今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

2014.12.14
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白浜短歌会十二月歌稿(十二月十五日)下書きNO.2



                                 D子さん

顔知らぬ我等は戦友二世なり(る)りんごとみかんが心をつなぐ


嵐さりおだやかな海もどりきて岩肌みれば(につく)青のりまぶし



 1.「なり」は、文語の断定の助動詞の終止形、「なる」はその連体形です。ですから「なり」でいったん終止して、「りんごとみなんがこころをつなぐ」としたほうが良いと私は思います。戦友の絆、生死を共にした体験は私などには実際にはよく分らないかもしれませんが、気持はなんとなく分るような気もします。ましてこのような歌に接しますとなおさらその気持ちが強くなります。


1. 「嵐さり」「おだやかな海」にもう少し具体的な写生がほしいように思います。それに、多少ダブった感じがしないでもありません。「岩肌につく」のほうが私はよいと思います。荒波にもめげず岩にすがっていたような感じです。

参考: 飛沫(しぶき)上げ荒ぶる波の去りしあと岩肌につく青海苔まぶし



                         F子さん


うら山の竹薮の音なまめかし海は静かな夕暮どきぞ


伊豆の奥あまぎの山を越えし夜寂しいことになれはてるなり


   1.「なまめかし」という言葉がたいへん微妙です。この場合どう解釈したらいいんでしょうか。下の句「海は静かな夕暮」との対比を考えれば、「なまめかし」よりは「騒々し」のほうがいいかもしれません。


   参考: 裏山の竹薮の音騒々し海は静かな夕暮どきぞ


   2.上の句の「伊豆の奥あまぎの山を越えし夜」、これは過去の回想でいいでしょうか。「し」が過去の回想の助動詞ですので。下の句は、今現在の心境でよいでしょうか。


  参考: 伊豆の奥あまぎの山を越えし夜寂しいことに今は慣れたり





                       藤井テゴ


天草で活気溢れし白浜も今は少子化保育園閉ず(づ)(閉じる)


思ひ切り出たる嚏(くしゃみ)が風に乗り谺となりて返る山道


倒れても皇帝ダリヤ立ち上り薄紫の花朝光(あさかげ)の中に


1.「天草での活気溢れた昔」と「少子化の現在」(それは、天草などの産業が衰退していることを連想させます。)とを対比したところがよかったと思います。「保育園」か「幼稚園」なのか。「閉ず」は文語で新かな表記、「閉づ」は文語で旧かな表記、「閉じる」は口語で新かな表記です。


2.まず、山道でのことだと分ります。作者は山道を一人歩いているようです。そして、くしゃみをしたくなった、人前などでは、少し控えるのでしょうが、山道での作者は一人です。「思い切りくしゃみをしたのでしょう。」作者は山道を歩いて自宅へ帰るのだとおもいます。寂しい山道も今日はくしゃみのこだまが道連れなのかもしれません。


3. まず、五七五九八と破調の歌です。倒れていた「皇帝ダリヤ」が立ち上ったことへの感動があります。これを中心にしても良いと思います。下の句は、皇帝ダリヤの薄紫の花が朝の光の中に、多分輝いていたのでしょう。これも、感動的な光景です。


参考: 倒れいし皇帝ダリヤ名のごとく威厳もつがに立ち上りたり 


参考:朝光(あさかげ)の中にすっくと立ちている薄紫の皇帝ダリヤ



                                G子さん


きり雨にぬれしプランタの菜園に白き小かぶがむっくり育つ


庭すみの水引草の紅白の清そな姿に心なごめり


1. 「きり雨」と細かく言っています。また、「霧」を「きり」と仮名にしています。仮名は、「ぬれし」「かぶ」。そんなことにも神経を使っているかもしれません。今畑仕事が出来ない作者でしょう、それをプランタの菜園でまぎらわしているのでしょうか。小かぶの成長を見守っている作者の姿が浮かびます。


2.「庭すみ」が「水引草」と合っています。それにしましても、「庭すみの水引草の紅白の」と「の」で焦点をしぼってゆく方法は、ある歌を思い出します。つまり、「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一(ひと)ひらの雲」を思い出しましす。物に集中して詠んでる姿勢が、「姿」という言葉にこころがこもっているように感じます。






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最終更新日  2014.12.15 01:26:10
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