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2014.10.12
白浜短歌会十月歌稿下書きno.1(十月十六日)
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白浜短歌会十月歌稿下書きno.1(十月十六日)
A子さん
十月は神社の祭典賑わいて日頃の怠りまとめて御祈願
彼岸中真赤に燃える曼珠沙華七日過ぎれば地中に消える
1.十月になると秋祭りがあり、神社の祭典が賑わいます。日頃はお参りが出来ないのでこんなときにまとめてご祈願をする。結句は少し動きをだして、「まとめ祈願す」(文語「す」口語「する」)など参考までに…。
2.「七日過ぎれば」は、彼岸が終わって七日も過ぎればということでしょうか。お彼岸中は、あんなに真赤に燃えるように咲いていた曼珠沙華、七日も過ぎたら地中にでも消えたように見えなくなったということでしょうか。「地中に消える」は実際ではないでしょう。比喩で、地中に消えるように見えなくなったということでしょう。
参考:
彼岸中真赤に燃えし曼珠沙華七日過ぎたる今は消えたり
十月 B子さん
幼な子を抱きつ古家の解体を未来夢見て観いり立つ人
高き空声かけ合いて里廻り栗柿葡萄秋天こ盛
秋祭り近し夕暮れ練習の力響きていよいよだよね
1. 非常に情報が満載しています。ですから、よく分かります。幼い子を抱きながら、家の解体を見ている人がいます。古家などから類推しますと、祖父あるいは祖母と孫かもしれません。長年住みなれた家の解体はつらいものがあるでしょうが、孫の将来を考えて決断したのでしょうか。これはご自分のことですか。それなら「未来夢見て」というような表現が理解できますが、他人であったら悪くすると邪推になってしまいます。ただ自分のこととして歌っても良いと思います。
参考:
幼な子を抱(いだ)き古家の解体を未来夢見るごとく見ている
2.一首全体から、晴れ晴れとした作者の気分は伝わってきます。「高き空」は、「天高く馬肥ゆる秋」でしょうか。「声かけ合いて里廻り」とはどういうことでしょうか。また、お一人ですか、誰かといっしょでしょうか。会う人ごとに挨拶をしながら里をひと回りするといったことでしょうか。「栗柿葡萄秋天こ盛」は、まさに豊作のイメージです。ただ、稲梓では今年は、柿が不作で栗が大豊作でした。もし、ただ豊作のイメージを出すための演出であったら、やはり事実をしっかりつかんだ方がよろしいかと思います。作者の状況がいまひとつ分かりませんからなんとも言えませんが。参考はあくまでも参考です。
参考:
友とわれ声かけ合いて里廻り沈めるわれの心晴れたり
3.「秋祭り近し」と「いよいよだよね」がダブっているように思います。「近し夕暮れ」は「近き夕暮れ」がよいと思います。
参考:
秋祭り近き夕暮れ練習の太鼓の響き力こもれり
H子さん(新人)
名も知らぬ深い緑の山野草愛にあふれる花器にさしたり
夜明け前レコード盤に針落す二十歳の私下宿での癖
三役の天狗に追われべそかいた吾子の手握り山車の後追う
1.結句を「花器にさしたり」と感情を込めずさらっと終わらせたところがよかったと思います。「愛にあふれる花器」が良いです。「愛にあふれる」が具体的にどのようなものかはわからないですが、それはそれでよいと思います。名も知らない山野草を「愛にあふれる花器にさす」そのことが重要なのです。その気持ちが人の心を打つのです。愛にあふれる花器にさした山野草はさぞ生き生きとしたことでしょう。
2.夜明け前です、作者はたぶん眠れないのかもしれません。その夜明け前、レコードを聞くことが習慣となっていたようです。二十歳の作者、それも実家を離れて下宿していたようです。これが、この歌のあらすじです。ただあらすじでは短歌はつまらないのです。そこに「レコード盤に針落す」という表現があります。これによっとこの歌に命が宿ったのではないでしょうか。鋭い針をレコード盤に落す、すると、モーツアルトの曲か具体的にはわかりませんが、たぶん作者の心を静める曲がながれてきたのでしょう。これは、作者のごく個人的なことかもしれません。短歌はそれで十分だと思うのです。みんなを代表するような歌でなくてよいのです。そのごく身近な個人的なことが、こころのこもったものが、かならず全ての人に通じてゆくのだと思います。
3.「三役の天狗」というのが分かりませんが、祭りで天狗の面をかぶったものがいるのでしょう。それが子供たちを脅かしたりするのでしょう。そうした怖さが子供にとっては非日常の貴重な体験となり、怖くもあり興味もあるのも祭りの醍醐味でもあるようです。そうした子供の手を握って山車の後を追う母親、それもまた祭りの楽しさでしょう。「べそかいた吾子」「手握り山車の後追う」というこの具体的な描写が生きているとおもいます。
(つづく)
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最終更新日 2014.10.12 08:50:43
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