渡辺つぎさんの入選歌 平成28年 NO.1
1月号(同人誌「賀茂短歌」より)
施設にて日暮れはいつも淋しくてすこし早目にカーテンを引く
(雑誌「短歌」平成二十八年一月号公募短歌館 佳作 三井ゆき 選)
2月号(同人誌「賀茂短歌」より)
一瞬のドラマと過ぎし心地して百五歳まで残る半年
(雑誌「短歌」平成二十八年二月号公募短歌館 特選 中川佐和子 選)
(評)高齢化社会となった今の日本、戦争の体験もあった一世紀を超える自らの歳月を、作者が振り返って、一瞬のドラマのようだと捉えていて味わいがある。自在な歌いぶりも魅力。
3月号(同人誌「賀茂短歌」より)
手を引きて歩ませし 息子 に手を引かれクリニック入りせり百五歳まぢか
(雑誌「短歌」平成二十八年三月号公募短歌館 佳作 三井ゆき 選)
数え子は九十六歳百四歳と肩を並べて施設入りせり
(雑誌「短歌」平成二十八年三月号公募短歌館 佳作 中川佐和子 選)
平成二十七年県民文芸 入選
あいうえお人生
あお空に見送られて一年生棒縞に黄の帯紅緒の藁草履
いさぎよく母と別れて天城越え女学生となり夢ふくらます
うろうろと職さがしする暇もなく姉の後追い教職につく
絵も文章も得意技なりし夫なれど五十八歳にてあっけなく逝く
おおらかな老後を万物に感謝して短歌にすくわれ百五歳となる
(第五十五回静岡県芸術祭 入選 植松法子・入野早代子 選)
(つづく)
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