今が生死

今が生死

2009.07.04
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カテゴリ: 読書
ムクゲ:アオイ科、原産、中国、インド。花言葉「デリケートな愛」「尊敬」「説得」「信念」
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村上春樹の1Q84の中に男の主人公天吾の生い立ちの話が出てくる。幼くして母に死なれ父に育てられたが、幼稚園に入る前から小学校5年まで、日曜日はNHKの集金員をしていた父に連れられて朝早くから夕方まで集金に歩いた。

子供をつれて歩くと払いたくない人も結構払ってくれることがあり、日曜日は休みなく必ず集金につれて歩かれたので、日曜日になると体のあちこちが痛くなり、心が沈み、食欲がなくなった。お友達は日曜日には遊園地や楽しい所に連れていってもらえるが天吾にはそんな思い出は全くなかった。日曜日がなくて毎日学校に行けたらどんなにいいかと思った。

大人になってからも日曜日のいやな思い出が体にしみこんでおり、日曜日が来ると体調がくずれ、息苦しくなるとのことだった。

日曜日はいやだと言う人に時々出会うが、それは必ずしも皆が天吾のような思いをした人ばかりではない。

働いている時には生きがいが感じられるが、仕事のない日曜日には何をしたらよいか分からず自分の存在感がつかめなくていやだと言っている人もいた。

日曜日は一般的には父親が休みで、子供にとっては父とのふれあいの機会である。しかし日曜日に仕事している父親も多い。NHK集金員のように日曜日は本来は休日だが、日曜日は一般の人が家にいることが多いので、集金し易いとして休日を返上して働く場合もある。

いずれの場合でも子供は父親のデリケートな愛を求めている。商売の手段として子供を使うのは子供の心が傷つく。日曜日に仕事のある父親もそうでない父親も、子供に対するデリケートな愛を失ってはならないと思う。たとえ日曜日に仕事に出ていても、無形の愛情が注がれていれば、何らかの形で尊敬してもらえるのではなかろうか。





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Last updated  2009.07.04 22:38:09
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