Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
October 31, 2016
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カテゴリ: 日々の日記
       『 雪の想い出(続編) After Story ~ Hallowe'en編 ~』


 サラがこの村に戻って来て初のHallowe'enだが、子供達が仮装をして、お菓子を貰いに来るので連日その準備に追われていた。サラも仕事で最近帰って来ないので、苛立ちはピークだった。

元々無愛想な俺は、別に誰に好かれなくても一向に構わないが、サラに迷惑を掛ける事はしたくはないので、人並みの努力で接客していたのだが、どうしてこうなったんだろう?



「ラゼさん。貴方の気持ちは分かっていますわ。さぁ、私に触れてその優しい指で触れて良いのですよ!それとも、唇に口付けて欲しいのかしら?」

現在、貴族のご夫人に迫られ、困っている。出来るなら、今は誰にも見られたくないが、でも助けてくれと思う。

彼女には、度々資金援助を申し出られていたが断り続けていて、更に恋人のサラのことを下に見ている節があり、彼女のことをウザいと思っていた。

彼女の御蔭で、ストレスは溜まり、サラに気を遣わせてしまう。しかし、無下にすると評判を落としかねない。
なので、定期的に知り合いに手伝いに来て貰って、交わしていたのだが、今、とてつもなくピンチに陥っている。

30分ほど前まで、風の国の姫や魔女と言ったサラの友人達が手伝ってくれて、ちょうど材料も切れたので、買い物を頼み、更にハーブを分けて貰う様にお使いを頼んだ。

それから引っ切り無しに客が訪れ、お菓子を買っていく。それは良いことだ。商売をしている身としては大変ありがたい。中には熱狂的な俺のファンの女性が迫ってくるなどと状況もあったが、俺は上手く交わしていたのだが、ラスボスがやって来てしまったのだ。

「ごきげんよう。ラゼさん。」

貴族の夫人。彼女の旦那は姉に惚れている近隣の王子の城に仕える者で、サラ経由で彼女の暴走を止めて欲しいと不服ながらお願いしたのだ。

で、最近は来ないと思って少し気を抜いていた。このイベントが終われば、各地で収穫祭のイベントが行われる予定だった。そこでサラと二人きりで、楽しむと言う約束をしていた。で、その約束を思い出し、浮かれている所に彼女がやって来たのだ。

いつものように適当に交わそうと思っていると今日はいつもの倍積極的で、とうとう追い詰められ、彼女に襲われると何とも言えない最悪な状況に立たされているのだ。

“スピネル、ソフィア、どっちでもいいから早く帰って来てくれ!サラ、助けてくれ・・・。”

「ラゼさん、いますか?セナからの御裾分け持ってきましたけど・・・・・・」

救世主登場。サラの友人のセルシーだった。彼女は荷物を落とし、慌てて彼女を引き剥がす。

「な、何やっているんですか?ラゼさんは婚約中の身なんですよ!」

俺を庇うように前に出た。

「薄汚い娘がわらわに触るでない。」

夫人は、センスで彼女の頬を叩いた。憎悪が湧いてきた。

「・・・・・・リリア夫人。申し訳ないのですが、ここから早急に出て行って下さい。彼女は俺の最愛の人の親友。だから、俺にとっても大事な人です。貴女の一方的な想いに応えるなんて出来ません。」

彼女を起き上がらせ、夫人にそう言ったのだ。

「まぁ、何と言う!あの小娘の何が良くて?身分低き、貧相な身体をした娘の何がいいのかしら?」

彼女の来ているドレスは無駄に胸を強調している。見たくもない胸を見ているのだ。若ぶっているが、ただのセクハラとバワハラを強要する醜き者にしか見えていない。

ここにソフィアがいたなら、彼女にお願いし、早々に使いの者を呼び、お帰り頂いたことだろう。望まぬ形で王宮に戻る事なったスピネルにお願いし、外交問題で圧を掛けて貰おうとまで思うまでストレスが溜まっている。

何より、愛しい恋人に触れる時間が短すぎての苛立ちが今爆発しそうだった。

夫人は彼女を貧相な身体と言ったが、彼女はそこそこスタイルも良いし、胸だってある。だが、仕事で邪魔になるので、わざと小さく見せたりと工夫もしている。

ドレスを着れば、きっと魔法使いのソフィア、頭の良いスピネル姫の様に美しい娘と変わらないのを俺は知っている。二人はかなりの美人でファンも多いのだ。

サラも行く先々で、男達に声を掛けられ、困っているほどモテるのだ。

まぁ、侮辱した彼女が許せなくて、昔使っていた剣を持ってきて、彼女の喉元に突きつけた。

「貴殿がこれ以上、私の最愛の人を愚弄するなら、許さない!」

彼女を驚き、腰を抜かすが俺は退かない。まだ、何かを口にする彼女を睨み付けている。緊縛した雰囲気が保たれる。


「ラゼ、止めてー!」

突如、扉が開かれる白いローブに身を包んだサラ、そしてスピネルと騎士が立っていた。

「夫人。ラゼ・グレイにそれ以上、迫るなら容赦しないわよ。」

スピネルも今、婚約中の身だった。彼女の機嫌を損なう=スピネルの婚約者の王子との外交に皹が入ると言う絵図なのだ。

「・・・それだけはお許しください。」

彼女は騎士に連れられ、外に行き、夫人の旦那に引き渡されたのだった。

旦那はこちらを見て会釈をした。彼から後日、お詫びの品が届き、直接、謝罪まで行われるとはこの時微塵も思っていなかった。

夫人が引き取られた後、俺は剣を鞘に戻した。すると彼女から叱咤句されるのだった。





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Last updated  October 31, 2016 05:49:04 PM
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