今が生死

今が生死

2013.02.25
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カテゴリ: 読書
家庭教師のジェーン・エアは屋敷の主人ロチェスターと婚約したが彼に狂人の妻がいた事から婚約を破棄してそのお屋敷を出ることにした。

ロチェスターはどんなに彼女を愛しているかを延々と述べて行かないでくれと迫る。一人取り残された自分はどうなるのかと打ちひしがれたり、すがりついたりして、何度も「残ると言ってくれ」と促すがその都度「ノー」と答える。最後にはいきり立ち泣き叫ぶ。

女が別れを決意した時、男は「どうしてもダメか?」とうちひしがれてトボトボと去っていく場合とロチェスターのように諦めきれずに執拗に考え直してくれと迫る場合がある。後者ではどんなに真心尽くしても、こんなに言ってもイエスと言ってくれないと逆上し、別れ話からの殺人例はしばしばニュースで見かける。

殺人事件をニュースで知った時には「二人の間で争いがあったのだろうな」位にしか思わなかったが、ジェーン・エアを読んで、思わず殺してしまいたくなる男性の心理がよくわかった。どんなに言っても心を変えてくれないことに苛立ち逆上してしまうのだと思う。

ここで私たちがしっかり認識していなくてはならないのは、自分の心は変えられても他人の心はその場ですぐ変えることは絶対不可能であるということだと思う。長い年月をかければ他人の心も変えることができることもあるかもしれないが、その場ですぐ「考え直せ」といってもまず無理なことを認識していないと事件を起こしてしまうことになる。

人の心を変えるには相手に対して真心の行いを毎日、毎日、何年間も続けてやっと通じることもあるが、そうしても通じないことの方が多いという現実をよく認識していなければと思っている。





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Last updated  2013.02.25 22:51:48
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