今が生死

今が生死

2012.01.31
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カテゴリ: 健康
内科学会誌1月号の特集は膵臓がんだった。膵臓がんは発見された時、もしくは症状が出た時は既に進行がんのことが多く極めて予後の悪いがんである。

2007年の膵がん報告登録によると全膵がんの平均生存期間は10カ月で5年生存率は11.6%であった。手術例の平均生存期間は12.5カ月で、5年生存率は14.5%であった。手術できなかった症例の平均生存期間は4.3カ月で5年生存率は0.3%であった。

膵がんの危険因子として膵がんの家族歴、糖尿病、慢性膵炎、喫煙等が上げられているが、自分で何とかできるのはタバコ位で他のものは自分ではどうすることもできないことが多い。

膵がんはなぜそのように悪性度が強いのか?最初はがん遺伝子K-rasが変異を起こし、その後、がん抑制遺伝子であるP16やP53等が変異を起こしてがんが生じて来るが、発生直後からまわりへの浸潤や転移を起こすのは、基底膜を破壊し膵がん幹細胞などが活躍するからと言われている。打つ手はないのであろうか?

手術しても完全に治すことは出来ないし、抗がん剤も効かない。この医学の進んだ時代に何も出来ないとは情けないが、少しずつではあるが研究は進んでいる。希望の星は遺伝子治療だと思う。

今回の特集には抗がん剤療法や外科的治療については書いてあったが、遺伝子治療については書いてなかった。しかし、がん遺伝子をやっつけるか、がん抑制遺伝子を変異させないようにすれば膵がんは発生しない。発生してしまっては太刀打ちできないので、発生する前に、家族歴や糖尿病歴などで膵がんのリスクが高い人は遺伝子診断を受けて遺伝子治療を受ければ防げる可能性がある。出来あがったがんに対してもDNAワクチン、サイトカイン、細胞治療などによって治すことができるようになりつつあると平畑徹幸氏はその著「がんの遺伝子診断・治療のすすめ」に書いている。

しかしこの遺伝子治療はまだ一般的に行われていないし、保険も効かない。アップル社の前CEOスティーブ・ジョブズ氏は治療のためにお金なら何億円も出せたが膵臓がんには勝てずに56歳で亡くなった。アメリカでもまだ遺伝子治療はそれほど進歩していないのかもしれない。

秋葉原UDX平畑クリニックの平畑徹幸氏は遺伝子診断と遺伝子治療の先駆けとして多くの方の治療を行っている。膵がんのような厄介ながんは遺伝子治療の進歩に将来がかかっているのではないかと考えている。






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Last updated  2012.02.01 15:23:26
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