後藤早苗の短歌(20)
(注)後藤早苗は私の妻です(平成29年1月28日死亡)。
結社誌「賀茂短歌」より転載。
新妻 (17年.9月)
新妻と同じ部屋にてねむる 息 にもはや吾の居る場所は無かりし
帰省の息もてなし一緒に食べあさりもとの食事にもどる安らぎ
自閉児の弟を持つ姉兄の互に伴侶を見つけしよろこび
自閉児の弟居るをどのように知りしか彼女は三郎と呼ぶ
台風の過ぎ去りし朝何事も無きかに蝉が声をはりあぐ
遠き日のわれを見ている思いにて挨拶をする息子(こ)の嫁を見る
(朝日歌壇「静岡版」 青野里子選 入選)
台風 (17年.10月)
ジョウロを持ち畑に行けば野菜達の悲鳴聞える早く水をと
台風の目に入りたる静けさを思わせ今日は選挙投票日
なすトマトいまだに実る秋彼岸真夏おもわす暑さは続く
一定の距離おき後を来るチャボを抱こうとすればすばやく逃げる
吾を避けているかもしれぬとふと思う休日出勤の夫送りて
(朝日歌壇「静岡版」 青野里子選 入選)
後藤瑞義入選歌(令和2年)(1) 2026.05.29
渡辺順三歌集「日本の地図」1952年(… 2026.05.29
与謝晶子の歌(370)花のある風景――(… 2026.05.29