今が生死

今が生死

2007.10.31
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カテゴリ: 生き方
庭の入り口に咲いているチェリーセージである。シソ科サルビア属、原産はメキシコ、花言葉は「燃える思い」。春先からずっと咲いており、これからもずっと咲いてくれそうな花である。今、葉をむしってきて、その匂いを嗅いでいるが、シソ科だけあってシソの匂いもするが、もっと甘い匂いも加わっているように思う。冬の一時期を除いて年中咲いている花である。

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日曜日の同級会で同級生から聞いた話、チェリーセージのように持続と根気がある話だと思った。日本住血吸虫症で肝臓を悪くして、40歳頃から仕事を止めて今まで25年間毎日病院に通って注射をしてもらっているとのことである。実際は日本住血吸虫症の時スチブナールという薬を注射してもらうが、当時は肝炎ビールスのことは分かっていなかったし、注射器の洗浄消毒も不十分だったので、その注射を介してC型肝炎に感染した方が多い。彼もその一人だと思うが、肝機能が悪くてS医師を受診した時、相当悪いから、仕事を止めて治療に専念するように言われたとのことである。

以来、土曜も日曜も盆も正月も1日も欠かさず病院に通って強力ミノファーゲンCの注射をしてもらってきたとのことである。そんなことを言う医師も医師だがそれを忠実に実行してきた彼にも驚いた。

生活費や医療費はどのように工面してきたのか?生活保護を受けてきたのかと聞いてみたら、奥さんが働いていて、今は奥さんも定年になったが、定年後も働いてくれていて支えてもらっているとのことだった。「金の切れ目が縁の切れ目」とよく言われ、生活力がなくなった男はポイと捨てられるのがご時世だと思っていたが、見た所どこも悪くないのに仕事もしないで毎日病院に通っていた男を20年以上も支えてきてくれた奥さんはなんと素晴らしい人かと感心した。

昨年肝がんが発見されてラジオ波で焼いてもらったとの事だが、C型肝炎(当時C型と分かっていたか否か不明だが)があるだけで仕事を止めて療法に専念する必要があっただろうか?肝臓ガンが出てくる時期は仕事をするしないとはそれほど関係ないと思っている。

彼に仕事を止めさせたS医師の見識、当時としてはやむ終えなかったのであろうか?仕事をしないでも暮らせた家庭環境があったからそれができたのだと思うが、彼の人間性も関係していたと思う。彼は病人でありながら、あまりじめじめしていないで、明るい。同級会にも毎回参加しており、その明るい性格が彼女が彼を支えようと考えた要因かもしれない。

今はインターフェロンとリバブリン併用療法で、C型肝炎ウイルスをかなりの割合で排除できる時代になった。殆ど効かないと言われたタイプにも50%近くの効果が期待できるまでになった。彼もその療法を申しこんだことがあったが、肝硬変の進行度が高くて、血小板が少ないので、無理と言われたとのことである。

20年以上、何があっても毎日病院に通い続けた彼もすごいが、それを支えた奥さんはもっとすごい。一つの夫婦愛物語をみせてもらった。






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Last updated  2007.10.31 15:06:01
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