Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
September 1, 2009
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カテゴリ: 小説
甘たるい声を出す美女は、副部長が来るなりベッタリ。
ある意味、こんな色艶ある女性に迫られるのが、羨ましく思える。
この美女は、副部長の複数いる彼女の一人だと思う。

「悪いね!俺の後輩の為に○×病院まで、連れていてくれないか?」

言いながら、キスなんかしてるわで、驚いた。

「もぉ~!ユキの為なら、良いわよ!じゃあ、飛ばすから乗って!」

「美樹!ありがとー。Chu!桐生、乗りなさい!間に合わないとね!」

再び、キスをする。こんな副部長の裏の顔を女子に見せたくなる。キャラが変わり過ぎだー!

「何かな?」

「いえ。えっと、美樹さんでしたよね?宜しくお願いします...」

「ユキの後輩よね?可愛い子ね!じゃあ、( ^-^)_旦~!」

色っぽい声、甘い香りに酔ってしまいそうだった。

「可愛い!照れてるわ!」

「美樹!乗り換えるか?」

「ユキ、一筋よ!Chu!」

また、イチャつき出したが、車に乗った。





 「...じゃあ、行くわよ!しっかり掴まってて!」

思い切り、アクセルを踏んで、予告通り、飛ばす。シートベルトを締めているが、しっかりしがみつかないと危なかった。

「...美樹、最高!これで、間に合えば良いんだけど...(小声)」


副部長の呟く声に


『...この人、悪魔だよ!』

心の中で、呟く。

「桐生」

「はい!」

心の中を読まれたかと思い、声が上擦る。

「香澄ちゃんのこと、思い出したんだよね?」

「...ええ、まあ...。俺、香澄に酷いことを...」

「でも、あの娘は、ずっと傍にいたよ。彼女には黙っていて欲しいと言われたんだけど、声の病気で、声帯を取らないといけないかもしれないんだ。すぐにでも、手術を始めなければ、命を落とすリスクが大きくなるのを解っていて、受けずにいた。桐生に記憶が戻るまで、傍にいるって...。桐生の事故で自分を責めながら、傍にいた。だから、お前も覚悟を決めろ!」

彼女を傷付けたことに、今、かなり罪悪感を感じる。

「...香澄がいなくなるのは...嫌だ...」

呟いた。車は更に加速し、俺も気持ちばかり焦っていた。





 蝶々がヒラヒラ、暗闇の中を舞う。

「...蓮君...生きていてくれて...ありがとう...私、貴方が生きているなら......それだけで、十分...」

暗闇の中、呟いた。

香澄は、生死をさまよいつつある。一匹の蝶が目の前に、止まり、何かを言いたげな感じがした。

「...私の最後を見届けてくれるの...?」

蝶に問い掛けた。




 病院にやっと着いた。

「...美樹!ありがとう!」

副部長は、甘い声で言うと、また、キスをして、イチャついている。俺は、そろそろ、うんざりしていた。

「...あの、副部長と美樹さん!ありがとうございます!俺、行ってきます!」

「さっきに行きなさい!」

そう副部長が言ったので、軽く会釈をし、俺は急いだ。




 「...ユキvあの子、本当に可愛いわね!」

「じゃあ、桐生の所に行く?」

「も~う!ユキの意地悪!」

こんなやり取りが、暫く続いていた。





 ーIN 手術室前

「...蝶野!香澄は...?」

「せ、せ、先輩?!どうして??お姉ちゃんは、まだ、手術が続いていて...。先輩、さっき、お姉ちゃんのこと、“香澄”って呼びませんでした?」

「...思い出したんだ!香澄のこと...。どうして、今まで、忘れてしまったんだ。そのせいで、俺は香澄を...」

数々の傷付ける様な発言を思い出すだけで、胸が締め付けられる様に痛む。

「...お姉ちゃんは、先輩が死にそうになった時、自分を責めていました。だけど、先輩を信じなさいと先輩のお母さんは仰りました。だから、先輩も悔やまずに、お姉ちゃんの回復を祈るべきです!お姉ちゃんを信じて下さい!」


蝶野のは、鳴きそうだった。だけど、泣かないように、涙を隠してる。

「...ごめんな!香澄なら、きっと大丈夫だよ!蝶野のみたいに可愛い妹を残して逝けないだろ!それに、香澄が死んだら、俺が困る。だから、無事を祈ろうぜ!」

蝶野にそう言った。

「先輩...」

俺は、祈りながら、生死をさ迷っていた時のことを思い出した。




 ー IN 夢

暗闇の中、さ迷い、皆の名前を呼んだ。

だけど、誰もいない、聞こえない。何度、繰り返しても聞こえない。

さ迷い続け、絶望を感じた。


何もかも終わると覚悟した。だけど、聞こえた。優しい声



「...蓮...君」

何度も切ないけど、愛しさを感じる声

「...蓮君...」

俺を呼ぶ声が何度も響いて、声の主に逢いたくて、目覚めた。

目覚める瞬間、眩い光に纏われた一匹の蝶が飛んでいて、何故かそれが愛しい人の様な気がした。




 あの声は、きっと、香澄だったんだと思う。
そう思っていると、数人の医者が中に、慌てて入っていく姿が見えた。

「...桐生。香澄ちゃんはまだ...」

「香澄!香澄!」

部長達が続くようにやって来た。俺は、胸騒ぎがし、手術室の中に駆けて行った。

夢で見た蝶が見えた。





 ー エピローグ ー



「...菅沢高校、背番号1番、桐生蓮。強豪高校のピッチャーからボールを奪えるかー?」

真夏のグラウンドに、今、甲子園への切符を賭け、熱い戦いが繰り広げられる。

「先輩!頑張って!」

上の方から応援の声が響いている。

“香澄!俺、絶対に連れていくよ。だからー”

相手校のピッチャーは、強豪校の選手で、俺の目標の人

“ストレートか、カーブかそれとも...”

バットを構えながら、投げられる球を待っていた。

「ストライク!」

ストライク、その後も、未だ、球を奪えないでいる。




 「...蓮君は?」

「あと一回で、まずいよ!」

息を切らしながら、今の状態を聞く美少女が登場。

投げられる球を予測するのが、難しいが、次はストレートな気がしていた。




「蓮君!頑張ってー!!」

その声に、会場がざわめいた。

「...おい!あれって...」

マウンドのピッチャーは苛立っていた。

「アイドルが応援!ふざけんなよ!テメェーみたいな輩に負けられない!」

「香澄?...っふ。負けられない!俺は、あいつを甲子園に連れて行くんだ!」

そう言うと、相手校のピッチャーは思い切り、球を投げた。

“負けない”




「カーン」

真夏の空、目掛けてボールがヒット。

「キャー!ホームラン!」

グラウンドをグルッと一周、皆、走り抜けていく。




 「...菅沢高校!逆転ホームランで見事に、甲子園への切符を掴みました。」

実況中継が熱く、俺達は、挨拶を交わし

「...やるじゃねぇか!俺達の分も頼んだぜ!」

ライバルピッチャーと拳を軽く交わし、客席にいる彼女の方を向いた。

「...香澄!やったぜ!香澄も来いよ!」

彼女に向かってニカっと笑い掛け

「蓮君...」

涙を流す香澄は、慌てて、下に降りて行った。




 「蓮君ー!!」

思い切り抱き付いた。

「おめでとう!」

口付けを交わした。

公衆の面前なのを忘れて

「...お取り込み中失礼ですが、先輩達!恥ずかしい!//////」

蝶野の言葉に、ハッとした。監督はベンチで見なかったフリをしている。



「...歌手の蝶々さんですよね?そちらの方は...」

取材陣が集まってきて、大騒ぎ。




 あの日、見た蝶に、彼女の名を呼んだ。すると、奇跡的に目を覚まし、俺の名を呟いた。それから、アメリカに渡り、手術を受け、また、歌手に戻った。


 因みに香澄は、今年の甲子園の応援ソングを担当した。



「...私の大切な人です!私の夢を笑わないで、隣で支えてくれる大切な人です!」

香澄は、取材陣に対して、笑顔で答えた。




 華やかに憧れ、飛び回ったけど、私の居場所はたった一つ。

貴方がいないなら要らない。

私を忘れても、貴方は生きて...




 でもね。

貴方の傍にいたい。

狡い私は、そう願った。





 「...蝶々は、香澄の分身みたいだな!」

「だったら、私は蓮君を導く蝶々でいたいな!」

神様なんて、いないのかもしれない。だけど、もしいるなら、これからも祈り続ける。



この絆が永久に続きますように......


ヒラヒラ、蝶々は舞いながら、遥か遠い空目指して、飛び立つ。




  ー 完 ー




 後書き
遅くなりました。なかなか進まなくて苦戦しました。
夏の甲子園を掛けてみましたが、ほんのちょびっとで、すみません。私、野球の知識は、ゼロに等しいレベルです。間違っていたらすみません。m(_ _)m
香澄ちゃん視点と蓮君視点でお送りしました。
副部長のキャラは、ゲームや漫画に影響されました。賢くて、頭の切れる、二枚目の男なんです。
長々と読んでいただきありがとうございました。





 ー 番外編

「...一面トップ。桐生、お前じゃないか?」

菅沢高校の野球部の部室で、俺は質問ぜめにあっていた。

「...まあ。香澄との約束で必死でしたんで...」

「先輩!ごめんなさい!私が悪いんです!だから、蓮君を責めないで下さい!(泣)」

「香澄ちゃん!大丈夫だよ!だけど、全国の出場者達に、火を付けちゃったかもね!桐生、部長として、意地でも優勝に導かなくちゃいけなくなったな!頑張れ!」

元副部長の氷室先輩は、爽やかな笑みで圧力を掛けていた。

「...うっ...。頑張ります!」

「蓮君!頑張って」

香澄の笑顔が俺を強くする。




 全国の強豪校を敵に回してしまったが、だけど、あとには退けない。

だけど、君がいるから、前よりも大きな夢を皆で見る。

まだ、夏は始まったばかりだから...




 ー 完 ー





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Last updated  October 3, 2009 03:18:38 PM
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