屋根の上
少年は空を見ながら泣いていた
誰にも気付かれることなく
誰かに邪魔されることなく
1人で
ずっと
このまま泣いていたかった
でも、そんな時
いつの間にか隣に女の子が居た
「何で泣いてるの?」
少年はその問いに応えない
「どうして1人で居るの」
その問いにも応えない
応える気はさらさらなかった
放っておいてくれ、一人にしてくれ
「1人は寂しいよ?」
関係ない、誰かが居るより1人で居るほうがずっとましだ
「なんで?」
お前には関係ない
「・・・・」
もう放っておいてくれ、一人にしてくれ
「ダメだよ。」
お前に俺のことを決める権利なんてない。
頼むから、消えてくれ
「あなたは、誰かと一緒にいる楽しさを知らないんだね」
他人と一緒に居て楽しいなんて思わない
いや、思うわけがない
自分じゃない誰かに、自分のことは理解してもらえない
だから、俺は1人でいい
自分のことは自分が良くわかってる
それだけでいい
「それはちがうよ」
違わない。お前に俺の何が解る
「わたしには解らない。君の思うことや、君の感じてることがわからない。」
そういうと少女は少年の隣に座った。
「でも・・・でもね、あなたのことを知りたいとは思う」
少年と同じように空を見ながら言い放った
心にもないことを言うな
「心にもないことじゃないよ?私は心の底からあなたのことを知りたいと思ってる」
それは偽りの心だ。
他人に干渉してもろくなことがないのをお前は知っている。
「うん、知ってるから・・・だからこそ―」
「五月蠅い!!!」
少年は叫んだ。
力の限り叫んだ
「なんで、なんでそこまでして俺を外へ連れ出そうとする?お前にとって俺はなんなんだ?」
そして立場は逆転していた。
少年は少女に対して自分の疑問を聞いていた。
あはは、と少女はきれいに笑った
少年は怪訝そうな顔をして問う
「何故笑う?」
少女はうれしそうに笑いながら、声を弾ませて言った
「やっと目を見てくれたから、君はずっと下を向いてわたしのことを見てくれてなかったからその目で、わたしの目を見てくれたことがうれしい」
そしてまた笑った
でも、少年にはまだわからなかった
どうしてそんなにきれいに笑えるのか
どうして目を見ただけでうれしいのか
俺には理解できない
だから―
「!」
そこで、少年は気がついた。
隣ではまだニコニコとホントにうれしそうな顔をしている少女がいる
そして自分はこの子のことをもっと知りたいと思っている
あぁ、そうか。
無意識のうちに立ち上がっていた。そしてまた空をみつめていた。
夜、漆黒の闇
でもその中に光りかすかな光
手を伸ばせば掴めそうだ
そう思い手を伸ばしてみた―
そして、少女は隣でうれしそうにその少年を見ていた
真っ直ぐな目で。
空に手を向けて何かをつかもうとしている少年を・・・
「あ、」
少年が声を漏らす
その声につられて空を見る
「あ、」
思わず少女も声が出た
どこまでも限りなく続く空に
いくつもの光の線ができていた
それは、人の願いを叶える小さく儚い光
「流・・・・星群」
少年が小さく呟いた
「人の願いを叶える光・・・・・」
流れ星
この小さな光に
二人は見とれていた
そして、これは終わりではなく
-始まりの光だった-
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