Angel

Angel

全て | 日々の日記 | 小説
January 26, 2007
XML
カテゴリ: 小説
 何故か、お母様の墓参りに行きたくなって、行ってみた。

昔と変わらず、手入れが行き届いていた。

そして微かにお母様の匂いがしたような気がして、また涙を流した。

優しい風と懐かしい匂いに包まれて、いつの間にか眠ってしまった。

本当の意味で眠りにつけた。

心の安らぎと体の疲れが緊張の糸が解けたように、深い眠りについた。

城の敷地内ではあるが、人目に付き辛いので落ち着いていた。その姿は子供の頃と変わらないあどけない顔で眠っていた。「...スピネル様、こんな処で眠られて...。」

大人に見えて、こういう一面を見ると年相応の少女だということを認識させる。

「...あなたらしいですね。もう少しだけ、貴女との思い出の中に居させて下さい...。」

リックはそう呟き、彼女に触れた。そして、抱き上げて部屋まで連れて帰り、ベッドに寝かせた。

“少しで良いから、昔に戻りたい。”

主従関係があっても笑いあえたあの頃に何て思っていた。

彼が部屋を出る時、入れ替わりにクローザが入って来て、傍にいることにした。




 彼は部屋に戻るなり、姉姫君に捕まった。

「...どこに行っていたのですか?」

「...ちょっと街まで...。」

姉姫君は疑っていた。

「...本当ですか?私は貴方に王家を継いで欲しい。そして、貴方とのお子が早く欲しいのです。...私じゃダメなのですか?」

腕に絡みつきながら、言ったが

「...そんな事はありませんが、民達の生活は苦しくなるばかりで、このままじゃいけません。だから、今は国を正すことが私の勤めです。お子は流れに任せましょう。」

はっきり言ったが、本当は少しでもまだ、私のことが引っ掛かっているなんて思いもしなかった。

「...貴方らしいですね。でも、不安なんです。あれから11年経つのに、子の一人が出来ないなんて王家の恥のようなものですよ。だから、一刻も早く子が欲しいのです。」

彼女はかなり焦っていた。

“愛されていると信じたい、だけど、彼はどんなに触れても、抱いても、心に私はいない。スピネルちゃんがいる。私は、貴方に愛して欲しい。だけど、貴方はあの子を見ている。どうして、あの子なの?どうして、私じゃないの?”

姉姫君は、いつもこう思っていた。寂しくて、愛されたくて、でも、どうして良いか、解らなくて、彼に愛されている実感を欲しがっていた。

何も言えなかった。姉姫君と結婚してから判ったことは、世間知らずのお嬢様で、自分を中心に回っているということ、でも、寂しさが言動だった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  July 28, 2008 10:21:16 AM
コメント(0) | コメントを書く
[小説] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: