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2015.07.14
白浜短歌会七月歌評(七月は休会です)下書き
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白浜短歌会七月歌評(七月は休会です)下書き
A子さん
目覚時今日の目標決めるのに忘れが多く計画空し
ぼうぼうの庭を清掃丸坊主さすが職人業の腕前
1.作者は、目が覚めるとすぐその日にやりたいこと、目標を決めているようです。やりたいことは一つではなく、いくつかあるようです。しかし、忘れることが多くて、計画したこともあらかた出来ずに一日が終わってしまう。そんな歎きの歌だと思います。「決めるのに」を「決めたるに」にすると、今日一日がくっきりとしてくると思います。
参考:目覚め時今日の目標決めたるに忘れが多く計画空し
2.草だけでなく木々の枝や葉がぼうぼうとなっている庭を想像しました。「庭を清掃」は「庭の剪定」としてみました。
参考:ぼうぼうの庭の剪定丸坊主さすが職人業の腕前
B子さん
朝露がどくだみの花光らせる四点星がちょっと小粋で
短歌(うた)仲間母の世代と座を囲むかくありたいの思いしばしば
うしろがみひかれるヒトのない日々よ(自由)それでも重い羽根の優しき
1.朝露がどくだみの白い花についていて輝いているのでしょう。四弁の花びらが星のように見えたのでしょう。「ちょっと小粋で」で止めています。「ちょっと小粋で、憎めない花」とでも続きそうな感じがします。「どくだみ」という言葉、それに対し「四点星」「小粋」などと表現することによって作者の「どくだみ」に対する気持ちが出ているように感じました。
2.短歌会、歌の仲間それは母の世代の人たち、その人たちと座を囲んでいる。このように母の世代の人たちと座をともにしたいとしばしば思ったことがあった。それが、いま実現しているのだ。そんな感激をを詠んでるのでしょうか。
3.まず、「日々よ」か「自由」かの選択があります。「日々よ」には時間といいますか、期間が入っています。「自由」は、時間は入っていない、今という感じ、その違いがあるでしょう。どちらかと言いますと、「日々」の方が歌としては重くはなると思います。短歌的には「自由」とする方が普通でしょう。短歌には原則的には時間を入れない、瞬間の文芸などと呼ばれることもあったと思います。
ご主人が亡くなられた、長らく病院に入院されていたようにも聞いています。ご主人の生前は何をするにつけても気になった、常に後ろ髪を引かれる思いであったのでしょう。それが、今解放されて自由になった。せいせいと羽根を伸ばしていいのだけれども、どうしてわたしの羽根は重いのであろうか。羽根を伸ばす気にならない、わたしの重い羽根よ、優しいこの重い羽根をわたしは愛している、そんな気持ちでしょうか。
C子さん
城山のアジサイ祭デイ仲間展望台で下田見下す
菜園に赤く色ずくミニトマト一つほおばればプチッと音する
ローソクの灯りをともし亡父母(ちちはは)に家族の無事を祈る毎日
1. 六月に城山で毎年紫陽花祭がおこなわれます。作者も、デイサービスで知り合った仲間と見に行ったのでしょう。歌のテンポが非常によい感じがしました。「城山の」「アジサイ祭」「デイ仲間」と軽く調子がよい、それが心の弾みを感じさせます。その気持ちのたかぶったところで、下田の街を見下している、そんな感じでしょうか。
2.赤く色ずいたトマト、それもミニトマトです。今畑になっている新鮮なトマトなのでしょう。それを一つもいでほおばる。「プチッと音する」はどういうことか、なにか悲鳴のようにも感じたのでしょうか。何かあわれなおもいがしたのでしょうか。この辺の解釈は、読者にゆだねられているように思います。あくまでもトマトは自然の力が加えられてつぶされ、音を発しただけなのです。
3.「ローソクの灯りをともし」は、仏壇のことでしょう。仏壇のローソクに灯をともし、線香に火をつけ、祈っているのでしょう。そういう儀式のなかに死者(亡きお父さんお母さん)が一瞬の間まるで生命を与えられ、生き返ったようにも感じるのでしょうか。今、生きているように感じるからこそ祈りが通じるのかもしれません。
D子さん
離れ住むうからに送る不ぞろいのじゃがに玉ねぎ干物も添える
まぐれでもホールインワン三回も吾におどろき心ふわふわ
1. まず、離れて住んでいるうから(親族)に送った。ふぞろいのじゃがいもとなっていますから、かなり親しい間柄かと思います。じゃがいもといっしょに玉ねぎも入れたんですが、なにかまだ物足りなかったのでしょうか、干物も添えて送ったということです。コメントによると子どもさんとかお孫さんへ送ったとのこと、うからより直接表現することもよいでしょう。「離れ住む」という設定も、もし「送る」という言葉である程度分るかもしれません。原作で良いと思いますが、参考として何首か書いておきます。
参考:一向にうまくならない野菜作り不ぞろいじゃがを子等に送りぬ
:無農薬野菜を子等に送りたく不ぞろいなるもじゃがいも入れる
:ふぞろいのじゃがに玉ねぎ干物添え喜び待てる子等に送りぬ
2. グランドゴルフをしたことがありませんので、良く分りませんが。やはり三回のホールインワンは凄いことなのでしょう。「三回も」の「も」、気持ちが入っていてよいですが、感情をおさえて、「三回の」とする方法もあるでしょう。
参考:まぐれでもホールインワン三回の吾におどろき心ふわふわ
E子さん
ひさびさに湯ヶ野の友の便りあり「犬の太郎と元気でいます」と
梅雨寒く巣篭りしたかうぐいすよ早よ出で聞かせなれの歌声
風の意のまゝに揺れてる竹のごと運命(さだめ)の風に我も任そう(われも任そう運命の風に)
1.友人が河津町湯ヶ野に住んでいるようです。その友より久しぶりに便りがあったようです。これは作者が先に便りをしていてそれに対する返事が久しぶりに来たのか。作者の方も最近便りをしてないところに、久しぶりに便りがあったのか。たとえば、後者の場合、「元気でいます」という言葉が額面通り受け取っていいのか。なんとなく、さみしさを感じます。便りのないのが無事の便りとかいいます。今お一人で住んでいる友なのでしょう。「犬の太郎と...」がそれを物語っています。作者は何か気がかりのことがあるのではないでしょうか。友を気づかう気持ちがこの一首を作らせたのではないでしょうか。
2. 作者は、木々に囲まれた環境に住んでおられて、鴬とは友だちのように親しんでいるようです。最近まで、じめじめと雨が続いていました、肌寒い日が続いていました。それで、鴬も巣篭りしているのか、早く元気な声を聞かせてくれと訴えています。作者自身もこの長雨でまいっているのでしょう。
3.風の吹くままに竹はなびきます。それを作者は見ていて思いついたのでしょう。この竹のように自分も運命の風に身を任せてこれから生きてゆこうと思ったのでしょう。「風の意のまゝに揺れてる」は、見ている風景のようにも思えるのですが、竹の性質を説明しているようにも思えます。説明は、歌を弱くします。たとえば、「強風のまゝに揺れいる」と風を「強風」にすることによって、「運命の風」も激しい運命を予感させて効果的のように感じます。下の句「運命の風」を先にするか後にするか。ご自分の感じで決められたらと思います。ただ、結句には大切な思いを込めた言葉を置きたいものです。
参考:強風のままゝに揺れいる竹のごと運命(さだめ)の風にわれも任そう
F子さん
省エネのみどりの蔓は伸びきそう夏日ま近きわが家の軒下
とびの声に空みあぐれば白き雲天城の山の上にうかべり
1. 「省エネのみどりの蔓」は、緑のカーテンのことと思います。具体的にはゴーヤとか色々あるようですが、この歌では種類まではわかりません。軒下に何本か等間隔に植えてあるのでしょう。それが競い合っているようだというのです。「夏日」は、夏の暑い日、専門的にはセ氏25度以上の日ということです。夏に向かって緑の蔓が伸び競う姿になにか生命力のようなものを感じたのではないでしょうか。
2.とびの声がした、空を見上げると白い雲が天城の山の上に浮んでいた。ただ、それだけの歌です。このような歌は非常に鑑賞がむずかしいと思います。それは、作者が自分の気持ちを読者に伝えようとはあまりしていないからだと思います。「とびの声」、あののどかなピーヒョロロという鳴声、おもわず空を見上げたのでしょう。「白い雲」もそう深刻な思いはしないのではないでしょうか。「天城の山」を意識した作者、天城山の先には順天堂大学病院が伊豆長岡にあります。なにか検査に行く予定があるのでしょうか。ただ、そう深刻なせっぱ詰まった気持ちは感じられないように思います。ただ、一点の曇りない晴天の心とは言えないようです。
原 明男
圧し曲げてたわわと連れに頬張らすのどかなりけり山桃の紅
手を掛けてけふの大漁食む夕餉話題は尽きぬなめらうの鯥(むつ)
1.山桃が沢山の実をつけてなっていたのでしょう。作者は二人で歩いていて山桃の木を見つけたのでしょう。高い枝を押し曲げ、連れの人がほおばって食べた。それは、連れの人が食べたのではなく、山桃の木が食べさせてくれたのだと言っています。山桃を擬人化し自分達と同等に扱っている、いやむしろ山桃のほうが寛大でどうぞどうぞ思う存分食べてくださいと言っているようにも感じます。故郷ののどかな一風景です。
2.まず、今日は大漁のようです。手をかけて料理したのでしょう。たとえば鯥(むつ)を細かくたたいた料理などで仲間といっしょに夕食を食べたようです。話題の尽きない、なごやかな集まりだったようです。鯥(むつ)は睦に通じる効果があるようです。「なめらう」(魚を細かくたたいた料理)も「手を掛けて」という言葉と響きあって効果があるようです。
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最終更新日 2015.07.14 18:25:26
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