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地域移行は、いくつかのデメリットもあります。
一つめは、地域の受け皿の問題です。移行した地域に適切な指導者がいない、練習場所がない、といった可能性があります。学校の部活動にあったのと同じ種目を指導できる人材を確保できるとは限らず、設置可能な種目が限られます。また、指導者や練習施設が遠方にしかない、といった問題が発生しやすくなります。
二つめは、子どもたちの居場所が減ることです。学校の友だちとの付き合いや、放課後や週末の時間を過ごすために部活動に参加している中学生も少なからずいます。そういう子どもは、学校に部活動があるから部活動に参加しています。代わりのクラブや団体が地域にできたとしても、学校の部活動の代わりに入るとは限りません。そうなると、一部の子どもたちにとって大切な居場所がなくなってしまう可能性があります。
三つめは、保護者のかたの負担増です。これまでは学校内の人材や設備を使っていたのが、外部の指導者や設備を使うことで費用が発生します。活動場所への送迎にもお金と時間がかかります。それらを保護者のかたが負担することになれば、部活動が事実上有料化することと同じでしょう。 さらに、家庭の経済状況によって活動に参加できない子どもが出ることもあり得ます。
四つめは、指導の過熱化です。部活動の最大の意義はあくまでも教育的なものです。将来にわたり続けるスポーツや趣味を見つけるきっかけづくりや、人格の形成などが目的で、勝負に勝つことが最終ゴールではありません。しかし、地域移行により競技のプロが指導にあたることで、競技に勝つことにより重きを置くようになる可能性があります。その影響で、長時間の厳しい練習を課し指導が過熱し、本来の部活動の目的からそれてしまうこともあるかもしれません。 そうした事態を防ぐためには、部活動の目的や意義を外部指導者に対してもしっかりと伝えて、安全に活動できるように注意する必要があります。
(ヤフーニュース 2023年11月3日)