今が生死

今が生死

2013.03.01
XML
カテゴリ: 教育
いま受験シーズンたけなわでもう受験を終えて発表を待つだけの人もいると思う。その中には医学部を受験した人もいるが、数日後合格か不合格に分かれる。不合格の人は来年再度挑戦するかもしれないので、ここでは合否にかかわらず医学部を志した全ての受験生に一先輩の言葉を捧げたい。

入学定員が1.5倍に増え門戸が格段に広くなったが逆に難しくなったと言われている。昔は医者の子弟か変わり者が医師を目指したので元々志望者は少なく他の学部に比べてそれほど倍率は高くなかった。しかし近年の就職難で確実に就職できる職業として医師の人気が高まり、テレビドラマやドキュメンタリーなどでかっこいい医師像等の紹介もあり、志望者が増え今や最難関の学部となってしまった。

志望者が増えることはそれだけ優秀な人が選抜される可能性があり、いいことには違いないが医師にふさわしくない人まで志望するようになった結果、受験倍率を高めてしまっている傾向がある。

今夜、新潟大学医学部を卒業して医師になったが、ケニアで保育園を開いて子供たちの教育に当っている男性のことをテレビで見た。動機はアフリカの子供が飢餓でやせ細った姿の写真をみて何か自分にできることはないかとアフリカにきたことがきっかけだったとのことだが、様々な生き方があるものだと思った。医学部を卒業しても臨床医になる場合、ノーベル賞の山中先生のような研究者になる場合、予防医学で公衆衛生的仕事をする場合など、様々である。臨床医でも教授、准教授等の道を歩む人と町医者になる場合と様々だ。

諸君は今医学部という漠然としたものを目指しているが、その中でも何をやりたいかを明確にしたほうがいいと思う。もし山中先生のようになりたいと思ったら必ずしも医学部でなくても薬学部や、理学部でもいい。もし医学部に落ちても、それらの学部でも本人次第で同じような研究はできる。

天皇陛下の手術をした天野先生のようになるのだと思ったら、きめ細かな技術を磨かなければならない。手が器用でどこまでも諦めないで向上目指していける人間か自らに問いかけてもらいたい。そしてなにより苦しんでいる人のために、命懸けで尽くし、頑張る気持ちを持っているか自問してもらいたい。臨床医になるにも研究者になるにも、教育者になるにもそれが原点である。

その点を自問して、自分にはそれがあると思えたら一層邁進してもらいたい。でもそれらがないと思えたら自分に向いた別の道に進まれた方がいいと思う。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.03.01 21:48:10
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: