今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

2015.03.04
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「編集より」(同人誌「賀茂短歌」平成27年2月号)下書き

「虚と実」

物、現実、事実は、短歌にとってたいせつなことです。これらの反対のことはなんでしょうか。観念であったり、虚であったり、空想であったり、嘘であったりするのでしょうか。虚構などといって短歌ではとかく嫌われるのが普通です。嫌われるといえば、説明も短歌では嫌われるのです。いや、嫌われるというより、三十一音の制限のなかで物事を説明することは出来ないのです。ですから、われわれは、物や現実や事実を述べるしかないのです。

今、わたしは何を書こうとしているか実は私自身はっきりしないまま書いています。つまりわたしは、今作歌に悩んでいるのです。なかなか歌が出来ない、浮かばない、無感動のままに時だけが過ぎて行くといった状況です。焦りの気持ちが私を不安にします。そんななかで弟の、六十四歳の死に直面したわけです。これは嘘でも空想でもなく現実であり事実であったわけです。嘘に出来たらいいと思うのですが、現実であり、事実であるわけです。

虚と実、事実と嘘、こんなことを漠然となぜか考えたわけです。実は、虚があるから実があり、嘘があるから事実があるのだろうか、またはその逆か、それはあるいは裏と表のようなものでどっちも存在し、どれが良いとか悪いとかでなく、それは鑑賞にまかせるということがあるかもしれない。などと、意味なく悩んでいるのです。

今回、弟の死に直面して何首か浮かびました。やっと連作五首が作れそうです。それを三月の歌稿としてみなさんに今回お送り出来ると思います。

 土屋文恵さんより三月号の歌稿の遅れの電話がありました。お聞きするとやはり弟さんが亡くなられたということです。私の弟とまるで同じ症状で驚いています。折りしも、やはり同じ病名で歌舞伎俳優の坂東三津五郎さんが五十九歳でなくなられていることを報じています。同じ時期の偶然の出来事がたぶん長く私の記憶に残ることでありましょう。土屋さまの弟さんのご冥福をお祈りいたします。













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最終更新日  2015.03.04 14:41:52
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