって全身痛になるため一人では外出出来なくなりました。
通っている接骨院さんで送迎していただけるため、
何とか動けています！
出来る所で工夫して、出来る事に感謝して毎日を過ごしています°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

散歩中の雨雲様とご家族様が喜びをもって過ごされますように♪ (June 29, 2022 11:57:07 AM)

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