今が生死

今が生死

2007.09.26
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テーマ: ニュース(100399)
カテゴリ: 政治
自分の性格さえ確実に把握していない人間が、他人の性格を論ずるのは僭越かも知れないが、この3人は公的人物で、社会に大きな影響力を持った人達なので、その性格を政治力の観点から論じさせて頂く。

小泉純一郎氏は高校、大学時代を通じても真の友人がいなかったと言われ、孤独、言い換えれば孤高の人だった。聖域なき構造改革を旗印に、容赦なく自分の信念を政治に反映してきた。織田信長を尊敬し、信条のためなら先輩も同期生も無視することが出来た。決断実行のパフォーマンスは強きを求めていた国民、なかんずく婦人層の絶対的支持を得て、磐石な政権を維持することができた。しかしその政策は自分の信条を貫く為のもので、様々な階層の国民一人一人の顔を思い浮かべてのものではなかった。性格は冷徹だったと思われる。

安部晋三氏は真面目で正義感が強く、正しいこと、美しいことを実行しようとした。国民の圧倒的支持を受けた小泉政権の構造改革路線は継承しなくてはならないと考えていたが、中産階級以上の国民の顔は思い浮かべることができる優しさも持っていた。政権を維持するには冷徹さが必要だが、安倍氏にはそれはなかった。

理想が高く、「日本は優れた国なのだ、またそうでなければならない」の認識が、理屈でなく、情の中に入っており、従軍慰安婦問題では勇み足をしてしまった。性格がいいので先輩議員達から好感を持たれており、総裁選では絶対的支持をもらったが、性格がいいだけでは総理大臣は務まらない。国際感覚、内政問題、拉致問題、人を見る目、何れをとっても勉強不足は否めなかった。今回の辞任劇はその真面目な性格が決断したことと思われるが、性格がよくても能力がなくてはだめだし、冷徹さもなければ勤まらないことの好例だと思う。

福田康夫氏はあのしゃべり方が嫌いだとか、まわりから押されたら出てくるその信念のなさが嫌いだという人もいる。しかしタカ派とハト派の違いがあるが、性格的には安倍氏に近い。くそ真面目で冷徹さはない。小泉氏は国民ではなく自分の信条の方を向いており、、安倍氏は国民の方も向いていたが、それは中流以上の国民だった。福田氏はもっと下層の人たちの方まで向いているのではないかと思っている。

「福田氏は八方美人で信念がない。誰とでも仲良くしようとするあまり悪い人に足元をさらわれる」と評している人もいるが、福田氏は、氏の信条である、話し合いを根幹にして、出来うる限り全ての国民階層のための政治を行おうとしていることが感じられる。しかし冷徹さがないので、ゆすぶられるとひとたまりもなく崩れてしまうもろさもある。

私は上記3人の中ではこの地味で何の取り得もなさそうな福田さんを一番買っている。病人や最下層の人達の顔まで思い浮かべて政治をやってくれそうな気がする。いくら本人がその気でも、周りがそれを許してくれないこともある。気の弱そうな福田さん、最高権力者になったからには、平和と共生の信念を貫いてもらいたいと願う。





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Last updated  2007.09.26 21:12:06
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