今が生死

今が生死

2006.12.02
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カテゴリ: 健康
 今日は東京、大手町のJAビルで開催された日本農村医学会主催の「生活習慣病部会・研修セミナー」に参加してきました。生活習慣病についてのコホート研究の打ち合わせと、大阪大学教授の磯博康先生の「生活習慣病の現状」という講演と、札幌医科大学講師の斉藤重幸先生の「メタボリック・シンドロームの実態」という講演を聴いてきました。スマイル
 斉藤先生の講演の中でメタボリック・シンドロームの人とそうでない人を6年間追跡して、心疾患発生率がメタボリック・シンドロームの方がやや多かったのですが、統計学的には有意差はなかったとのデータがありました。その理由は「メタボリック・シンドロームは腹囲を必須にして、血圧、善玉コレステロール、血糖、中性脂肪の内、2つ以上異常をしめしたものを診断しているので、血圧異常が含まれていないケースもあり、そのために有意差が出なかったと思われる」と言っていました。
 最後に、質問はないかと言われましたので、私が手を上げて「これから様々なデータが積み重ねられ、有意差のある研究データーが出てくると思いますが、その結果によって、腹囲必須だとか女性の腹囲は90cm以上などの問題のある診断基準は改められる可能性がありますか? そして血圧を必須にするべきだと思いますが如何でしょうか?」と質問しました。
 講師の答えは、「もともとメタボリック・シンドロームは、内臓脂肪蓄積を問題視して発展してきた考えなので、血圧必須で、腹囲が従になることはないと思います」との答でした。また女性の腹囲90cmは甘すぎるとの質問に対しては、「内臓脂肪が100%になる状況を腹囲と比較しながら計算した結果、腹囲90cmが決められましたが、男性85cmに比べ、華奢な女性が90cmでは納得がいかないとの声も多く、実際そのためか女性でメタボリック・シンドロームと診断される率は男性に比べて極端に少ないなどのデーターもあり、今後検討して変えられるかも知れない」とのことでした。
 メタボリック・シンドロームは今年の流行語大賞にも選ばれて大変話題になりましたが、それほどのことではなく、むしろ血圧管理の方が重要との印象を受ました。
 しかし平成20年度からはメタボリック・シンドロームを主体にした健診がはじまるので、その内容には問題があるにしろ、良く勉強してスムーズにその健診が滑りだせるよう努力していきたいと思っています。





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Last updated  2006.12.02 23:47:52
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