今日のまとめ
ニッチ型ETF
楽天証券では6月6日から既存のETF(エクスチェンジ・トレーデッド・ファンド)とは一味ちがうニッチ型のグローバル投資向けETFとして次の5銘柄の取扱を開始しています。
| ティッカー | 銘柄名 |
|---|---|
| MOO | マーケット・ベクトル・アグリビジネスETF |
| BRF | マーケット・ベクトル・ブラジル小型株ETF |
| GDX | マーケット・ベクトル・金鉱株ETF |
| GDXJ | マーケット・ベクトル・ジュニア金鉱株ETF |
| RSX | マーケット・ベクトル・ロシアETF |
差別化
これらの商品の説明に入る前に一般論として投資家に受け入れられるETFとはどのようなETFかについてひとこと解説します。米国で最初のETFが誕生したのは1993年1月のことで、SPDR(S&P500 Depositary Receipt)が最初の商品でした。その後、ETFの上場数は下の表のように年々増えました。
| 年 | ETF数 | 資産(10億ドル) |
|---|---|---|
|
1993年
|
1 | 0.046 |
|
1994年
|
1 | 0.42 |
|
1995年
|
2 | 2.05 |
|
1996年
|
19 | 2.4 |
|
1997年
|
19 | 6.7 |
|
1998年
|
29 | 15.56 |
|
1999年
|
30 | 33.86 |
|
2000年
|
81 | 65.59 |
|
2001年
|
101 | 84.6 |
|
2002年
|
113 | 102.28 |
|
2003年
|
117 | 150.71 |
(出典:How to create and manage a mutual fund or exchange traded fund, Melinda Gerber)
あるETFが投資家から支持されるサクセス・ファクターとしてETFの研究者であり運用会社の経営者でもあるメリンダ・ガーバーは 革新的な商品提案をすること(Innovation) ならびに 未だ誰も手掛けてないものを他社に先行して世に問うこと(First to Market) の重要性を説いています。なぜならETFにはユーザーに認知され、出来高が増えるほど運用資産も自然に増加し、一株当りNAV(ファンド純資産)とETF価格の乖離も少なくなり、結果として利用者にとって使い勝手の良い商品になるという好循環があるからです。
さて、今回新規に取り扱いが開始された5つのETFはいずれもヴァンエック・グローバルという運用会社が運用しています。ヴァンエックがETFに参入したのは2006年で、初年度のETFの運用資産は5200万ドルに過ぎませんでした。つまりずいぶん後発なわけです。しかし同社のETFはそういうハンデがあったにもかかわらず現在は200億ドルを超える運用資産にまで成長しています。同社が成功を収めた最大の理由は同社の企画する商品が 「柳の下の二匹目」的な発想ではなく、ユニークなニッチばかりを狙ったものだから です。言い直せば個人投資家の、(こんなETFがあれば良いのになぁ)という夢をかなえることにより同社は草の根的な支持を得てきたわけです。
マーケット・ベクトル・アグリビジネスETF(MOO)
マーケット・ベクトル・アグリビジネスETFは農業関連銘柄に投資するETFです。ティッカーのMOOは牛が「モー!」と鳴く声を模した、遊び心のある名づけ方です。同ETFの組み入れ銘柄は世界の著名な農業関連企業です。

業種サブセクター分類で言えば肥料や農業化学関連が全体の46%、農業製品が27%、農機具メーカーが16%などという比率になっています。
また国別組み入れ比率では米国が48%、シンガポールが11%、カナダが10%などとなっています。
同ETFの一株当り純資産の推移は下のグラフのようになっています。

またNAVと場で付いているETFの引け値との乖離、つまりプレミアムないしディスカウントは次のグラフのようになっています。

これをみると大体、0.6%以内に収まっていることがわかります。
マーケット・ベクトル・ブラジル小型株ETF(BRF)
マーケット・ベクトル・ブラジル小型株ETFはその名の通りブラジルの小型株に投資するETFです。
ブラジルの大型株はバーレ(VALE)に代表されるように輸出型企業が多いです。しかし今後ブラジルで開催されるワールドカップやオリンピックなどのカレンダーを考えた場合、(むしろブラジルの内需に投資したいな)と感じる投資家も多いのではないでしょうか?
実はブラジルの小型株は内需型の企業が多く、同ETFは内需型企業に投資するのに適しています。
それから最近、ジウマ・ロウセフ政権はだんだんブラジル企業の経営に口出しするようになっており、大企業ほどターゲットにされやすいです。その面でも小型株の方が良いと言えます。
気をつけるべき点としては 景気後退の前半ではブラジルの小型株は下げがきつく、逆に景気のリカバリー局面では大型株より先駆けするという性格がある 点です。この特徴を上手く活かしながら投資して頂きたいと思います。
同ETFでは消費循環が24%、工業が22%、金融が17%、素材が12%という主な組み入れとなっています。
同ETFの一株当りNAVの推移は下のグラフのようになっています。

また一株当りNAVと場で付いているETFの引け値との乖離は下のグラフのようになっています。

マーケット・ベクトル・金鉱株ETF(GDX)
マーケット・ベクトル・金鉱株ETFは大型の産金会社に投資するETFです。

同ETFに組み込まれた産金会社はいずれもしっかりとした操業実績を持っており、目下のキャッシュフローや可採年数などの面でも問題はありません。
マーケット・ベクトル・ジュニア金鉱株ETF(GDXJ)
マーケット・ベクトル・ジュニア金鉱株ETFは小型の産金会社を投資対象にしています。これらの投資対象企業は 零細な規模の企業が多く、まだ金鉱脈の発見を発見した実績が少ないものも含まれています 。従って上に紹介したGDXより遥かに投機的であると言えます。
このため同ETFは 金価格が上昇局面にあるときはより急激に株価が上昇する半面、金価格が下落する局面では下げもきつい ことが考えられます。

マーケット・ベクトル・ロシアETF(RSX)
マーケット・ベクトル・ロシアETFはロシア株に投資する最初のETFとして米国の投資家にはその存在を昔からよく知られています。
同ETFの組み入れは石油・天然ガスが38%、鉄鋼が22%、金融が13%などとなっています。強いて言えば他のファンドより石油・天然ガスへの比重が小さく、鉄鋼が大きいと言えます。

PR