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医薬品強化による「事業ポートフォリオ効果」に期待 

 子会社の三菱ウェルファーマを田辺製薬<4508.東証>と合併させると、どのような利点が見込めるか。それは石油化学とヘルスケアの収益推移を見ればわかる。
 共同持株会社の傘下にあるとはいえ、グループでは前06年3月期単体売上高が1兆0035億円の大台乗せとなった三菱化学の存在感が圧倒的。連結売上高に占める石油化学の比率は前06年3月期で45.1%、今07年3月期計画では47.3%へ高まる。だが、原料ナフサ価格の騰落で採算がブレる市況商品であることが裏目となり、連結営業利益に占める石油化学の比率は前06年3月期で25.2%、今07年3月期計画では18.1%へさらに低下する。ヘルスケア分野は逆だ。三菱ウェルファーマの前06年3月期単体売上高は1968億円程度。連結売上高に占めるヘルスケアの比率は前06年3月期で13.0%、今07年3月期計画で11.8%にすぎない。だが、連結営業利益に占めるヘルスケアの比率は前06年3月期で27.1%、今07年3月期計画では32.3%へさらに高まる。収益の絶対額も、今07年3月期計画では石油化学は増収ながら営業減益、逆にヘルスケアは減収ながら営業増益と見込まれている。
 つまり石油化学とヘルスケアの収益性と増減の方向性は対照的。だからこそ補完的な事業ポートフォリオを構築しうる。収益面で「どう谷を埋め、伸ばすか」を課題とする冨澤龍一・三菱ケミカルホールディングス社長が医薬品分野の規模拡大を図るのは当然だろう。しかも三菱ウェルファーマは三菱化学の医薬事業、東京田辺製薬(1901年創業、99年に三菱東京製薬へ事業統合)、吉富製薬(武田薬品工業の前身と三菱化学の前身との合弁で1940年設立、ウェルファイドへの社名変更を経て2001年に事業統合)、ミドリ十字(1998年に吉富製薬と合併)という4社の事業の統合企業。さらなるM&Aに支障はないはず。石油化学と医薬品を含む事業ポートフォリオの好例としては、連結子会社として大日本住友製薬<4506.東証>を擁する住友化学<4005.東証>がある。住友化学は1984年に住友製薬として分離した医薬品事業を2005年10月に大日本製薬(1897年設立)と合併させた。大日本住友製薬の前06年3月期連結売上高は2457億円、今07年3月期も主力4製品が好調だ。
 ただし「世界4強」では医薬品事業の位置づけが各社まちまちだ。世界首位の独BASFは、独ヘキストが医薬品分野へ注力しすぎて経営破綻したのを見て同分野から撤退、総合化学企業へ回帰。世界2位のダウ・ケミカルも医薬品部門へは深入りしていない。世界第4位の米デュポンも医薬品分野ではなく特殊化学品分野に特化。世界4強のうち医薬品分野に注力し成果を収めているのは世界3位の独バイエルのみなのだ。そのため、今後どう日本勢が医薬品事業を位置づけるかは気になるところ。ちなみに塩化ビニール樹脂(塩ビ)と半導体ウエハという市況商品でともに世界首位の信越化学工業<4063.東証>は、塩ビと半導体の増減益の方向性が正反対という相互補完効果が過去10期中で5期を数えたこともあり、ずっと連結営業増益を続けてきた。住友や三菱が医薬品事業により、どこまで事業ポートフォリオ効果を発揮できるかにも要注目だ。






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最終更新日  2007年01月18日 20時20分11秒


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